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マルケヴィチ チャイコフスキー 交響曲全集(Markevitch Tchaikovsky Symphonies)

2012-04-10 | 音楽

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Igor Markevitch、London Symphony Orchestra、New Philharmonia Orchestra

1960年代にマルケヴィチがフィリップスに残したチャイコフスキーの交響曲全集がTower Recordsのプロデュースで再発売となりました。

収録曲と録音年
交響曲 第1番 ト短調 作品13「冬の日の幻想」 1966年
交響曲 第2番 ハ短調 作品17「小ロシア」 1965年
交響曲 第3番 ニ長調 作品29「ポーランド」 1965年
交響曲 第4番 ヘ短調 作品36 1963年
交響曲 第5番 ホ短調 作品64 1966年
交響曲 第6番 ロ短調 作品74「悲愴」 1962年
「マンフレッド交響曲」 作品58 1963年
幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」作品32 1967年 *
幻想序曲「ハムレット」 作品67 1967年 *
(*はニュー・フィルハーモニア管弦楽団)

1960年に当時 ソ連の幻の指揮者であったムラヴィンスキーが手兵レニングラード・フィルを率いて西欧へ演奏旅行をしました。ソ連の精鋭を集めてムラヴィンスキーが専制君主のように鍛え上げた超弩級オーケストラであったレニングラード・フィルはベルリン・フィルをも上回るような演奏能力を持っていました。この時に西側のドイツ・グラモフォンにチャイコフスキーの後期交響曲を録音。これは、半世紀以上を経過した今もチャイコフスキーのシンフォニー演奏の最高峰に位置されています。

前置きが長くなりました。このマルケヴィチの交響曲全集は、ムラヴィンスキーの嵐の直後にロンドンで収録されています。「ムラヴィンスキーなんぞには負けないぞ!」という気迫が伝わる熱い演奏です。というのはマルケヴィチは活躍の中心がフランスでしたが、実はキエフ生まれ。それもあってか、チャイコフスキーは彼の得意レパートリーのひとつでした。

「マンフレッド」を含んで7曲のシンフォニーの中で、第4番が最高の出来映え。5番、6番と比べると端正な演奏が多い4番なのですが、こんなに気持ちよく歌える曲になるとは思いもよりませんでした。演歌のように コブシ効いて、メロディーが揺れてます。これが、ツボを押さえているんです。クルマで聴いても にやっ と笑みが浮かんでくるくらいです。
次が第5番。終楽章はゆったり、浪々 と歌っていけます。これも「おいしい演奏」です。
初期の1、2、3番も 退屈になりがちな演奏が多い中で、色彩感ゆたかに スリリングに演奏しています。
マルケヴィチの無理とも思える緩急の付け方に、ロンドン交響楽団はぴたりと対応。やはり、この時代のロンドン交響楽団は上手かったです。

変化球勝負になるのでクラシック初心者には難しいCDになるかもしれません。
しかしながら、楽しいチャイコフスキー演奏であることは間違いなし。お薦め。

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