東京電力福島第一原子力発電所の事故調査のために来日した国際原子力機関(IAEA)の調査団の報告書の原案が31日、明らかになった。津波と地震による複合災害への対応が不十分だったことを指摘、東電をはじめ事故対応の当事者間で、責任の所在などの共通認識が欠けていると分析した。概要版が1日に公表される見通し。
調査団は5月24日から6月2日までの予定で来日。各国の原発への教訓を得るため、東日本大震災で被災した福島第一原発や第二原発、東海第二原発を視察したほか、東京電力、経済産業省、文部科学省などの関係者から聞き取り調査をした。
報告書案は、事故を時系列で整理したうえで、得られた教訓を挙げた。
福島第一原発事故の直接的な原因は地震と津波とし、電源や、炉心冷却に必要な多くの機能を失ったと指摘。東電は2002年以降、同原発の津波の想定高さを見直したが、過小評価だったと認定。過酷事故対策も、準備されていたが、複数基の事故に対処するには不十分だったとした。
教訓として、原発が水をかぶらないしくみにすることや、津波の早期警戒システムの導入をあげた。複数の原子炉や複数の場所が同時に災害に襲われても対処できるよう、十分な人的資源と装備の確保を求めた。
事故発生当初の対応については、「極限環境の中で最善を尽くした」と評価しつつも、日本の組織の複雑さは、緊急時の判断の遅れを招く可能性を指摘した。
さらに、関係機関、東電などの共通認識の欠如も指摘。例えば安全確保の責任の所在に関して、「政権が直接担うという人がいる一方で、緊急時の安全原則によれば電力会社にあるとされ、実際には発電所長が自らの責任を認識して活動した」と、聞き取り調査で受けたバラバラな印象を紹介した。
原子力安全・保安院や原子力安全委員会の役割分担の明確化が必要だとしたほか、燃料が冷却水から露出して生じた水素によって爆発が起き、事故後の対応が困難になったことから、爆発の影響を再検討し、リスクを減らす方策も求めた。
東電や政府が公表している事故収束に向けた工程表については「野心的な目標だが達成は可能」とし、達成に向けた国際協力の必要性を説いた。
報告書は、6月20~24日にウィーンで開かれる閣僚級会合で発表する
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調査団は5月24日から6月2日までの予定で来日。各国の原発への教訓を得るため、東日本大震災で被災した福島第一原発や第二原発、東海第二原発を視察したほか、東京電力、経済産業省、文部科学省などの関係者から聞き取り調査をした。
報告書案は、事故を時系列で整理したうえで、得られた教訓を挙げた。
福島第一原発事故の直接的な原因は地震と津波とし、電源や、炉心冷却に必要な多くの機能を失ったと指摘。東電は2002年以降、同原発の津波の想定高さを見直したが、過小評価だったと認定。過酷事故対策も、準備されていたが、複数基の事故に対処するには不十分だったとした。
教訓として、原発が水をかぶらないしくみにすることや、津波の早期警戒システムの導入をあげた。複数の原子炉や複数の場所が同時に災害に襲われても対処できるよう、十分な人的資源と装備の確保を求めた。
事故発生当初の対応については、「極限環境の中で最善を尽くした」と評価しつつも、日本の組織の複雑さは、緊急時の判断の遅れを招く可能性を指摘した。
さらに、関係機関、東電などの共通認識の欠如も指摘。例えば安全確保の責任の所在に関して、「政権が直接担うという人がいる一方で、緊急時の安全原則によれば電力会社にあるとされ、実際には発電所長が自らの責任を認識して活動した」と、聞き取り調査で受けたバラバラな印象を紹介した。
原子力安全・保安院や原子力安全委員会の役割分担の明確化が必要だとしたほか、燃料が冷却水から露出して生じた水素によって爆発が起き、事故後の対応が困難になったことから、爆発の影響を再検討し、リスクを減らす方策も求めた。
東電や政府が公表している事故収束に向けた工程表については「野心的な目標だが達成は可能」とし、達成に向けた国際協力の必要性を説いた。
報告書は、6月20~24日にウィーンで開かれる閣僚級会合で発表する
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