メディアの買収 ベネズエラのジャーナリストとメディアに数百万ドル提供/益岡賢のページ から

2010-07-28 09:47:52 | 世界
メディアの買収
エバ・ゴリンジャー
情報源:Chavez Code
2010年7月16日金曜日

文書記録からベネズエラのジャーナリストとメディアに数百万ドルが提供されていたことが明らかになった。

情報公開法(FOIA)のもとで機密解除された米国国務省の文書から、過去3年間に米国はベネズエラのジャーナリストとメディアに400万ドル以上の資金を提供していたことが明らかになった。この資金は、ベネズエラの体制変更を引き起こそうという試みの一環として、様々な国際機関がベネズエラの反チャベス派グループに投資している年間4000万ドル以上の資金の一部である。

この資金は、米国国務省が3つの組織を通して直接送り込んでいるもので、3つの組織とは、米州開発基金(Panamerican Development Foundation: PADF)、フリーダムハウス、そして米国国際開発庁(USAID)である。

こうした活動の実態をあからさまに隠すため、国務省は数百万ドルの資金を受け取った組織とジャーナリストの名前を資料から削除した。しかしながら、2008年 7月付けの一文書では、資金を受け取っているベネズエラの主要グループの名前が誤ってそのまま残っていた:エスパシオ・プブリコ(公共空間)と報道・社会機構(IPYS)である。

エスパシオ・ブプリコとIPYSは、米国国務省の資金数百万ドルを、米国のアジェンダを広めるために活動している私企業メディア組織とベネズエラ人ジャー ナリストに分配する役割を担当している。

文書が示すところによると、PADFはベネズエラで「メディアの自由と民主的機構の活性化」を目的とするプログラムを実施し、「革新的メディア技術」の開発と利用に関するジャーナリスト向け訓練ワークショップを開催している。これは、ベネズエラに「表現の自由に対する脅威」が存在し、「ジャーナリストとメディアの間で威迫と自己検閲の雰囲気」があるからだと言う。

文書によると、PADFの目的は「独立系ジャーナリストに訓練と技術支援、機材および革新的なネット技術へのアクセスを提供することで、メディアの報道範囲を拡大して多様化させ、これらジャーナリストがベネズエラに影響を与えている最も重要な政策問題についてタイムリーに人々に伝えていく力を養成する」ことにあるという。

しかしながら、書類上はこうした目的は善良なものに見えるが、実際のところは、ベネズエラの私企業メディア組織とジャーナリストは米国の組織と共同して、積極的に情報を操作歪曲し、ベネズエラ政府のことを「基本的人権と自由を侵害する」「共産主義独裁」と描き出そうとしている。

これほど事実から離れたこともない。

ベネズエラでメディアとジャーナリストがほとんど完全に表現の自由を手にしているだけではなく、過去10年間にチャベス政権のもとで、市民によるメディアへのアクセス機会を育て拡大するために、何百という新たなメディア局----その多くはコミュニティ・メディアである----が生まれた。チャベス以前の政権ではコミュニティ・メディアは禁止されており、放送を認可されていたのは巨額の資金を払ってベネズエラの情報独占を維持する私企業メディアだけであった。

今日、私企業メディア局とそこに属するジャーナリストたちは通信の力を使って公にベネズエラ政府転覆を広めようとしている。こうしたメディア企業の所有者と役員たちはベネズエラのエリート層に嘱し、チャベスが 1998年の選挙で大統領に選ばれるまでの40年間にわたり、米国政府の指示のもとでベネズエラを支配してきたのである。

国務省文書は、米国政府が、こうした「プロパガンダ」や「対外介入」を禁ずる米国法にあからさまに違反してベネズエラのメディアに資金を提供していることだけでなく、ベネズエラのジャーナリストたちが記者職と政治的現実を認識する仕方にも影響を与えていることを示している。

国務省の資金は反チャベス・プロパガンダを広めるメディア局を創設しまた支援するために使われるだけでなく、ベネズエラ人ジャーナリストをその中核から----学生のうちから----捉えてジャーナリズムへの観念を型にはめ、米国の政策意図に早い段階で確実に忠誠を誓うようにするためにも使われている。

反チャベス・ウェブサイトへの資金提供

2007年に国務省から69万9996ドルの資金を受け取っているPADFのプログラムの1つは、「ベネズエラで独立メディアの発達」および「革新的メディア技術を介してジャーナリズムを支援する」ものである。文書から、150人以上のベネズエラ人ジャーナリストが米国の機関が提供する訓練を受け、少なくとも25のウェブサイトが米国の予算を受けて作られたことがわかる。

