とうとうガザへの地上侵攻が!(2)/ナブルス通信 2009.1.05号

2009-01-05 08:57:34 | 世界
○○○ナブルス通信 2009.1.05号○○○
     とうとうガザへの地上侵攻が!2
    http://www.onweb.to/palestine/
      Information on Palestine

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>◇地上侵攻の犠牲者がどんどん増えている

前の通信を作り終えた時点で、一昨日の地上侵攻開始からの犠牲者が
最低52人と増加しています(7人の子どもと2人の女性を含む)。負傷
者はわかっているだけでも182人。そのうちの26人は子どもです。犠牲
者が出ているのは、北のベイト・ラヒヤ、ガザ市内、ガザ中央部、
南部のラファと、ガザ全域に及んでいます。なかには、暖を取り、料理
をするための薪を拾いに行って、父親と3人の息子、そして従兄弟が殺
されたという話もありました(アル・メザン人権センター調べ)。

爆撃が始まって3日目の29日に、イスラエル・ハアレツ紙の良心的な記者、
ギデオン・レヴィ氏は「私はイスラエル人が人道的にも道徳的にも一線
を超え、合法性さえ失ったと思っています。イスラエルがガザで行って
いることは、身の毛もよだつことで、何の正当化もされません」と語り
ました(「デモクラシー・ナウ!」動画より)。

その状況がさらにひどくなっているのです。記者たちも限られた場所し
か取材を許されず、ガザの様子はガザにいる人が攻撃に耐えながら、
電力不足と闘い、なんとか送ってきてくれています。ガザに残っている
わずかな外国人からのレポートを送ります。(ナブルス通信)

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>◇「私たちはここに残る」
――外国パスポート保持者、ガザにとどまることを決意

2009年1月2日 ガザ
ISM(国際連帯運動)プレスリリース



イスラエルは外国のパスポート所持者に対し例外措置として、安全の
ためガザを離れることを許可しているが、ガザにとどまりパレスチナ
人と運命をともにすることを選んだ外国人たちがいる。

アルベルト・アルケ(スペイン)は救急車に同伴して病院から報告を
続けてきた。

「イスラエルはガザの人々に対して自分たちがおかしている罪を目撃
されたくないのです。国際ジャーナリストや支援団体はここにはいま
せん。ぼくらがガザを去ってしまったら、いったい誰が、ぼくたちが
今、目にしているこの戦争犯罪を証言するのですか。

12月28日、ぼくは、ラマとハヤー・ハムダーンの二人の姉妹の瀕死の
目を見つめました。ラマは4歳、ハヤーは12歳、二人はイスラエルの
ミサイルに殺されました。ぼくがそこに認めた彼女たちの人間性は、
ぼくたちの人間性と何一つ違ってなどいない。ぼくたちの命は彼女た
ちの命より価値があるのですか?」
アルベルト・アルケ――国際連帯運動

パレスチナ系南アフリカ人のハイダル・イード博士は言った。

「これは歴史的瞬間だと思う。このガザの大量虐殺は、南アフリカで
1960年に起きたシャープヴィルの大量虐殺と類似している。この事件
の結果、アパルトヘイトに対するBDS[ボイコット、投資引き上げ、
制裁]キャンペーンが始まった。

2009年のガザの大量虐殺は、イスラエルのアパルトヘイトに対するB
DSの運動をより激化させるだろう。南アフリカのアパルトヘイトで
は、BDSキャンペーンによってついにはネルソン・マンデラを監獄
から解放することに成功し、のちに彼は、民主的かつ多人種的かつ多
文化的な南アフリカ共和国の、初の黒人大統領となった。だから、
イスラエルのアパルトヘイトに対するBDSキャンペーンも、すべて
の市民が平等に遇される一元的国家を生み出すにちがいない」

イード博士は、ガザのアル=アクサー大学の社会・文化研究の教授で
ある。彼はまた、イスラエルに対する学術的・文化的ボイコットのた
めのパレスチナ・キャンペーン(PAGBI)の実行委員会のメンバ
ーであり、「民主的一国家」 One Democratic Stateグループの創設
メンバーの一人でもある。

ナタリー・アブー・シャクラ(レバノン)は語った。

「彼らはレバノンでも同じことをしました。でも、レバノンでは、激
しく爆撃されたところもあったけれど、安全なところもありました。
ガザでは、安全な場所などどこにもない。この人たちをどうして残し
て行けますか?生きるなら彼らとともに生きます。それができないな
ら、彼らと死をともにします」
ナタリー・アブー・シャクラ――国際連帯運動

