学ぶ喜びを生きる力に☆奥田塾

三重県桑名市にある小さな英語塾・奥田塾のブログです。テーマは、学ぶ!楽しむ!分かち合う!

読書感想文 (2)

2015年08月02日 | 日々の雑感
(「読書感想文(1)」より続く)

僕が中学校に勤務していた頃の、夏休み直前の教室でのやり取りです。

「確認するぞ~。宿題は5教科のサマーワーク、それと理科の自由研究、国語の読書感想文…」
「センセ~、俺、本読むの嫌いやし、感想文なんか書けへん!」
「何でもええから原稿用紙3枚、とにかく埋めてこい!」

これじゃあ全然ダメですよね。
せめて、こんなふうに伝えるべきだったかな。

「一番好きな場面や一番印象に残った場面について、なぜ好きなのか、どういうところが印象に残ったのかを書けばいいんだよ。原稿用紙1枚でもいいし、たくさん書きたい人は5枚書いてもOK!」
(「原稿用紙1枚だけ書けばいいんだ」と思うことで、心理的な圧迫感がかなり軽減され、前向きな気持ちで取り組めるようになるのでは?)

「どうしてもうまく書けない人は、自分が一番気に入った場面、一番感動した場面の文章を丸ごと写してくるだけでもいいよ。」
「感想は書かなくてもいい。その代わりに、登場人物のセリフの中から、『これ、カッコいいなあ』『この言葉、すごく素敵!』と思うものを書き出してみよう。」
(「理由はよくわからないけど、私はこれが好き!」と言えるだけでも立派な自己表現。十分評価に値することだと思います。)

想像力が豊かな子もいれば、そうでない子もいる。
感受性が豊かな子もいれば、そうでない子もいる。
日本語の理解力が優れている子もいれば、そうでない子もいる。
自分の気持ちを言葉で的確に表現できる子もいれば、それが不得意な子もいる。

それにもかかわらず、一律「原稿用紙3枚!」では、どう考えても無理があります。

本を読み、感想文を書くという行為は、他者の気持ちを汲み取ったり、自分の気持ちを正確に伝えたりするための基礎トレーニングです。
このまま教育の現場から消えてしまうのは悲しいし、あまりにももったいない。
これまでの読書感想文の形を見直し、思い切った改良を加えた上で、遺すことはできないのかなあ…。
いや、きっとできる。
この素晴らしい文化を、何としても後世に伝えていかなきゃ。 (^^)/
コメント
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