またまた食品会社の「食の安全・安心」が脅かされる事件が発生した。
あのペコちゃんの不二家が賞味期限切れの原材料を使用し、基準値の十倍の細菌が検出された洋菓子を販売していた。記者会見で、「雪印の二の舞いを避けたかった。」と言っていたが、このままだと、まさに不二家の前途は立ち行かなくなってしまうだろう。
この際、襟を正さなければなければならない会社は残念乍たくさんあるだろう。
私の働いているネスレは、「他山の石」どころのはなしではない。ネスレでは、以前賞味期限切れのコーヒーを再原料化していたし、さらに工場廃液を川にタレ流ししていて、いずれもネッスル労組から厳しく指摘され、ようやく中止させた経過がある。製品化されたコーヒーの再原料化では2002年に朝日新聞で大きく取り上げられた。
またルール違反問題では、去年末から今年にかけて新聞でも報道された、「国立公園内での無許可取水」問題がある。この「無許可取水」問題でのネスレの声明は、「当時、自然公園法により事前許可が必要であるとの認識がなく、申請手続きに不備がありましたが、すでに県より許可を得ており、何ら問題はございません。」という開き直りの強弁でした。知らなかったですまされる問題ではありません。「何ら問題ない」とフソぶく態度は傲慢の限りだろう。例えば、運転手が一方通行の標識を見すごして逆走して、「知らなかった」ではすみません。交通ルールを守らぬドライバーは」運転する資格がありません。
ネスレはCSR(企業の社会的責任)を表面では掲げておきながら、「許認可」というコンプライアンスの基本での問題意識がないのは驚くばかりだ。
不二家とネスレは関連深い企業です。今はネスレコンフェクショナリーで販売しているキットカットも以前は不二家から発売していた。またネスレが北海道の不二家乳業工場を買い取った事もあったし、ネスレ日本の前の社長の藤井氏は、同属経営を続けている不二家の藤井一族の一員です。しかし、藤井前社長は、昨年最高裁で労働者側が勝訴した、「ネスレ不当配転」事件の首を切った張本人だ。
いずれにしろ、企業が社会的責任を果たす上で、労働組合のチェック機能が何にもまして不可欠であると声を大にして言いたいところです。
□■□■□■□■□■□■□■□■
ネッスル日本労働組合神戸支部
書記長 坂 本 一
nestle-rouso@agate.plala.or.jp(組合)
〒650-0025 神戸市中央区相生町4-13-7
http://www.tcn.zaq.ne.jp/njlu
http://blog.goo.ne.jp/skyyacht2/
Tel/Fax 078-362-1890
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あのペコちゃんの不二家が賞味期限切れの原材料を使用し、基準値の十倍の細菌が検出された洋菓子を販売していた。記者会見で、「雪印の二の舞いを避けたかった。」と言っていたが、このままだと、まさに不二家の前途は立ち行かなくなってしまうだろう。
この際、襟を正さなければなければならない会社は残念乍たくさんあるだろう。
私の働いているネスレは、「他山の石」どころのはなしではない。ネスレでは、以前賞味期限切れのコーヒーを再原料化していたし、さらに工場廃液を川にタレ流ししていて、いずれもネッスル労組から厳しく指摘され、ようやく中止させた経過がある。製品化されたコーヒーの再原料化では2002年に朝日新聞で大きく取り上げられた。
またルール違反問題では、去年末から今年にかけて新聞でも報道された、「国立公園内での無許可取水」問題がある。この「無許可取水」問題でのネスレの声明は、「当時、自然公園法により事前許可が必要であるとの認識がなく、申請手続きに不備がありましたが、すでに県より許可を得ており、何ら問題はございません。」という開き直りの強弁でした。知らなかったですまされる問題ではありません。「何ら問題ない」とフソぶく態度は傲慢の限りだろう。例えば、運転手が一方通行の標識を見すごして逆走して、「知らなかった」ではすみません。交通ルールを守らぬドライバーは」運転する資格がありません。
ネスレはCSR(企業の社会的責任)を表面では掲げておきながら、「許認可」というコンプライアンスの基本での問題意識がないのは驚くばかりだ。
不二家とネスレは関連深い企業です。今はネスレコンフェクショナリーで販売しているキットカットも以前は不二家から発売していた。またネスレが北海道の不二家乳業工場を買い取った事もあったし、ネスレ日本の前の社長の藤井氏は、同属経営を続けている不二家の藤井一族の一員です。しかし、藤井前社長は、昨年最高裁で労働者側が勝訴した、「ネスレ不当配転」事件の首を切った張本人だ。
いずれにしろ、企業が社会的責任を果たす上で、労働組合のチェック機能が何にもまして不可欠であると声を大にして言いたいところです。
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ネッスル日本労働組合神戸支部
書記長 坂 本 一
nestle-rouso@agate.plala.or.jp(組合)
〒650-0025 神戸市中央区相生町4-13-7
http://www.tcn.zaq.ne.jp/njlu
http://blog.goo.ne.jp/skyyacht2/
Tel/Fax 078-362-1890
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この不二家問題を見ていて直感したのは、不二家工場でパートとして働いてきた労働者の内部告発であり、ここ数年におけるこの種の不祥事や事件の多くは、内部告発がきっかけとなっていることだ。
格差社会で暴利を謳歌している大企業などの経営者は、この現実を直視する必要がある。これは何も雪印や不二家だけの問題ではなく、製造業からIT企業、さらには金融業に至まで現代の企業、さらに言えば国、自治体がかかる日本型組織が抱える共通の問題であると言える。
