東アジア歴史・人権・平和宣言・企画案(呼びかけ) /前田朗Blog

2010-02-02 16:58:36 | 世界
2010年は韓国併合条約100周年なので、さまざまな取組みが始まっています。
その一つとして私たちは、<「東アジア歴史・人権・平和宣言と行動計画」(仮
称)企画>なる取組みを始めます。

基本趣旨は、2001年にダーバンで開催された人種差別反対世界会議の成果文
書であるダーバン宣言をもとに、日本の戦争と植民地支配、その結果としての人
種主義と人種差別を問う、東アジアNGOの共同作業による宣言作りの運動です。

呼びかけを始めたばかりで、ヨチヨチ歩きですが、皆さんのご協力をいただい
て、2010年の市民運動として育てていきたいと思います。

企画案(呼びかけ文)と呼びかけ人リストを下記にアップしました。
http://www.maeda-akira.net/

(いまのところ前田のブログに置いてありますが、近く独自のブログにする予定
です。)
maeda akira
maeda@zokei.ac.jp

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「東アジア歴史・人権・平和宣言と行動計画」(仮称)企画案
 1 趣旨

1) 人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容に関する、2001年のダーバン会議の宣言と行動計画は、差別がもたらした地球社会の問題と課題、なかんずく奴隷制と植民地支配の莫大な被害と不法性を明らかにした歴史的文書である。

2) ダーバン会議の精神を引き継いで、東アジアにおける差別と差別の源泉を明らかにし、アフリカの奴隷制に焦点を当てた同会議において議論されることの少なかった東アジアにおける帝国主義の植民地支配の災難を明らかにし、その責任の所在を明確にして、根源的防止策を提案することによって、東アジアにおいて持続的な平和を実現する必要がある。

3) 文明と野蛮という差別主義からもたらされた、西欧の侵略、戦争、植民地支配は、1世紀半にわたって、東アジア地域に甚大な被害を与えたことを認め、謝罪、賠償、再発の防止という「過去清算」が誠実に行われることが、未来に向けて東アジアの協働の不可欠な前提であることを確認する。

4) 東アジアにおける過去清算は、南北朝鮮、台湾をはじめ、各国の政府と、東アジアのNGOによって、その間、取り組まれてきた努力と成果の上に構築されるものであるので、ここに全体の成果と要求を総合し、網羅する。

5) アヘン戦争にはじまる東アジア近代における侵略、戦争、植民地支配は、大きな傷跡を残し、帝国支配による「分割・支配」は今日においても地域における分裂と対立を作り出しており、この地域における平和の最も大きな脅威となっている。

6) 東アジアにおける過去清算という「歴史的人権」の回復と平和は不可分に連結しており、東アジア共同体に向けての最も重要な課題となっている。

7) そこで、2010年日本の朝鮮併合100年を契機にして、2010年8月に東アジアの近現代史を全面的に見直す過去清算のための平和宣言・行動計画を東アジアのNGOを主体として策定する。ここに東アジアにおける過去清算と平和の要求を列挙し、それを実現する具体的な課題を行動計画として提示する。


2 ダーバン宣言とは(資料)

  翻訳は下記のサイト参照
  http://www.hurights.or.jp/wcar/J/govdecpoa.htm


活字文献

ダーバン2001編「反人種主義・差別撤廃世界会議と日本」『解放』502号(2002年)


(参考)

宣言の構成素案
前文

Ⅰ 総論

Ⅱ 東アジアにおける人種主義と人種差別の源泉、原因、形態、現代的諸現象

Ⅲ 東アジアにおける人種主義と人種差別の被害者

 1 東アジア地域諸民族(朝鮮人、中国人、台湾原住民、フィリピン人・・・・・・)

   1a 植民地人民

   1b 占領地人民

   1c 被侵略地人民

 2 日本のナショナル・マイノリティ(アイヌ民族、ウチナンチュー)   

 3 旧植民地出身者(在日朝鮮人、在日中国人)

 4 外国人移住者・訪問者

 5 複合差別(ジェンダー、障害者、若者など)


* あるいは事件別(民衆虐殺、強制連行、性奴隷制、細菌戦、毒ガス・・・)


