日比谷同友会 書道愛好会

日比谷同友会 サークル活動

第95回例会(平成25年4月18日)

2013年05月14日 | 例会報告

◇ 先生の講話

1.『三筆・三跡』について

(1) 平安時代の初めの嵯峨天皇・空海・橘逸勢を『三筆』と言う。
三人が『三筆』と言われるようになったのは、大内裏の額を書いたからである。嵯峨天皇は東面三門の額を書き、空海には南面三門の額を書かせ、逸勢には北面三門をかかせた。なお西面三門の額を書いたのは三筆よりずっと後世の小野美材と言われている。

(2) 平安中期の小野道風・藤原佐理・藤原行成は『三賢』と言われていた。
三賢の筆跡うち道風の筆跡は「野跡」と言われ、佐理の筆跡は「佐跡」と言われ、行成の筆跡は行成が権大納言であったことから「権跡」と言われた。野跡・佐跡・権跡を『三跡』と言った。 このことから、三賢は後に『三跡(三蹟)』と言うようになった。

(3) 世尊寺家の行成・行能・行尹は『世尊寺の三筆』と言われる。

(4) 近世の初め近衛信尹・黙阿弥光悦・松花堂昭乗は『寛永の三筆』と言われている。

(5) 江戸時代の初めに渡来した黄檗(おうばく)僧には能書が多い。そのち、隠元・木庵・即非は黄檗の三筆と言う。
また、江戸時代末期の巻菱湖・市川米庵・貫名菘翁は幕末の三筆と称されている。

2.五体字について

書道字典を購入する時は、三体字(楷書・行書・草書)より五体字(篆・隷・楷・行・草)の五体字典を購入すると良い。
五体の各書体の境界は明確でなく、篆と隷、隷と楷、楷と行、行と草で重なる部分がある。
「花」の字を例に、白板に篆書、篆書に近い楷書、行書、行書に近い草書、草書が示された。なお、「花」の字に隷書の書体はないので、隷書で「花」の字を書く必要に迫られた時は「カ(「茶」の最後の「木」を「ヒ」に置き換えた字。「花」と同義)」または「華」の隷書体を借用することがある。

3.永字八法の書き方(その④-第3画の横画の書き方)

比較的楽な字画。起筆は穂先を立ててスッと入ること。穂先を下まで着けてそれからやおら右に引く書き方はNGである。

4.その他

三段になると条幅を書くことになる。手本通りでなくともよく自分なりの書き方でよいが、いきなりは書けない。日頃から条幅を書く練習を重ね、9月の検定に向けて準備しておくことが必要。

◇ 実技指導

5月の規定課題「貴而弘道之」及び各自の随意課題作品について、長時間にわたり朱書きによる懇切丁寧な添削・指導が行われた。

((出席者10名)(後藤 記)

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 第94回例会(平成25年4... | トップ | 第96回例会(平成25年5... »
最新の画像もっと見る

例会報告」カテゴリの最新記事