ところで小泉政権はそれ以前に萌芽していた日本の格差社会を拡大した。
他方、小泉政権下で内部告発を結果的に奨励する法が制定された。この法律は、組織の不正を知り、正すためには内部告発が非常に重要な働きを果たすとされている。
具体的には、平成16年(2004年)に組織から告発者を保護する「公益通報者保護法」という法案が成立した。もちろん、この法律は、あくまで「内部告発者を守る法」であって、組織の不正行為を摘発することが主目的としていない。しかし、結果として上述のように永年隠蔽体質となっていた日本型組織内で行われていることを外部に情報開示する内部告発奨励の役割を果たしている。
現状の法では組織の不正行為を摘発するにはまだ不充分であるとはいえ、組織に忠誠心をもち帰属してきた多くの日本人に「内部告発」はけっして裏切りではなく、社会的な必要行為であることを知らしめた意義は大きい。
ところで格差社会は、言うまでもなく本来必要とされる社会経済的な規制までとっぱらい、何でも市場にゆだねる市場原理主義のもと、弱肉強食の経済社会を増長していた。とくに、製造業では大企業の多くが日本の伝統的な終身雇用や正規雇用からパート、アルバイト労働に切り替えることで大きな経常利益を上げてきた。
だが、ちょっと考えれば分かることだが、同じ内容の仕事をしながらボーナスやさまざまな保証もない、日雇い労働者として差別されているひとびとは、会社への帰属意識も従来のようになく、眼前で起こっている今回の不祥事に見て見ぬふりをして辞めてゆくひともいれば、正義感や怒りを持って外部に内部告発するひともでてくるのは自然の成り行きである。
今回の事件は雪印乳業事件の二の舞というだけでなく、いわば格差社会で虐げられ低賃金と悪条件で労働を強いられてきたひとびとの怒りの声、告発であるとも言えるのではないか。
その意味で、40年以上も前の水俣病がかくも甚大な被害者をもたらし、その修復に膨大な時間と金がかかったかについて、日本の企業経営者はもっと学ぶ必要がある。
当時、工場長は苛性ソーダ製造過程で必要となった有機水銀がいわゆる水俣病の原因であることを比較的早期段階で知っていながら、企業の上層部が本気で対応することなく、結果的にあの水俣病を招来させてしまったことだ。
時代は変わり、企業組織だけでなく行政組織でさえ、従業員、労働者の組織内社会関係の在り方は大きく変わりつつある。まして、企業組織内部で低賃金で過重、過酷な労働を強いられているひとびとにとって、今や内部告発はそれほど決死の覚悟を要することにはならない。
これからの時代は、「格差社会」が「内部告発」を助長し、まさに一部上場の大企業といえど、「蜂の一差し」で倒壊、倒産する可能性が高まるだろう。それこそ因果応報というべきものであろう。
世の中そう甘くない。
....
今こそ、全国各地のパート労働者諸氏、眼前にある大企業の横暴、不正義、不法行為を怒りを込めて内部告発して欲しい!
http://eritokyo.jp/independent/aoyama-col7335.html
不二家労働組合は存在します。連合・フード連合傘下です。詳しい活動は知りませんが、パート労働者の組織化など頑張っていました。ずーーーーと昔、70年代は「中核派」の影響も受け、激しく頑張っていました。
現在の組合が、自らの労働について、その社会性について、どこまで認識しているかなどは、わかりません
日本労働組合総連合会
事務局長 古賀 伸明
1月15日、洋菓子メーカーの老舗である不二家の藤井林太郎社長は、消費期限切れの牛乳などを使用した洋菓子を製造・出荷していた問題の責任を取って引責辞任を表明した。
藤井社長は1月10日に、埼玉工場で消費期限切れ牛乳使用のシュークリーム、プリン、リンゴ加工品を使ったアップルパイの製造、食品衛生法の規定の10倍、社内基準の100倍の細菌の検出などを明らかにしている。しかし、その後の社内調査で、新たに他の工場でも同様の問題が発覚したこと、消費・賞味期限切れ原料使用の商品が追加され、検出された細菌も社内基準で640倍に訂正されるなど、驚くべき事実が明らかにされた。さらに、同工場では大量のネズミが捕獲されていたといった社員の証言も報道されている。健康被害者が出ていないことは幸いである。法違反の品質・衛生管理、事実隠蔽などを行った不二家に対して強い憤りを表明する。
これらの事実が昨年11月に判明していたにも関わらず、その事実を隠蔽し洋菓子を製造・出荷していたこと、「食品衛生マニュアル」が運用段階で全く機能していなかったことなど、「組織ぐるみ」の不正な行為と言わざるを得ない。本来であれば、事実が判明した段階で公表し、製造中止、商品の回収を行うべきであった。
2000年6月の雪印乳業の食中毒の事件以降、多くの食品関連企業は、CSRの強化、食品衛生体制の確立など、国民の食に対する信頼回復に取り組んできたはずである。しかし、不二家においては雪印事件の教訓は全く生かされていなかったことになる。昔から「ペコちゃん」の愛称で知られ、子どもたちから親しまれてきたた不二家が、不正な品質・衛生管理を行っていたことに対して、あらためて抗議する。
不二家労働組合は、産業別組織であるフード連合に加盟している。フード連合として「食品の安全・安心」基本方針を策定、「食の安全・安心強化月間」を設定し職場点検活動に取り組んできたにも関わらず、労働組合としてのチェック機能が果たせなかったことは誠に残念である。
連合は、製造段階における原料の消費期限を消費者がチェックできないという問題、事故が複数県で発生した場合の迅速な検査体制のあり方など、新たな問題解決に取り組む。同時に、消費者・国民の「食の安全・安心」の確立に向け、当該組合に対しては徹底した原因究明と再発防止、連合加盟組合に対してあらためて、品質管理ルールのチェック、企業に対するCSRの強化を求めていく。
http://www.jtuc-rengo.or.jp/news/danwa/2007/20070116_1168937349.html