駅前不動産屋今日も回りは敵だらけ

株式会社 ハウスショップ 東京都町田市

騙されるのもまた良し

2018年08月12日 | プライベート
先日朝出社すると 
 
当社が開くのを待ってやってきたお客様がいます。 
 
理由は緊急事態が起こったからです。 
 
具体的には大金を預けてある預金通帳と印鑑を 
 
父親がある建設業者の社員に預けたそうで 
 
そんな事が普通に起こるのか? 
 
って息子さんが心配になり相談に来た訳です。 
 
もちろん通常はそんな事はあり得ませんが 
 
しかしこの方のご家族 
 
今まで色々とやりとりをしてきましたが 
 
残念ながら大金を失う 
 
そんな道に進む可能性が高いですね。 
 
理由は 
 
振り込め詐欺と一緒です。 
 
詐欺の被害者は 
 
周りがそれを疑い止めようとしても 
 
本人が言うことを聞かずに詐欺師に言われたまま振り込む 
 
そんな事がよくあるそうです。 
 
つまり 
 
認知能力が劣れば 
 
例え詐欺に遭う事が分かって 
 
周りが止めようとしても 
 
本人が言うことを聞かない 
 
そんな事が起こるのです。 
 
このお客様の場合は 
 
今回の件以外でも 
 
散々餌食になっていますが 
 
いかんせんご本人が被害を受けたと思ってませんから 
 
どうにもしようがないのです。 
 
一番良いのは家庭裁判所に申し出て後見人を立てる事ですが 
 
まぁまだご家族もそこまでの覚悟が出来てないようですから 
 
しばらくは様子を見るしかありませんね。 
 
もしかしたら 
 
そっくり財産を失う事になるのかも知れませんが 
 
いずれにしても私たちは救いようがありません 
 
天は自ら助ける者を助ける 
 
って訳です。 
 
本人が求めないのに周りはどうする事もできません。 
 
昔からお金を騙し取られたり 
 
知合いの借金の担保で不動産を取られたり 
 
なんて話しはたくさん耳にしますが 
 
被害の話しを聞くと 
 
信用して通帳と印鑑を渡してしまったとか 
 
あるいは 
 
信用して実印と印鑑証明を渡した 
 
なんて話しが出ます。 
 
まぁ不動産の仕事をすれば 
 
通帳と印鑑を貸してくれ 
 
なんて言う人は一番信用できない人だって分かりますが 
 
ども一般の人の中には 
 
まだそんな単純な話しが理解できない人 
 
まだたまにいるんですよね。 
 
お気の毒ですが 
 
社会勉強が足りない故の悲劇 
 
そう思います。 
 
ただそんな被害者の方達をただ愚かだと責める気になれないのは 
 
私の先祖が 
 
友人に言われるまま書類にはんこを押してしまい 
 
私の父までの三世代に渡って 
 
借金返済で苦しんだ 
 
そんな話しがあるからです。 
 
私の曾祖父は学校に行っておらず 
 
字が読めないために 
 
友人の言われるまま書類にハンコを押し 
 
保証人になってしまった訳です。 
 
ですから 
 
亡くなる前には子孫には学問をさせて 
 
そんな思いをしないように 
 
っていつも言ってたそうです。 
 
まぁしかし 
 
この曾祖父の失敗 
 
実は私たちは大きな収穫がありました。 
 
それは 
 
私たち被害者と加害者 
 
その末路が大きく違ったのです。 
 
今加害者の家は一家離散して 
 
屋敷は荒れ放題 
 
その行方は誰も知れません 
 
一方私の家は被害者ですが 
 
この少子化の中 
 
たくさんの子供達に恵まれ 
 
村では一番の繁栄を誇っています。 
 
これを目にしていますので 
 
人に騙される事はあっても 
 
絶対に騙してはならない 
 
これが私たちの一族には 
 
しっかりその意識が根付いてる訳です。 
 
私が欲が渦巻く不動産業界の中でも 
 
ブレずに零細企業に甘んじてるのも 
 
突き詰めれば 
 
曾祖父の苦難 
 
そこに行き着く訳です。 
 
騙される事もまた良し 
 
そう心でつぶやいて 
 
救いようのないお客様には自分なりに納得して深入りしない事にしています。 
 
 
このブログは事前投稿ですが 
 
今日は私の実家に甥や姪がたくさん集まる予定です。 
 
今村で一番栄えてる私の家 
 
大変誇りです。 
 
騙された先祖の苦しみは 
 
私達には大変な恩恵をもたらしてくれた 
 
実感として分かります。 
 
 
コメント
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