hayashi5 blog

Time goes by, Life goes on...

95歳・私の証 あるがまゝ行く

2010-09-21 22:53:06 | 書籍

Arugamama

聖路加国際病院名誉院長、1911年生まれ御歳99歳の日野原重明さんが、4年前に書き下ろしたエッセイ集。

95歳と言うと、もうヨレヨレのおじいちゃんと言うイメージですが、氏はまだまだお元気で、東奔西走されています。

で、この位のお年の方(もっと若い方でも)、だいたいは人から聞いた話や、世の中一般の話題を、自らの人脈や経験を踏まえて斬る゜と、言うのが普通だと思いますが、本書のネタの大部分が自分が活動し、訪れ、会い、見て、聞いた話ばかり。地位が人を作ると言いますが、若い人でもなかなかそうはいかないもの。もちろん、人生の責務をほぼ全うし、世俗的な事とはかけ離れたとこにおられる故になせる業だとは思いますが、それでもその好奇心と行動力には恐れ入ってしまいます。

医者という仕事柄や、こういった日々の刺激もあり、心も体もお元気なのでしょう。

そういや、ヨーロッパにくると、ヨボヨボのコントに出てきそうな、おじいちゃん、おばあちゃん達が、着飾って遅くまでお食事をされている光景をよくみます。もちろん、それぞれの国、世代の背景があるのですが、日本もこれだけ豊かになり、その原動力は今のお年寄り世代だったわけで、そろそろそういう文化を若い世代も受け入れていいのでは?と、ろくな親孝行もしていない私が思ったりします。

本書の、「継承していくいのち」と言うエッセイの結び、『年齢をいくら重ねても、若き精神の中にこそ青春があるのです。若者と老人が上を向いて一緒に歩むことができたら、人はいのちの輝きを感じ続けていられるのだと思うのです。』