コスタリカで、劣化ウラン兵器禁止法成立(2011年4月27日)

2011-05-02 22:50:51 | 世界
 4月27日、コスタリカ議会で「ウラン兵器禁止法」
が可決されました。コスタリカ領土内における、い
わゆる劣化ウラン兵器の使用、製造、移送、売買、
貯蔵を禁ずる国内法です。(手続きとしては、この
後、大統領の署名が必要ですが、ほぼ確実と見られ
ています。)
 劣化ウラン兵器禁止法は、世界に先駆けてベル
ギーが2007年3月に可決(2009年6月に発効)していま
すが、今回のコスタリカでの禁止法可決は、ベル
ギーに続くものです。同様の法案は、ニュージーラ
ンドやアイルランドでも検討されており、国際的な
劣化ウラン兵器禁止へ向けた動きが加速化されるこ
とが期待されます。

***
 コスタリカでの劣化ウラン兵器禁止法に向けた取
り組みは、アメリカの活動家のダマシオ・ロペスさ
んとイラク戦争帰還兵のハーバート・リードさん
が、2007年3月、コスタリカを訪れ、アリエス大統領
(ノーベル平和賞受賞者)などの政治家や現地の平
和活動家などに会い、劣化ウラン兵器禁止の必要性
を訴えたことから始まりました。ロペスさんとリー
ドさんは、2006年8月のICBUW広島大会に参加して親し
くなり、一緒にコスタリカでロビー活動をすること
になりました。ロペスさんは、アメリカのニューメ
キシコ州出身ですが、劣化ウラン弾の射爆場がある
自宅周辺でのがん・先天性異常などに疑念を抱き、
1990年代から劣化ウラン兵器禁止運動に関わり始め、
2002年12月に、フォト・ジャーナリストの豊田直巳さ
んの提案で「イラクへの市民平和使節・調査団」が
組織された際にも、アメリカ人として一人参加して
くれました。そんなロペスさんですが、広島大会の
後、こう語っていました??「長いこと、劣化ウラ
ン兵器問題に関わってきたけれど、疲れてしまって
いた。でも、こんなに多くの人が集まってくれた広
島大会に参加して、もう一度、取り組んでみる気持
ちが蘇ってきた」と。
 スペイン語が話せて、コスタリカにも友人のいる
ロペスさんは、コスタリカの平和団体「ピース・セ
ンター」と協力してロビー活動を展開しました。イ
ラク戦争帰還兵のリードさんと一緒にアリエス大統
領などに直接会って、劣化ウラン兵器禁止を訴える
というアイデアは、色々な具体的成果を生み、2009年
3月にはICBUWコスタリカ大会が開催されました。ま
た、コスタリカ大会に合わせて、モラモラ議員に
よって劣化ウラン兵器禁止法案が議会に提出されま
した。その後、劣化ウランの兵器への利用を禁止す
るいくつかの法案が国会に出され、今回の禁止法採
択に至ることとなります。(関連写真をホームペー
ジにアップーーhttp://www.icbuw-hiroshima.org/)
 福島原発震災で日本は大変厳しい状況にあります
が、今回のコスタリカでの禁止法可決で、劣化ウラ
ン兵器禁止に向けた国際社会の取り組みが大きく前
進することが期待されます。

   ICBUW(ウラン兵器禁止を求める国際連合)運営委員:
      嘉指信雄、振津かつみ、森瀧春子

『ウラン兵器なき世界をめざして?ICBUWの挑戦?』(合同出版、2008)
http://icbuw-hiroshima.org/
Twitter: ICBUWJAPAN



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