世界の大学でトップテンに入るオックスフォードとケンブリッジ、いわゆるオックスブリッジの入試試験で出る、一風変わった問題をケンブリッジ卒業生のジョン・ファーンドンが解説する。
主な質問は以下の通り。
あなたは自分を利口だと思いますか?―ケンブリッジ大学・法学
蟻を落とすとどうなりますか?―オックスフォード大学・物理学
棒高跳の世界記録はなぜ六・五メートル程度で、なぜ破られないのですか?―ケンブリッジ大学・コンピューターサイエンス
過去に戻れるとしたらいつにしますか、またそれはなぜですか?―オックスフォード大学・法学
あなたはクールですか?―オックスフォード大学・哲学、政治学、経済学
もし全能の神がいるとしたら、彼は自身が持ち上げられない石を造ることができるでしょうか?―オックスフォード大学・古典学
自分の腎臓を売ってもいいでしょうか?―ケンブリッジ大学・医学
精神病質者(しかも、殺人だけが唯一の楽しみである患者)に、自分は好きなだけ人殺しができる現実世界にいると信じてしまうようなバーチャルリアリティを創出する機械を使わせることは、道徳的に問題ないでしょうか?―ケンブリッジ 大学・哲学
肥満の人もNHS(国民健康保険制度)の無料医療サービスを受けていいのでしょうか?―ケンブリッジ大学・社会学、政治学
なぜ、昔、工場の煙突はあれほど高かったのですか?―ケンブリッジ大学・工学
〔ほか〕
どうですか?
ちなみに本書のタイトルも問題の1つ。あなたはイエスですか?ノーですか?私は素直にノーです。なぜなら、私は日本人なので。
哲学的だったり、意地悪だったり、子供のような質問だったり様々ですが、答えやそこに至るまでの思考は何通りもあるものばかりです。
こういう質問にハタチそこそこで答えるわけですから、小さい頃から幅のある生活、文化、学習が必要です。
これらの質問に答えられることが、その後の人生において何かの徳をもたらすことは、ほとんどないと思うし、その知識そのものでお金を得ることもほとんどないと思います。ただ、社会に出て、いろいろな人といろいろな目的で接する中で、これらの文化や教養の幅は重要であり、その幅がその人の幅の1つの要素であることは確かだと思います。海外メーカーで働き、国籍、経歴、年齢、地位様々な人と出会い、仕事や食事を一緒にすることが以前よりも多くなりました。そして、自分の幅がまだまだ狭いと痛感することも多々あります。よって私はまだ利口ではないと思います。ただ利口になるための挑戦はできる人間だと思っています。