根無し草のつれづれ

日々の雑感をひたすら書き綴ったエッセイ・コラム。また引用部分を除き、無断掲載の一切を禁ず。

スーパーにて… No.2

2010-06-19 15:36:33 | エッセイ、コラム
昨日の話しの続き。

タンザニア人のミュージシャンたちに力を貸してあげたあと、自分の買い物を済ませ、外に出ると雨足が強くなっていた。

まだ私がスーパーの中で商品を選んでいる時にほんのちょっと接触を持った老婦人が出口の所にいてゴミ袋の中に彼女自身が買った商品を詰め込み、タオルを頭に乗っけた状態で、去っていこうとしていたので、傘なら100円均一のショップが併設されていますから、そこで買えますよっと叫ぶ私。
老婦人の耳にそれが聞こえたのか否か分からないのだが、大粒の雨などものともせず、どこかに去って行った。

出口の所にいた警備員さんから呼び止められ、彼女はその100円もないんだよっと哀しい厳しい現実を知らされる。
いわゆる「ホームレス」という人種らしい。
警備員が問わず語りに言う、いいお客ではあるんだけどねぇっと前置きした上で、あまり優しくするとずっと頼ってこられたりして、対応に困ってしまうんだよっと。

市の福祉事務所に連絡して助けてあげる事は出来ないんですか? っと言うと、一度福祉事務所が世話した事があったのだけれど、施設から逃げ出してしまったらしく、そして現在の生活状況となっているらしい事も明かす警備員さん。
警備員さんとの会話の中で彼女らしき人物が駅の高架広場のベンチで夜を明かしていた様子を見た事があったのを思い出す。

お店に迷惑が掛かっている事にして(実際彼女がホームレスの格好で出入りすると他のお客さんが嫌がるらしい…)、市の福祉事務所に連絡し、しかるべき機関と場所で保護・治療を受けさせてあげて貰うようには出来ないのでしょうか? と何故か頭を下げて警備員さんにお願いをしていた。
そうしないと彼女自身も彼女の周辺の人間も困ったままだからである。
警備員さんがその後どんな行動をとったのかは知らない。
全く自分でも何でこんなに見ず知らずのホームレスの老婦人の事を心配してしまうのか分からない。
馬鹿がつくほどのお人好しだった父の血がそうさせてしまうのかもしれない…。

ドライにクールに生きると決めたそばからこんな体たらく。

しかし、私はこんな生き方しか出来ないのだと思う。
困った性質を持ったものだ(苦笑)。