根無し草のつれづれ

日々の雑感をひたすら書き綴ったエッセイ・コラム。また引用部分を除き、無断掲載の一切を禁ず。

映画『イエスマン』

2009-03-21 13:33:32 | エッセイ、コラム
原作:ダニー・ウォレス、監督:ペイトン・リード、出演:ジム・キャリー、ズーイー・デネシャル、他、の映画『イエスマン』を観てきました。


内容は、離婚を引きずり、人生もやや後ろ向きになっている銀行員の男・カール(ジム・キャリー)が、久し振り逢った友人に『何か判断を要する時には「イエス」と言う事』を標榜する自己啓発セミナーに誘われ気紛れな気持ちでその集会に参加し、その会がはけたあと疑い半分で、「イエス」と言ってみたらたまたま事が上手く運んだ事で、それから「イエス運動」を実行するに至りますが…というハートウォーミング・コメディです。


いやぁ、非常に楽しい作品でした。
やはり、ジム・キャリーのコメディ俳優としての才能は非凡なものがあり、ゲラゲラ笑わされる事。
典型的なアメリカ映画を観たなぁっという感じでした。

現実がこんなに上手く転がる事はまず無いですが、ネガティヴな「ノウ」よりもポジティヴな「イエス」と発してみる事で広がる何かがあるのも事実のような気がします。
一つの哲学です。

ヒドく落ち込んで何もやる気がしないという場合には取り敢えずその気持ちに逆らわずジッとしている事にこした事はありません。
しかし、ちょっとブルーっていう場合には、こういうはっちゃけた作品を観て、2時間ゲラゲラ笑い気持ちを前向きにしてみるのも手かもしれません。
デート・ムービーとしても向いていると思います。
オススメです。

映画『リリィ、はちみつ色の秘密』(試写会)

2009-03-19 23:57:33 | エッセイ、コラム
原作:スー・モンク・キッド、監督:ジーナ・プリンス=バイスウッド、出演:クイーン・ラティファ、ダコタ・ファニング、ジェニファー・ハドソン、アリシア・キーズ、ソフィー・オコネドー、ヒラリー・バートン、ポール・ベタニー、他の映画『リリィ、はちみつ色の秘密』を観てきました。


時代は1964年の公民権法制定時、舞台はアメリカ南部。
主人公は14歳のリリィ・オーウェンズ(ダコタ・ファニング)という女の子です。
彼女は父T・レイ(ポール・ベタニー)、そして黒人の家政婦のロザリン(ジェニファー・ハドソン)に世話になりながら暮らしています。

リリィには悩みがあり、それは4歳の幼児期に彼女には罪のない単純な「事故」で母を死なせてしまったという事。
その「事故」により父との関係もギクシャクとしていて、思春期を迎えたリリィは、度々フラッシュバックとしてあらわれるその残酷で哀しい光景に罪悪感と喪失感を覚え、虚無と孤独の中にいます。

そんなある日、リリィはある事件をキッカケに家政婦ロザリンと家出をする事になってしまいます。
そして、辿り着いた街で、養蜂業を営む黒人オーガスト・ボートライト(クイーン・ラティファ)、をはじめとする三姉妹の家にやっかいになる事になり、そこでの生活の中でそれまで味わった事のない温かく時に哀しい体験をし、リリィに欠落していた大事な物を得ていく、そんな話しです。


アメリカの人種差別を肌で感じた事もなく、また私が男性である事からでしょうか、条件さえ揃えば結構心動かされる作品だったように思えますが、残念ながらピンポイントで私の心に訴えてくる映画ではありませんでした。
女性で幼少期に人生を左右されるような哀しい体験をし、作品中で描かれていた人種差別問題を深く考え、あるいは彼の地で暮らした経験を持ち、皮膚感覚で白人による黒人へのその感覚の醜さが分かる人ならかなりフィットする作品だと思います。
ノスタルジックな雰囲気に満ちた非常に良質の部類に入る作品だとは思いますが、この作品をよく理解する上では、性差・アメリカ体験などの要素が不可欠な映画のようにも思えました。

「マラサダ」らしきもの

2009-03-17 05:53:03 | エッセイ、コラム
コンビニのローソンで映画『ホノカアボーイ』のタイアップ商品として売られているもの。
値段を1$くらいで抑えてあるのはいいのですが、劇中で登場人物たちが「う~ん」と目を細めて美味しがる「ビーズ・マラサダ」とは形もまぶしてある砂糖も、そしてたぶん食感も違うもの。
決してまずいものではないです。
ですが、せっかくならもう少し値段が高くても、劇中のものの再現に近付けて欲しかったなぁっと思わせられる惜しい商品。
プレーンとココナッツ風味の2種類が1パックとして売られています。

