◇先生の講話
○永字八法以外の線
(出席者 11名 荻野 記)
◇先生の講話
1.点(左下へ向かう点)
前回述べたように、楷書では点が一番難しい。特に左下へ向かう点が難しい。
①筆が紙に触れたら、筆を止めないでそのまま左下へ直線的に動かしながら強く押し込む。起筆で止めてはダメ。曲げてもダメ。
②終点まで行ったら筆跡がバサバサにならないよう端を整える(後処理)。
注:ウ冠、ワ冠の第1画目は点でなく線であり、同じ太さで筆が移動する走筆部分がある。
2.隷書の起筆
・横画は図のように3通りの起筆方法がある。このうち1、2は直線の場合、3は波磔のように弯曲する横画の場合に使う。
・縦画は図のように左縦画、右縦画がある。左縦画は筆を左に半回転、右縦画は右に半回転させる。
3.条幅作品の作り方
例として、書聖誌の月例課題のように、20文字・2行の作品を作る場合について説明する。
・ステップ1:20文字の一字一字について、隷・楷・行・草書での字形を字典で調べ表に書き出す。例えば楷書なら九成宮醴泉銘の字形、雁塔聖教序の字形など二つの字形を書き出すこと。
・ステップ2:条幅を模した短冊紙に、上で調べた2種の字形で20文字を2種類書いてみる。そしてその2種類の中から今回書いてみる字形案を選ぶ。
・ステップ3:選んだ字形案で実際に条幅に書いてみる。
・ステップ4:翌日見直す。行・草のとき、画数の少ない字は行書で、画数の多い字は草書にする、とか2行の文字並びを見て左右での文字のぶつかりをずらす、など。
見直した結果で書き直した浄書2~3枚を先生に見て貰い、添削指導を受ける。
このやりとりを3~4回繰り返して完成品に仕上げていく。
繰り返すことで、字典の真似でなく、先生の物真似でもない自分の字をものにして行くことになる。
◇実技指導については、通例通り各自の持ってきた作品に対し、時間をかけて懇切丁寧な添削指導が行われた。以後特記事項がない限り記載を省略する。
(出席者 13名 荻野 記)
◇先生の講話
1.点の基本
楷書では点が一番難しい。
・基本:45度の角度で入筆し筆をぎゅっと沈める。
・四点(烈火):1画目は筆を入れたら筆を止めずにそのまま左下へ運ぶ。2、3画目は上の基本通りの点。4画目は収筆時に底がバサバサにならないようにすること。
・烈火は元は「火」字であり最初の頃は右図のような書き順で書いていた。
2.「無」字の書き方
・筆字(左側)の場合と教育漢字(右側)とで書き順が違う。
筆字の場合、三つ目の横棒は4画目。
教育漢字の場合は二つ目の横棒を書いた後縦棒四つを書き最後に三つ目の横棒を書く。
・草書右図左のように中心線から右側に偏った字形になる。これをバランスよく整えた右図右のような字形もある。
◇実技指導
各自の持ってきた作品に対し、時間をかけて懇切丁寧な添削指導が行われた。
(出席者 12名 荻野 記)
今年の書道愛好会作品展は11月14日から18日の5日間開催しました。
書道愛好会の会員は14名(平均年齢は70歳+α)で、NTTOBの小林碧雲先生(読売書法会理事)の指導の下、「書聖」誌での段級位向上を目指して日夜励んでいます。
例会は月2回の講義と直接指導に加えて、郵送による月数回の添削指導があり、師匠の厳しく辛辣な講評の中にも、愛情こもったきめ細かい指導の下、全員落ちこぼれなくメキメキ(?)腕を上げております。
作品展は各会員が1~3点出品したほか会員外からも2名が参加しました。力作揃いですが、出展者1点ずつ紹介します。【( )内は雅号と書道愛好会歴年】
なお、昨年に引き続きNTTOGの白石さん(盛岡在住)から日展入選作品を出品いただきました。
(榎 記)