諸外国における国家秘密の指定と解除―特定秘密保護法案をめぐって―/国会図書館 ほか

2013-11-16 12:06:04 | 世界
国立国会図書館
諸外国における国家秘密の指定と解除
―特定秘密保護法案をめぐって―
調査と情報―ISSUE BRIEF― NUMBER 806(2013.10.31.)

国立国会図書館 調査及び立法考査局行政法務課
(今岡直子)

● 情報の保全と公開の在り方を決めるルールには、
①刑事罰をもって保全する秘密の指定、
②情報の公開と不開示、
③公文書の利用と制限、
④秘密の指定と解除という種類がある。
特定秘密保護法案は①を骨格とするもので、公文書管理法とともに④のルールの一部となり得る。

● ①及び④については、国の安全保障と国民の情報へのアクセスという2 つの利益調整を行う必要がある。
また、適正化を図るための制度的担保と時の経過による情報の変化も考慮されるべき要素である。

● アメリカは、法律と大統領令により、①~④を全て備える。
イギリス、ドイツ、フランスは①~③の法律を備え、④についても配慮する。
国連報告者等の協力により作成されたツワネ原則は、①~④を含めた俯瞰的視点を示す。

はじめに
Ⅰ アメリカ
1 機密指定制度
2 機密指定の解除
3 情報の開示との関係
4 適正化のための制度
Ⅱ イギリス
1 2000 年情報自由法
2 議会情報安全保障委員会
Ⅲ ドイツ
1 連邦情報自由法
2 連邦公文書館法
3 議会監督委員会
Ⅳ フランス
1 30 年原則の廃止
2 国防秘密査問委員会
Ⅴ ツワネ原則
1 趣旨
2 概要
おわりに

第806号
---

はじめに

国により厳格な保全の下に置かれるべき情報の公開の在り方には議論がある。
国家秘密として指定された情報であっても、例えば将来において、情報の重要性や特性が変化した場合には保全する必要性が低下することが多い。
秘密の指定と解除に関するルールは、時をまたいで、国(国民)の安全保障の確保と国民の情報へのアクセスという2 つの重要な利益を調整する。
現在、平成25 年秋の第185 回国会(臨時会)への特定秘密の保護に関する法律案(以下「特定秘密保護法案」という。)の提出をめぐり、活発な議論が展開されている。
同法案は、政府が示すところによると1、刑事制裁により情報の漏えいを防止し、国及び国民の安全保障の確保に資するルールである(図12参照)。
また、公文書等の管理に関する法律(平成21 年法律第66 号。以下「公文書管理法」という。)は、国民共有の知的資源たる公文書等を管理し(同法第1 条)、現在及び将来の国民の情報へのアクセスに資する法律であるとされる3(図1参照)。



おわりに

国家秘密の指定と解除に関するルールは、多くの法分野にまたがる問題である。
諸外国の事例からは、情報の保全と公開に関する制度設計、その制度における国家秘密の取り扱われ方、適正な運用のための制度等を具体的に知ることができる。
アメリカは、大統領令により、機密指定制度が定められ、機密指定権者の裁量の適正化のために複数の制度と組織がある。
イギリスは、公務秘密法や情報自由法の改正により、近年、情報を公開する方向への動きがあることが分かる。
ドイツは、連邦情報自由法、連邦公文書館法、30 年原則という制度の大枠の点で日本と共通する。
フランスは、文化遺産法典で公的文書と私的文書がともに定められている点や秘密等を除いて直ちに公開することが原則とされたことが特徴的である。
ツワネ原則からは、国家安全保障と国民の情報へのアクセスについて、制度を俯瞰した多様な視点を得ることができる。
我が国の特定秘密保護法案の検討に際して、このような諸外国の制度は、適正化を図るための制度的担保、時の経過の考慮といった視点から、参照すべき点が多い。

本文は以下で
http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_8331133_po_0806.pdf?contentNo=1

ダウンロード可 14ページ

****************

☆11・21(木)秘密保護法に反対する大集会☆
 日時:11月21日(木)午後6時30分~
 場所 日比谷公園野外音楽堂
 集会:午後6時30分 主催者、議員、各界のアピール
 国会請願デモ:午後7時30分~ 
…     …     …     …     …     …     … 
 ◇ 11・26 マスコミ9条の会緊急反対集会 ◇
     「ジャーナリストは秘密保護法案と日本版NSCに反対する」
◇日 時:11月26日(火)午後6時開場~午後21時
◇会 場:神田駿河台・明治大学リバティタワー 6階・1063号教室
     (当日、使用教室の変更があっても明大リバティタワーは変わりません)
◇資料代:一般1000円、学生500円
 詳細 http://jcj-daily.seesaa.net/article/380227227.html

---

秘密保護法案に異議有り(FmATVch13日)
http://youtu.be/561LbH8aCt8
*11月13日、東京・有楽町マリオン前で行われた超党派国会議員のリレートーク録画中継。
有田芳生・民主党参院議員、田村智子日本共産党参院議員、こくた恵二同衆議院議員、小宮山泰子・生活の党衆院議員、照屋寛徳・社民党衆院議員、福島みずほ同参院議員、鈴木貴子・新党大地衆院議員の各氏がマイクを握りアピール

よろしければ、下のマークをクリックして!


よろしければ、もう一回!
人気<strong></strong>ブログランキングへ


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。