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科学者18人にお尋ねします。宇宙には、だれかいますか?

2017-04-24 22:37:00 | 書籍


久しぶりの書評です。

地球外生命体、アストロバイオロジーに関して、その道の権威たちに質問をする内容。理系心をくすぐります(笑)

目次は以下。

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はじめに 佐藤勝彦 
マンガ「糸」 ウィスット・ポンニミット 
地球外生命探しの今 

01 井田茂(東京工業大学地球生命研究所〔ELSI〕教授・副所長) 
「地球中心主義に、縛られてはいけません」 

02 高井研(海洋研究開発機構 深海・地殻内生物圏研究分野分野長) 
「出会えないと思っています。でも、我々は孤独ではないです」 

03 須藤靖(東京大学大学院理学系研究科物理学専攻教授) 
「あまりにも危険。直接接触することはお勧めしません」 

04 成田憲保(東京大学/自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター 助教) 
「"宇宙における生命"というテーマは未開拓な部分も多く、ニッチながら面白いです」 

05 小林憲正(横浜国立大学大学院工学研究院教授)
「宇宙のあちこちで、ポコポコできているでしょう」 

06 鳥海光弘(海洋研究開発機構 特任上席研究員/東京大学名誉教授) 
「宇宙人と関わるなら、多様な地球生命と触れ合うべき」 

07 丸山茂徳(東京工業大学地球生命研究所〔ELSI〕特命教授) 
「我々は孤独なのかもしれません」 

08 長沼毅(生物学者/広島大学大学院生物圏科学研究科教授) 
「凶暴性を持たない知的生命であることを期待します」 

09 半田利弘(鹿児島大学大学院理工学研究科・理学部物理科学科教授) 
「銀河中心を横から見た姿を教えて欲しい」 

◎鼎談 佐藤勝彦×内田亮子(人類学者)×縣秀彦 
「知的生命は旅を続けるのか」 

10 山岸明彦(東京薬科大学生命科学部応用生命科学科教授) 
「ロボットになら、会えるかもしれません」 

11 藤井友香(NASA Postdoctoral Program Fellow) 
「どこで見つかっても、おかしくはありません。」 

12 堀安範(自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター特任助教) 
「いるとすれば利己的で、その環境に適応できた生き物でしょう」 

13 鳴沢真也(兵庫県立大学西はりま天文台天文科学研究員) 
「知的生命はレアだが、どこかには存在する」 

14 ピート・ハット(プリンストン高等研究所宇宙物理学教授) 
「なぜ生命という存在が、可能なのでしょう」 

15 縣秀彦(自然科学研究機構国立天文台准教授) 
「食べなくても知的活動ができる生命が、いるかもしれません」 

16 田村元秀(自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター長) 
「地球外生命はいると思います」 

17 関根康人(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学准教授) 
「どうやら、僕は知的生命がいてほしいと思ってないようです」 

18 矢野創(JAXA宇宙科学研究所学際科学研究系助教) 
「「誰」がいるかは、考えかた次第です」 

地球外生命をより深く知るための 20冊
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見ての通り、新しい学問なのでさまざまな分野の権威たちが取り組んでいます。

本書ではアストロバイオロジーを研究するこれらの専門家達に対し、
Q1: 自身の研究内容
Q2: 「生命の定義」についての独自の見解
Q3: 地球生命はどこから来たのか
Q4: 地球外生命体が発見されるとしたらどんな所か
Q5: どうすれば地球外"知的"生命体を発見できるか
Q6: 地球外生命体が見つかったときのアクション
Q7: 知的生命体がいる世界にはどんな社会があるか
Q8: 人類は太陽系を越えて天の川銀河にひろがりうるか
の8つの同じ質問をする構成です。

話が難しく(当然ですが)、みなさんそれぞれ違った切り口での解説ですが、総じて
1) 地球外生命はいる
2) 但し、見つけられないまたはずっと先になる
3) しかも見つけられるとすると太陽系内だろう
4) でもどんなやつかはわからないし、きっとコミュニケーションも取れないだろう
5) 太陽系外に移り住むのは距離、時間の観点から難しいだろうが、DNA(情報)だけならあり得るかも。
ってな感じです。

学問は、今ある状態を数学公式や実験により証明するものですが、そもそも今目の前にある地球上生物についてもすべてを解明できているわけではないし、ましてや38億年前にどうって生物が誕生したかもわかっていません(というよりもどうやってアミノ酸が生成されたかすら)。

よって、生命体にとって今の地球のような環境が唯一無二なのかですらわからないわけで、僕が生きているうちに解明できるかも怪しいと思います。

ただ、だからと言って研究してもしようがないという訳ではなく、人類としても、地球上の生命体としても大切な研究であり、個人的にも非常に面白い話だなぁと思います。

太陽以外の恒星の周辺の惑星(系外惑星というらしい)の発見が加速度的に増え、2017年1月時点で3500個以上あるそうで、その中には地球に似た大きさや重さの惑星(スーパーアースというらしい)もあるそうで、それも地球外生命の存在に興味を持たせる一因なのだそうです。もしかしたら、地球がよりもっと発達した文明があり、100年単位で地球を観察している知的生命体がいるかもしれません。だいぶSFですが。

表紙にもなっていて、巻頭のマンガ「糸」のウィスット・ポンニットの絵がかわいいです。

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