「イスラエルが国際ジャーナリストの[ガザ立ち入りを]禁じている
ために、ガザの声はさらに押し殺されてきました。この地の現実を外
の世界に発信することは、イスラエルによる攻撃の違法性に光を当て
るために不可欠です。私たちは最近になって救急車に同伴するように
なりました。医療従事者に対する攻撃を報告するためです。これは
ジュネーヴ協定違反です。苦しむ家族たちの姿を目にし、私もその
苦しみを感じてきました。彼らをおいて出て行くことなどできません。
すべての市民が、イスラエルの攻撃の前で身を守るすべがないのです。
私たちはとどまって、ガザの人々に対するイスラエルの攻撃の本質を
あばき続けるつもりです」
ジェニー・リネル――国際連帯運動

「イスラエルは、ガザを離れることができる者を決めているだけでは
ありません。誰が入ることができるかも決めているのです。私は、家
やモスクや大学が粉々に破壊されているのをこの目で見ました。市街
地でミサイル攻撃がどれほど人々を恐怖に陥れているかも分かりまし
た。死んだ子どもたちの姿も目にしました。家から30メートルのとこ
ろをイスラエルが爆撃しているのに、家のなかに閉じ込められてしま
った家族が叫ぶのも聞きました。ガザの人々、150万の人々すべてが、
これらの違法な攻撃から逃れることができないのです。

私たちの命が彼らの命以上に大切であるなどということはありません。
彼らが苦しんでいるかぎり、私たちはとどまります。彼らと連帯する
ために、そして、イスラエルが邪魔して外国のジャーナリストに公表
されまいとしていることを報告するために」
エヴァ・バートレット――国際連帯運動

「ガザのパレスチナ人は、イスラエルが課している封鎖のせいで世界
から孤立しています。今、私たちにはここを離れる機会が与えられま
したが、ガザの人々にそのような選択肢などないのです。ガザの家族
たちと連帯してここにとどまること、それはイスラエルの暴力がおぞ
ましいまでに増大しているなかで決定的に重要なことです。
私は封鎖の影響をこの目で見ました。民間人に対して現在進行形で振
るわれている暴力も見ています。私たちはイスラエルの違法な政策の
犠牲者たちの側に立ち続けます」
シャロン・ロック――国際連帯運動

「イスラエルによって犯されている人道に対する罪を耐え忍んでいる
ガザの人々と連帯して、自分にはここにとどまる責任があると思いま
す。ガザの全住民に対するこの物理的、心理的、政治的戦争を止める
ために国際社会が行動しないのであれば、国際的監視者、ジャーナリ
スト、活動家がここガザにいなければならないのです。

私たちはこの目で見て、報告し、止めなければならないのです、どこ
であろうと、ガザの人々に対してイスラエル占領軍がおかしている戦
争犯罪を。イスラエルは人道に対する自分たちの罪を目撃されたくな
いのです。でも、ガザの人たちは違います。彼らは言い続けています、
「どうか、私たちの身に起きていることを世界に伝えてください、こ
んなことが起きるなんて信じられません」と。
彼らは最悪の事態となることを恐れています。誰もが脅え、恐怖に突
き落とされています。私はここを離れません。イスラエル占領軍こそ
国際法に従って、パレスチナを去らねばならないのです」 
エヴァ・ジャシウィッツ――自由ガザ運動


「エレツ検問所は国際監視員や医薬品をガザに入れるために開放され
るべきなのであって、〔私たちを〕外に出すためではありません。私
たちは、封鎖およびこの間の爆撃で死ぬ人たちをじかに見てきました。
イスラエルの違法な軍事行動によって私は大勢の友人をなくしました。
私たちはパレスチナ人と連帯し、この暴虐非道を報告し続けます。国
際的監視者である私たちには、国際社会がイスラエルによるガザ攻撃
の現実について知ることができるよう保証する責任があるのです」
ヴィットリオ・アッリゴーニ――国際連帯運動

国際人権活動家たちは、12月31日、イスラエルのミサイルでインターン
のムハンマド・アブー・ハセーラと医師のイハーブ・アル・マスーン
が殺害されてから、ガザ地区の救急車に同伴するという活動を続けて
きた。国際活動家たちはマスーン医師が亡くなったとき、ベイト・
ハヌーンのカマール・アドァーン病院にいた。

