カンムリワシ、ワシは名ばかり、言うばかり

20年前探せばカンムリワシがいて、10年前そこにはカラスがいて、いま両方ともいません。よって最近ではそれ以外の話題に。

「トリクルダウン」と「先富起来」

2015年04月29日 06時31分17秒 | 社会

トリクルダウン」と「先富起来」の功罪について、ともに

先に一部が恩恵を得て、それが多数への恩恵へとなる

という意味でしょうが、充分に配慮する必要があります。


トリクルダウン論

Wikipediaによれば、トリクルダウン理論(trickle-down effect)とは、「富める者が富めば、貧しい者にも自然に富が滴(したた)り落ちる」というもの。

先富論(せんぷろん)

Wikipediaによれば、先富論(せんぷろん)とは、1985年頃から小平が唱えた改革開放の基本原則を示すもので、「可能な者から先に裕福になれ。そして落伍した者を助けよ。」というもの。

先富起来(シェンフウチイライ)

また黄文雄は次のように述べています。

かつての中国は「政治掛師」(政治優先)というスローガンの下で、すべての人民が革命家、政治家であるといった時代もあった。しかし改革開放後には、「先富起来(先に豊かになることが許される)というスローガンに変わり、10億以上の中国人は揃って「向銭看」(金銭優先)となり、すべてが総ゼニゲバになった。:P.3 黄文雄「日本人が知らない中国人の本性」徳間文庫 2007年11月5日 2版

私の見解

  • 機を見るに敏なる一部の「大企業」などが政府の支援でまず好景気を享受することは、それが賢明な人たちであった場合には、望ましい方向と言えます。そうではない例も多いですね。
  • その反対に、先に一部の「中小企業」が先に政府支援を受けたあと、大企業にも恩恵があることは、実現不可能ではないとしても、その数と予想される混乱対立を考えると、実際にはかなり困難な選択かと思われます。ただし例外があることは承知しております。
  • 「大企業」の横暴と「中小企業」のわがままを比較すれば、とんとんでしょうが、視野の広さを考えるとき、現段階ではやや前者に望みがあると思われるのですが、100年後の社会では、これが逆転しているかも知れません。
  • どちらも悪くすると、一部だけが恩恵を得て、それっきりになってしまう危険があり、この場合、多数への恩恵はありません。
  • これは中国の「先富起来」の結果、まるで中国人全員が「金・カネ」と言い始め、他人を蹴落としてでも自分の利益を追求するという、もう目も当てられない悲惨な社会を迎えていることと、韓国の「大企業優先政策」が、中小企業その他を切り捨て韓国経済を大混乱に陥れた現実を、間違いなく連想させます。

とちらが正しいのでしょうか。

日本の安倍政権が選ぼうとしている方向については、気楽な評論家風の「何でも反対」ではなく充分にチェックし、多数を背にした横暴で危険な点を是正しながら、国民を味方にしながら、協力すべきことは協力すべきでしょう。

「なんでも反対でなければならない」としたら、文字通り「何でも反対」「反対のための反対」である韓国社会と同じですね。



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