東京大学特別栄誉教授で、長年ニュートリノの研究をされていた、戸塚洋二さんの著書です。
ご存知の方もいるかもしれませんが、今年の7月に癌で亡くなられています。
本著は、そんな戸塚さんが、癌を宣告された後、知人のために書き綴ったBlogの内容を、奥さんが纏めたものです。
余命幾ばくかになり、かつ抗がん治療を受けながら執筆されたとは思えない、活き活きとした文章に、氏の科学に対する興味と強い思い入れが感じられます。
内容は、ダーウィンの進化論に始まり、相対性理論、植物学、光、ニュートリノ、宇宙科学と非常に多岐に渡り、しかもそれぞれが深い考察の上で説明されています。
はっきり言って、半分も理解できませんでした(笑)
ただ、科学はとても面白いと思えた内容でした。
最近、科学の分野で、日本人がノーベル賞を受賞することが多いですが、これは過去数十年間、日本が科学に対して、人とお金と時間をかけて研究を続けてきたことがその理由だと思います。日本人の勤勉さと、結果が伴わずともそれを継続させてくれた国家、企業、社会の成果だと思います。また研究者も、安い給料でも研究さえ出来れば、何もいらない。という人が多かったのだと思います。
昨今の、ゆとり教育や子供の科学離れもあり、この傾向は無くなっていくのかもしれませんね。
いつもながら、日本の科学(私の場合はエンジニアリング)を盛り上げて行かないといけないとつくづく思いました。
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