映画『ホノカアボーイ』

2009-03-16 00:09:51 | エッセイ、コラム
原作:吉田玲雄、監督:真田敦、出演:岡田将生、倍賞千恵子、長谷川潤、喜味こいし、正司照枝、蒼井優、深津絵里、松坂慶子、他、の映画『ホノカアボーイ』を観てきました。


ストーリーは、日本の大学生の男の子レオ(岡田将生)が、恋人のカオル(蒼井優)と旅行で訪れたハワイ島でドライブ中に道に迷い、ホノカア・タウンという日系移民が住民の大半を占めるひなびた町・ホノカアに立ち寄った事に端を発します。
この町が何故か彼の印象に強く残り、帰国後大学を休学してまでホノカアに滞在し、ホノカア・ピープルズ・シアターというさびれた映画館で、映写技師助手として働きながら、彼の地の一風変わった人々と交流を交わすうち「何か」を得ていく、というものです。
基本的には、レオとビー(倍賞千恵子)と呼ばれている年配のお茶目な女性との関係が中心に描かれています。


非常に良質の映画を観たなぁっていうのが鑑賞後の率直な印象でしょうか。
南国独特の白茶けた色が全体を覆う、ハワイ島のある時点で時が止まった町の過疎っぷりの雰囲気がとても素晴らしい。
そこで生活する人々の旧き善き日本の文化とハワイの文化の融合の具合がまた良く、こんな風に容姿は衰えても、気持ちは枯れず心は若者と変わらないような歳のとり方をしたいなっと思わせてくれるものでした。

物語はひなびた町を舞台にしているだけあって、かなり淡々としていて、起伏にも非常に乏しいものです。
ただその住民全体が顔見知りのような何も起こらなそうな町でも、当然の事ながら人間の営みはあり、それなりに変化があるのです。
そこに珍入者としてレオが現れ生活を始める事により、そのひなびた町にも静かな活気が生まれる事になります。
緩いコミカルさを交えながら、進行していく物語の中で、登場人物の殆どを占める年老いた人々がふと発する言葉の含蓄深い事。
そういった生活を一定期間、まだ少年の趣(おもむき)を残した若者のレオがホノカアという現代社会から取り残されたような町で、大事な「何か」を吸収していく事にこの物語の真骨頂があるように思えました。

何かと忙しい現代社会で、こういう何にもない町で過ごし、羽を休め、新たに実社会に戻っていく事はとても重要な事ではないのかなっとも強く感じました。
最も、主人公のレオは挫折した訳でもなんでもなく、単なる若者の好奇心でホノカアという町に滞在する訳ですけど…。

この映画のコピーには

「どうして僕たちは何かを失って、大人になるんだろう」

って記されていますが、その意味は作品を観ると好く分かると思います。

ちょっと生活に行き詰まっている人には最適の映画で、こういう淡々とした作風の中にユーモアと切なさを織り交ぜる作品は私が非常に好むものです。
地味な印象の作品ですが、劇場に足を運んで疲れた心を癒やし、主人公と同じく「何か」を感じ取って明日への活力にして欲しいと思わせてくれる映画でした。
作品中、様々なバージョンで登場してくる「つきのにじ」という曲も素晴らしかったです。

Happy Birthday to Me!!

2009-03-14 07:26:13 | エッセイ、コラム
いやはや、大変な嵐の中での我が誕生日である。
去年も確かあまり天気が好くなく、おまけに風邪で寝込んでいたっけか。

さて私の人生もそろそろ折り返し地点を過ぎた。
「神さま」に生かされているという事をとみに感じる今日この頃。
そして、この厳しい時代をしぶとく生きて、生き抜いてみせる事が神さまへの報いだ。
自分勝手に生きてきたこれまでの人生。
だから、これからは世のために自分が何を出来るか? を課題に生きていこうと思う。


Happy Birthday to Me!!
I appreciate mother,father,brothers,friends,all THINGS of this world and GOD.

映画『ヤッターマン』

2009-03-10 06:35:18 | エッセイ、コラム
原作:竜の子プロダクション、監督:三池崇史、出演:櫻井翔、福田沙紀、生瀬勝久、ケンドーコバヤシ、岡本杏理、阿部サダヲ、深田恭子、他、の映画『ヤッターマン』を観てきました。


この作品は老舗アニメ制作会社・竜の子プロダクションが誇る国民的人気のコンテンツ「タイムボカン・シリーズ」の第二弾として、シリーズ中でも最も人気の高い『ヤッターマン』を原作に、作品に敬意を払いつつ、奇才・三池崇史監督がその原作イメージを壊す事なく更に独自の世界観で表現したものです。

ストーリーは、謎の「石」“ドクロストーン”を巡り、正義の味方のコンビ「ヤッターマン」と悪の権化である「ドクロベエ」に操られる悪役トリオ「ドロンボー一味」が、奇抜なメカを駆使して攻防を広げる、といった所の物でしょうか。


