◇ 先生の講話
1.結構
結構は文字の形。印刷字と書道の字体の結構は異なる。たとえば「右」、「有」、「方」は書道では逆三角形。「欠」も単体と「歌」のつくりの「欠」では異なる。「仁」も「二」に「人」偏がついて結構が変わる。「心」、「忠」は外の点が中に入ってはいけない等々。
2.草書
隷書から生じた。したがって楷書、行書から連想できない草書字がある。 例 「有」、「幸」、「愛」等々
3.対聯(ついれん)
漢詩の2行詩で、去年-今年、来―去、秋―春など、対になっている表現が織り込まれている5言または7言詩。来客が読めるような漢詩。お茶席などでの掛け軸に使われる。
4.寸松庵色紙(茶室の掛物)
かな古筆三色紙の一つ。もとは冊子本で分割して鑑賞するようになり、色紙になった。堺の南宗寺に36枚あって、優れたかなであることを発見したのは茶人の佐久間真勝で、そのうち12枚を得て、大徳寺内に子庵を建て、そこに茶室をつくって、寸松庵と名付けたのが名前の由来。古今集の歌が書いてあるので、紀貫之が筆者といわれてもいるが、見事な散らし書き、変化の多いかなから見て、院政時代の書蹟と考えられる。
◇ 実技指導
秋の昇段検定の締め切り真近のため、9月の規定課題に加えて、各人の検定課題作品に対する熱心な実技指導が行われた。 今回は会員メンバー11人全員出席。
◇ 配布資料
寸松庵色紙(茶室の掛物)伝紀貫之1枚
(出席者 11名)(榎 記)