ガザにとどまっている人権活動家たち

アルベルト・アルケ(スペイン)、
エヴァ・ジャシウィッツ(ポーランド/英国)、
ハイダル・イード博士(南アフリカ)、
シャロン・ロック(オーストラリア)、
ヴィットリオ・アッリゴーニ(イタリア)、
ジェニー・リネル(英国)、
ナタリー・アブー・シャクラ(レバノン)、
エヴァ・バートレット(カナダ)



翻訳:岡 真理

Foreign passport holders in Gaza decide to stay
- “We will not leave”
January 2nd, 2009
原文:http://www.palsolidarity.org/main/2009/01/02/foreign-passport-holders-in-gaza-decide-to-stay-we-will-not-leave/

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>◇「連中はもうどんなことをしてもいいと思っている」

エヴァ・バートレット
エレクトロニック・インティファーダ/Live from Palestine
2009年1月3日



直前のF-16の爆撃で煙と土埃がもうもうと舞い上がる中、必死に避難する
一家がいる。ジャバリヤのパレスチナ赤新月社(Palestine Red
Crescent Society:PRCS)の救急車受付には、恐怖におののきながら家か
ら避難する住民たちからの電話が殺到している。新しい年。新たなナクバ
(大災厄)。でも、この光景は目新しいものではない。イスラエルは今ま
たガザを爆撃し、世界はその横で、ガザをぐるりと囲んでいる電流の通っ
たフェンスや西岸地区を分断しゲットー化している壁とは無縁の、安全な
フェンスの上にのんびりと座っている。のんびりと座って、これまでの長
期にわたる封鎖でほとんど死にかけていたガザの人たちをイスラエルが
次々と虐殺していくのを正当だと言っている。

今夜は救急車4台に同伴。昨夜は2台だった。救急車は、できたての瓦礫の
山を巧みによけながら、縫うように、人為的に作り出されたゴーストタウ
ンの中、明りのいっさい消えた道路(ガザ中の道が同じような状態だ)を
走っていく。

こんなことはどう考えたってありえない、信じられない。皆殺しではない
か。「連中はもうどんなことをしてもいいと思っている。気が狂いかけて
いるんだ」と救急スタッフは言う。

家の残骸、モスク、学校、店の残骸。パニック状態で、死ぬのだけは免れ
ようと避難する住民たちの姿がそこここに見える。前夜、またも多くの家
が爆撃を受けて、今朝から、さらに大勢の人が避難を始めた。私も多くの
残骸をまのあたりにした。今朝、イスラエル軍が撒いたビラに、集団的懲
罰として北部一帯を爆撃すると書いてあり、住民たちはそれを信じた。
今、ジャバリヤの複数のPRCSステーションにはどこにも明りはついていな
い。つい先ほど停電してしまったのだ。寒さと闇の中、戸外の爆裂音は
いっそう大きく響きわたる。

砲撃で立ち昇る刺激性の煙が空気を汚していく。戦闘機と戦車とブルドー
ザーと戦艦で完全に包囲されているという感覚がどんどん強まっていく。
ガザ攻撃の最新ニュースが流れる。ガザ市のパレスチナ・モスクの近くの
孤児院が爆撃された。次はパレスチナ・モスクだと皆が口をそろえて言
う。すでに少なくとも10のモスクが破壊されている。今日のイブラヒー
ム・アル・マカドマ・モスクの爆撃で死んだ人は11人、怪我をした人は50
人。死者も負傷者も果てしなく増えていく。

北西部からの、そして、この救急ステーションから遠く離れた東部からの
救助を求める電話は、返事ができないままにやり過ごさなければならな
い。救急スタッフはICRC(赤十字国際委員会)経由でイスラエル相手に調
整をしなければならない。なんと痛烈な皮肉だろう。占領者はガザから出
る許可を与えず、占領者は侵攻し、その侵攻者は次々に人を殺し、重傷を
負わせ、そして、あろうことか、自分たちが殺し、怪我を負わせた人たち
を救急車が搬送する許可を与える権限まで持っているのだ。

信じられないという思いが続いている。重い爆発音とアパッチヘリのプロ
ペラ音も、夜の闇に撃ち込まれる銃撃のスタッカートも、結末のわからな
いまま、どことも知れない標的を直撃したミサイルの炸裂音も、何もかも
が、ただひたすら信じられない。