Ⅳ 東アジアにおける人種主義と人種差別の根絶を目指した予防・教育・保護の措置

Ⅴ 東アジアにおける人種主義と人種差別の効果的な救済、回復、是正、補償その他の措置

Ⅵ 東アジアにおける信頼醸成、平和構築、核廃絶、地域人権機関の設置その他の措置


* 行動計画

東アジア歴史・人権・平和宣言・呼びかけ人

青柳行信(NGO人権・正義と平和連帯フォーラム福岡・代表)、安里英子(沖縄大学珊瑚舎スコーレ講師)、阿部浩己(神奈川大学教授)、荒井信一(茨城大学名誉教授)、荒川美智代(南京への道・史実を守る会)、庵逧由香(立命館大学)、安藤博(情報公開クリアリングハウス副理事長)、池内靖子(立命館大学産業社会学部)、池田恵理子(女たちの戦争と平和資料館運営委員長)、池田香代子(作家、翻訳家)、石原昌家(沖縄国際大学教授)、石山久男(歴史教育者協議会前委員長)、伊勢弘志(明治大学助手)、磯貝治良(作家・在日朝鮮人作家を読む会主宰)、板垣竜太(同志社大学教員)、伊東きくえ、伊藤成彦(中央大学名誉教授)、上村英明(恵泉女学園大学教授)、内田雅敏(弁護士)、内海愛子(早稲田大学客員教授)、大越愛子(近畿大学教授)、大橋正明(恵泉女学園大学教授)、岡本三夫(広島修道大学名誉教授、広島岡本非暴力平和研究所所長)、長志珠絵(神戸市外国語大学)、大日方純夫(早稲田大学教授)、尾山宏(弁護士)、鹿毛達雄、笠原十九司(都留文科大学教授)、梶村太一郎(在ドイツジャーナリスト)、勝村誠(立命館大学)、桂島 宣弘(立命館大学文学部)、金子マーティン(反差別国際運動事務局次長)、亀田博(東アジア・アナキズム運動史研究)、川村一之(戦争被害調査会法を実現する市民会議事務局長)、菊池夏野(名古屋市立大学准教授)、木戸衛一(大阪大学教員)、木村朗(鹿児島大学教員)、清末愛砂(島根大学教員)、金栄(在日朝鮮女性史研究者)、金富子(東京外国語大学教員)、熊谷伸一郎(撫順の奇蹟を受け継ぐ会)、糀谷陽子(日中韓3国共通歴史教材委員会)、小牧薫(大江健三郎・岩波書店沖縄戦裁判支援連絡会事務局長)、小森陽一(東京大学教授)、齋藤一晴(日中韓3国共通歴史教材委員会)、佐々木寛(新潟国際大学)、佐藤信行(在日韓国人問題研究所)、柴田健(教科書・市民フォーラム共同代表)、神直子(NPO法人ブリッジ・フォー・ピース代表理事)、杉井静子(弁護士)、鈴木裕子(女性史研究者)、マーク・セルダン(コーネル大学、ジャパンフォーカス誌編集委員)、徐勝(立命館大学教授)、宋連玉、空野佳弘(弁護士、朝鮮人強制連行真相調査団日本人側事務局長)、高嶋伸欣(琉球大学名誉教授)、高田健(許すな!憲法改悪・市民連絡会)、高橋伸子(関東大震災における朝鮮人虐殺の真相究明と名誉回復を求める日韓在日市民の会)、竹内真澄(桃山学院大学社会学部)、田中利幸(広島市立大学広島平和研究所教授)、田中正敬(専修大学准教授)、田中行義(日中韓3国共通歴史教材委員会)、谷百合子(無防備平和のまちをつくる札幌市民の会)、俵義文(子どもと教科書全国ネット21事務局長)、崔善愛(ピアニスト)、坪川宏子(「慰安婦」問題の解決を求めるオール連帯ネットワーク事務局長)、殿平善彦(浄土真宗本願寺派一乗寺住職)、床井茂(弁護士、在日朝鮮人・人権セミナー実行委員長)、戸田清(長崎大学教授)、戸邉秀明(東京経済大学教員)、中野聡(一橋大学教授)、中野敏男(東京外国語大学教授)、中原道子(VAWW NET ジャパン共同代表)、中村紀子(旧日本軍による性的被害女性を支える会)、永澄憲史(新聞記者)、新倉修(青山学院大学教授)、西野瑠美子(VAWW NET ジャパン共同代表)、野平晋作(ピースボート共同代表)、乗松聡子(ピース・フィロソフィー・センター代表)、早川紀代(明治大学講師)、林博史(関東学院大学教授)、藤永壯(大阪産業大学教授)、本庄十喜(明治大学助手)、原由利子(反差別国際運動事務局長)、前田朗(東京造形大学教授)、ガバン・マコーマック(オーストラリア国立大学、ジャパンフォーカス誌編集委員)、増田都子、松本武祝(東京大学准教授)、丸川哲史(明治大学)、丸浜江里子(日中韓3国共通歴史教材委員会)、南典男(弁護士、中国人戦争被害者賠償請求事件弁護団幹事長)、源淳子(関西大学人権問題研究室委嘱研究員)、元百合子(大阪女学院大学准教授)、本橋哲也(東京経済大学教員)、安原桂子、山内小夜子(東本願寺僧侶)、矢野秀喜(強制連行・企業責任追及裁判全国ネットワーク事務局長)、山本みはぎ(不戦へのネットワーク)、湯浅一郎(ピースデポ代表)、横原由紀夫(東北アジア情報センター・運営委員)、吉澤文寿(新潟国際情報大学教員)、米倉勉(弁護士)、李香哲(光云大学校)、渡辺健樹(日韓民衆連帯全国ネットワーク)
*2010年2月2日現在

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2 コメント

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お願い (与儀)
2011-03-10 23:57:13
前田朗さんの活動に、以前から敬意をもっております。このたび、日韓共同宣言の道程について、矢野秀喜さんに原稿を依頼し、『月刊社会教育』5月号に掲載されることになりました。そこに一緒に写真も載せたいのですが、矢野さんから、前田さんが写真を撮っていらしたので、送ってもらってくださいと言われました。大会の写真で若い人が写っているものがあるとありがたいのですが、メールで送っていただけないでしょうか。
この記事は転載ですから・・・ (薔薇、または陽だまりの猫)
2011-03-11 07:26:27
記事に掲載したアドレス
maeda@zokei.ac.jp
に、「お願い」を送信してください

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