いやぁ、小学生の頃リアルタイムでアニメ『ヤッターマン』を観ていた世代の私には堪らない作品でした。
一気に童心に戻してくれる懐かしいギャグのオンパレードに爆笑しながら、技術的な面でハリウッド作品には見劣りはするものの、この日本アニメ史のミュータントと言っても過言ではない作品を実写で目の当たりにする事が出来る日が来るなんてっと感動しながら拝見させて貰っていました。

原作を非常に大事にしつつ、映像の細部に散りばめられた小ネタ、ハリウッド作品へのオマージュまでも、感じられるストーリーに美術、どれもが素晴らしい。

実写でやってしまうと、陳腐になってしまうようなヤッターマンやドロンボー一味の決めのポーズやダンスも、力技でやり遂げてしまう為に、下手すると観ていて目を覆いたくなるようなこれらのシーンも、違和感なく笑い、また子供に戻りつつ楽しませて貰いました。

この作品の味でもあるお色気シーンもカットする事なく挿入し、絶妙な匙(さじ)加減で爽やかにクリア。

ハリウッドに映画化権を渡し、技術的にはスゴいと思わされるものの、向こうの制作者がその本質を理解していないが為に、駄作に終わってしまう日本発のサブ・カルチャー作品が多い中、原作の持つテイストを破壊しない事を最重要課題とし、子供から大人までそれぞれの視点で楽しめる、極上のエンターテイメント作品に仕上げた三池組には脱帽です。

アクション映画なので、画面が大きく音響の良い劇場でその迫力を存分に体感しつつ鑑賞される事をオススメします。
私には非常に楽しい作品でした。

映画『ジェネラル・ルージュの凱旋』

2009-03-09 05:59:32 | エッセイ、コラム
原作:海堂尊、監督:中村義洋、出演:竹内結子、阿部寛、堺雅人、他豪華出演陣、の映画『ジェネラル・ルージュの凱旋』を観てきました。


ストーリーは、東城大学医学部付属病院で主に患者の「愚痴聴き役」として働く、いわゆる窓際医師・田口公子(竹内結子)の元に内部告発の手紙が来る所から始まります。
告発文には救急医療センターの若き所長で通称「ジェネラル・ルージュ」と呼ばれる速水晃一医師と医療メーカーの営業との間に金銭が絡んでいるらしい癒着がある、という内容のもの。
「チーム・バチスタ事件」を見事に解決した田口医師は病院内の倫理委員会委員長という面倒な役を押し付けられており、そのせいもあって告発文が彼女の元に届いたものと思われます。
上司と相談の上、内部調査に乗り出す田口医師でしたが、彼女の前に前回の「チーム・バチスタ事件」を共に解決させた功労者で切れ者の厚労省・大臣官房秘書課付技官の白鳥圭輔(阿部寛)が再び現れます。
彼の元にも速水医師を告発する文書が届き調査に乗り出してきたのです。
再びタッグを組む凸凹コンビの田口医師と白鳥技官ですが、果たしてその行く末は…、というのがこの作品が描く所です。


いやぁ、非常に見応えのある面白い作品でした。
要所・要所で小ネタを挟み軽い笑いを交え、シリアスで重苦しくなりがちなこの種の作品で観客を退屈させない工夫をし、上手く伏線を入れながら、ラストまで持っていくストーリー展開の巧みさ。
「お見事」の一言に尽きます。
ラスト20分くらいは感涙にむせび鳥肌を立てつつ、そこでもまた挿入される細かい笑いに、まさに「泣き笑い状態」でした。
しみじみとした感動を味わうのは邦画ではよくある事ですが、魂を揺り動かされるような感動を味わうのは邦画では久し振りの事ではなかったでしょうか。
現代医療が抱える課題に対して問題提起をしながら、良質のエンターテイメント・ミステリーに仕上がっている作品で、非常にオススメの映画と言えるでしょう。

始終ご縁

2009-03-08 12:15:49 | エッセイ、コラム
ふいに思い立って朝から井の頭公園を久し振りに散歩してみました。

まず井の頭弁財天さまにお詣りし、45円(始終ご縁)を賽銭箱に投げ込みました。

すると、どうでしょう。
井の頭公園で露天商をしている方から非常に興味深い話しをお聞きしたり、面白いパフォーマーさんと出逢ったり、ホントに人にご縁がある事が起きるじゃありませんか!!

しかも、芸術の神の弁財天さまだけあって市井のアーティストさんたちと。

たまたま、そうだっただけかもしれませんが、私はこういう偶然を弁財天さまが導いて下さった必然だと思いたいです。

普段1時間も掛からず歩く井の頭公園の池の周りを4時間掛かって帰ってきました。

天気ははっきりしなく、なんか薄ら寒い感じですが、すっかりリフレッシュしてアパートに戻ってきました。