・・・・・・

エヴァ・バートレットはカナダ人の人道活動家、フリーランサー。2007
年、西岸地区の各地に8カ月、カイロとラファ・クロッシングに4カ月滞
在。2008年11月に第3次フリー・ガザ運動の船でガザに到着したのち、現
地にとどまり、国際連帯運動(ISM)の一員として活動を続けている。現
在、ISMメンバーは、救急車同伴活動を実施し、イスラエルのガザ空爆・
地上侵攻の目撃証言を現地から発信している。

翻訳:山田和子
この文章は以下に掲載:
http://palestine-heiwa.org/news/200901042326.htm

原文:"They know no limits now"
Eva Bartlett writing from the occupied Gaza Strip, 3 January 2009
http://electronicintifada.net/v2/article10106.shtml

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>◇Information 紹介したいサイト2 (すべて日本語です)

【ガザ全面攻撃の背景にある基本的なこと】

・タリク・アリ、「ガザの灰から」 ……国際社会の欺瞞、ペテンだった
オスロ合意、無視された民主的選挙、ハマスの置かれた位置など、攻撃
の背景に迫る。長文。
http://nofrills.seesaa.net/article/111941774.html

・サラ・ロイ、「もしもガザが陥落したら……」 ……ホロコースト・
サバイバーの娘であり、占領下のガザの低開発状態を研究してきた
ハーバード大のサラ・ロイさんによるガザの封鎖状況についての詳細な
レポート。攻撃される前のガザを知る上で必見の内容。長文。
hhttp://nofrills.seesaa.net/article/111872671.html

【今回のガザ全面攻撃の裏側(イスラエルの動向)】

・「政争の具としておこなわれた計画的ガザ戦争」 ……「選挙のため
の人気取り」としての攻撃を、イスラエル政界の内部からさらに具体
的に考察した文章。パレスチナ情報センター・スタッフノート。
http://palestine-heiwa.org/note2/200812300901.htm

・バラク・ラヴィッド、「6カ月前から極秘裏に準備が進められていた
ガザ全面攻撃」……イスラエルの有力紙、ハアレツに掲載された記事。
ガザへの全面戦争は、ハマスのロケット弾攻撃に対する「報復」という、
イスラエルが主張する言い分とは異なり、6ヶ月も前から周到な準備の
もとに計画されていた。
http://palestine-heiwa.org/news/200901030059.htm

【ガザ全面攻撃を批判する視点】

・国連特別報道官、フォーク教授のステートメント ……この攻撃の前に
、イスラエルによって入国を拒否された占領地(パレスチナ)における
国連人権特別報告者 、リチャード・フォーク教授によるステートメント。
簡潔に、イスラエル軍の国際法違反を指摘している。
http://nofrills.seesaa.net/article/112014475.html

・イスラエル政府に対する抗議声明……東京で12月30日に提出されたも
の。大事なポイントがぎっしり詰まっている。ガザ空爆に抗議する12.30
緊急行動参加者一同による。
http://0000000000.net/p-navi/info/news/200812310102.htm

・「虐殺の論理」……「Arisanのノート」。虐殺を引き起こしている根
っ子にあるものを考える。
http://d.hatena.ne.jp/Arisan/20090104/p2

【停戦を求める署名】

・ラムゼイ・クラーク、ガザの即時停戦を求める国際署名開始……署名
の内容、やり方などの詳細。
http://hope.way-nifty.com/a_little_hope/2009/01/post-d856.html

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>◇虐殺を止めるために声を届ける

【イスラエル政府に対する英文サンプル】(前回よりも少し長いもの)

Dear *******

I am writing you to protest the massive attack on Gaza citizens by
the Israeli Forces, which started on 27th December 2008. Because of
the attack, more than 400 people in Gaza were killed and more than
1000 people were injured so far. This is a massacre of Palestinians.
I urge you to immediately stop such a horrible atrocity.

Sincerely Yours, 名前

(上記の英文の邦訳)

******さま

私は、2008年12月27日からイスラエル軍がガザ市民に対して行っている
大規模攻撃に抗議するためにこの手紙を書いています。この攻撃により、
現在まで400人以上のガザ住民が殺され、1000人を超す住民が負傷しま
した。これはパレスチナ人に対する虐殺です。このような恐ろしい蛮行
をすぐにやめるように、訴えます。

敬具
名前

宛先:http://palestine-heiwa.org/misc/kougi.html
(*国防相Amir Peretzを、Ehud Barakに差し替えてください)

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http://0000000000.net/p-navi/info/
http://www.onweb.to/palestine/

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