この2年間で、ベネズエラではウェブ、ブログ、Twitter、MySpace、Facebookの利用者が急増したが、その多くはこれらのメディアを使ってチャベスに反対するメッセージを広め、ベネズエラの政治的・経済的現実について歪んだあるいは誤った情報を伝えている。

米国国務省が行っているプログラムとしてはほかに、ベネズエラ人学生と若者に新たなメディア技術に関する訓練を受けさせ、ベネズエラ政府に反対する「サイバー反体制派ネットワーク」を呼ばれるものを作るものがある。

たとえば、2010年4月、ジョージ・W・ブッシュ・インスティチュートがフリーダムハウスおよび国務省と共催で、「サイバー反体制派のグローバルな運動」を分析するための「自由と人権の活動家」と「インターネット専門家」が出会うフォーラムを開催した。テキサス州ダラスで開催されジョージ・W・ブッシュ本人が司会を務めたこのイベントには、イランやシリア、キューバ、ロシア、中国から招待された「反体制派」に加えて、反チャベス青年活動家のロドリゴ・ディアマンティも参加していた。

昨年10月には、メキシコシティで青年運動同盟(AYM)第2回サミットが開催された。AYMは米国国務省が作った組織で、米国にとって戦略的に重要な諸国から選んだ青年活動家、新たなメディア技術の創設者、様々な米国機関の代表を引き合わせるためのものである。ヒラリー・クリントン米国国務長官が代表を務めたこのサミットには、反チャベス青年活動家のヨン・ゴイコチェア(プリメロ・フスティシア)、ラファエル・デルガド、ヘラルディネ・アルバレスが特別ゲストとして参加していた。3人ともに、2008年にワシントンのケイトー研究所の資金でベネズエラに創られた組織フツロ・プレセンテのメンバーである。

大学への資金提供

機密解除された米国国務省文書はさらに2008年にフリーダムハウスを通して71万6346米ドル以上の予算が「ベネズエラの独立メディアを強化する」ための18カ月プロジェクトにつぎ込まれたことを明らかにしている。このプロジェクトでは、ベネズエラのある大学に「ジャーナリスト資源センター」を創設する資金も提供しているが、その大学名は公開されていない。「センターでは、コミュニティ・ラジオ、ウェブサイト、訓練ワークショップを展開する」とされている。すべて国務省の資金によってである。

さらに、PADFを介して「新たなメディア技術と調査型ジャーナリズム」に焦点を絞った2年間のプロジェクトにより「ベネズエラで表現の自由を広める」ための資金70万6998ドルも提供されている。「特に、PADFと地元パートナー組織はベネズエラのいくつか県で革新的メディア技術と形式に関する訓練とフォローアップ支援を提供する。・・・この訓練プログラムを統合して大学レベルのカリキュラムに展開する」。

別の文書はベネズエラの3つの大学の名前を示している。ベネズエラ中央大学(UCV)、メトロポリタン大学、サンタマリア大学の3つで、米国国務省の構想と資金提供のもとでメディア研究のコースを組み込んでいる。この3大学は、過去3年間、反チャベス学生運動の主要発信地であった。

PADFは、また、「ベネズエラ:未来の声」と題するプログラムに54万5804ドルの資金を受けている。単年度プログラムとされるこのプロジェクトは「新たなメディア技術に焦点をあわせた独立系ジャーナリスト新世代を育む」ためのものとなっている。PADFはさらにベネズエラ全土の各県で、ブログや新聞、ラジオ局、テレビ局に資金を与え、プログラムの「参加者」が書いた報告書や記事の「公表」を行っている。

USAIDとPADF

カラカスにあるUSAIDの移行イニシアチブ局(OTI)を通してベネズエラの反チャベス政治団体にさらなる資金が流れ込んでいる。OTIの年間予算は500万から700万米ドルである。ここから出る予算は、米国と欧州およびカナダの組織がベネズエラの繁体は組織に提供している年間4000万ドルを越す資金の一部を構成している。この点は2010年5月に米国民主主義基金の「世界民主主義運動」(WMD)及びスペインのFRIDE財団が出した報告「ベネズエラ:民主主義支援の評価」から明らかである。

PADFはUSAIDの元請け組織の一つとして2005年から活発な活動を行ってきている。PADFは米国国務省が1962年に創設した組織で、米州機構(OAS)と「提携」している。ベネズエラでは、PADFは「地域の市民社会グループを活性化」する活動に従事し、「ベネズエラのNGOに大規模な資金と技術支援を提供することのできる数少ない国際団体の1つ」であるとされている。
益岡賢のページ

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