哲学的で、どことなく敷居の高い感じで敬遠していたドラッカー本を、帰りの飛行機で読破しました。
以下の5つの章から構成されており、仕事をする上での必要条件と、そのための心構えが書かれています。
(1) 時間をマネジメントする。
(2) 貢献に焦点を合わせる。
(3) 強みを生かす。
(4) 重要なことに集中する。
(5) 効果的な意思決定を行う。
上記をさらに全95項目に分け、それぞれ「とるべき行動」と「身につけるべき姿勢」が簡潔に纏められています。
読んでみると、なるほど至極当然のことばかり。ただ、すべてにおいて、自分も企業も出来ていないことばかり。
つまり、本書にいの一番に書かれている「なされるべきことをなす」ということが重要だということ。
そして、なぜ必要なのか。それによって何を得るのか。そのためにどういう組織をつくるのか。ということを考えるのが、プロフェッショナルである。
特に今の企業や個人にかけているのが、思想です。
明確な目標、ゴールが定められておらず、とにかく頑張りましょう。となる。
だから、結果ではなく、プロセスのみで評価をせざるを得なくなる。例え赤字でも、不具合をだしても、「ま、しょうがないね」で終わってしまう。
アメリカ的な成果・能力偏重主義が良いではなく、日本的な家族的経営で、それぞれの強みを活かし補完しながら、成長していけばよく、そのためにはトップやリーダーが明確なビジョンを打ち出さなければならないということ。
と言うと、下っ端の俺らには関係ないや。と思うかもしれませんが、下っ端だからこそ、上司をマネジメントすることの必要性も本書では説いています。
上司が部下を育てるが、部下も上司を育てる。ということですよ。
はっきり言って、私ら凡人には内容読まずとも、目次と各章の最初にかかれた要約を読むだけでもためになる本だと思います。
最後に、64項目の「自らをマネジメントする」より。
「働く者が自分の組織よりも長生きするようになった。30年以上繁栄する企業は少ないというのに、そこで働く者の労働寿命が50年に及ぶようになった。人類史上初めてのこととして、組織よりも人の方が長生きするようになった。
その結果、人は自らの人生をマネジメントしなければならなくなった。1人ひとりの人間に、これほどまでの主体性と責任が求められるようになるとは誰も思わなかった」
吉越浩一郎さんの残業ゼロの仕事力に通じるものがある。というまんまそのままです。