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日本スターバックス物語 - はじめて明かされる個性派集団の挑戦

2016-08-28 22:00:16 | 書籍


数々あるスターバックス本の中で、北米以外で初めて進出したスターバックスジャパンの設立から成長を描いた書籍です。

著者は、スターバックスジャパンの立ち上げ責任者だった、梅本龍夫氏。ただし、2005年にはスターバックスジャパンを去り、経営コンサルタントを経て、今は立教大学大学院の特任教授をされているそうです。

本著の目次は以下。

第1部 出会い(日本スターバックス物語の主人公たち、アメリカ発のコーヒーは成功するのか? ほか)
第2部 日本上陸(フォロワーがいない、スターバックス、いいね! ほか)
第3部 商売開始(「ダブルトールラテ!」、自分で考えて動く ほか)
第4部 山あり谷あり(サザビー・ショック、スピリットはどこへ ほか)

スターバックスジャパンは、元々米国スターバックスの100%子会社ではなく、商社のサザビーとの合弁会社でした。サザビーはアニエアス・ベーや最近ではフライング・タイガーの日本進出を行った経験を持ち、飲食業ではアフタヌーンティーを独自の展開している商社です。

本著は時系列的には2015年の1000店達成まで描かれていますが、著者が2005年にスターバックスジャパンを去ったこともあり、ほとんどが、サザビーからの日本出店提案と交渉、創業後の苦労、ハワード・シュツルや鈴木陸三さんたちのエネルギッシュな方たち、そしてスターバックスとコーヒーに情熱を持った方たちの奮闘を描いた物語です。

1990年代中盤の、まだアメリカですら大きくなかったスターバックスコーヒーを日本に持ってこようと考えた当時のサザビー関係者の先見性と日本を知らないアメリカ人たちの、50:50の出資比率を含めた文字通りの対等な交渉は、お互いに大変タフなものだったと思いますすが、それがあったからこその日本での成功であったと思います。

飲食や海外企業との合弁に限らず、これから新しいチャレンジをされる方には面白い内容だと思います。

ただ、上場後の変化や、最終的に上場廃止するまでの交渉などが描かれていないのが残念です(旧株主としても)。もちろん語ることのできない交渉もたくさんあったと思いますが、いつの日にか明かされることを期待します。



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