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「のび太」という生き方

2011-06-10 00:55:19 | 書籍
「のび太」という生き方
富山大学で、「ドラえもん学」を研究している、横山泰行氏の著書。

日本で一番有名なダメ小学生ののび太。その毎日は、ドラえもんがいて初めて幸せな人生だと、みんなが思っています。

でも実は、のび太は我々が思っている以上に強く、たくましい男の子なのです。

著者はそれを「のび太メソッド」として紹介しています。

とは言っても、のび太には夢の秘密道具を出してくれるドラえもんがいます。ドラえもんがいれば、誰だって幸せになれると思うでしょう。でもそうではない。というところから、本書は始まります。

まず、のび太は必ず自分で試行錯誤していること。ドラえもんは最後のひと押しをしてるだけ。

そして、失敗を恐れず、めげず、いくらいじめられ、意地悪されるジャイアンやスネ夫の悪口を言わず、他人の素晴らしさを認める素直さがあるのです。

それでいて、欲深くなく、誰にでも優しく偏見のないのび太。これこそ、原作者の藤子・F・不二雄さんが伝えたかった生き方なのだと思います。

本書では、のび太のように生きるにはどうすれば良いかを、実際のエピソードを例にケーススタディしています。

そして、誰にでも心の中にドラえもんがいると結んでいます。

ドラえもんの連載が始まったのが、1970年だそうで、1972年生まれの私は、ドラえもんを読み、テレビや映画を観てわくわくしながら育った年代です。そして、自分の子供たちの世代に受け継がれています。これは、秘密道具のわくわく感だけでなく、ダメなのび太の挑戦や冒険を、自分に投影することで共感し、愛されているのだと思います。

その題材やタイトルから、教育書、児童書のような本書ですが、悩み多き、疲れた大人こそ読む価値があると思いました。


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