学ぶ喜びを生きる力に☆奥田塾

三重県桑名市にある小さな英語塾・奥田塾のブログです。テーマは、学ぶ!楽しむ!分かち合う!

「熟字訓」で遊ぼう!

2017年04月24日 | 日本語教師
梅雨(つゆ)、明日(あす、あした)、大人(おとな)、土産(みやげ)、貴方(あなた)・・・

こういうのを「熟字訓(じゅくじくん)」と呼ぶんですね~。
2字以上の漢字からなる熟字全体に一つの訓読みを当てたことばです。
「日本語教師養成講座」の「日本語史」という科目で習いました。
鎌倉・室町時代頃から使われるようになったらしいです。

「熟字訓」、僕は好きです。
「梅雨(ばいう)前線」と聞くと、「ジメジメして嫌やなあ」となりますが、「梅雨(つゆ)の雨空」と言われると、「雨の日もなかなかええやん!」という気分になります。
「明日」という字は、「みょうにち」ではなく、「あす」や「あした」と読んだほうが、未来への希望が湧いてくるような気がしませんか?
他にもいろいろあります。

今日(きょう)、昨日(きのう)、晦日(みそか)、五月雨(さみだれ)、時雨(しぐれ)、二十歳(はたち)、雪崩(なだれ)、流石(さすが)、紫陽花(あじさい)、向日葵(ひまわり)、浴衣(ゆかた)、胡坐(あぐら)、小豆(あずき)、田舎(いなか) などなど。

例文を作ってみました。

向日葵の柄の浴衣を着て、小豆アイスを頬張る二十歳の君。
かすかに聞こえる蝉時雨
今日はなぜか君が少し大人っぽく見える。

う~ん、イマイチ。(^^;)

では、ここでクイズです。
これ、何と読むかわかりますか? → 「心太」
僕は今回初めて知りました。
(答えはこの記事の一番最後にあります。)


言葉の魔術師・まっさん(さだまさし)の曲のタイトルにも「熟字訓」がいっぱい使われていますよ。

『案山子(かかし)』
『秋桜(コスモス)』
『防人(さきもり)の詩』
『黄昏(たそがれ)迄』
『胡桃(くるみ)の日』
『女郎花(おみなえし)』

「熟字訓」の発展形(!?)とも言える、外来語の読みを当てたものもいくつかあります。

『交響楽(シンフォニー)』
『夜想曲(ノクターン)』
『歳時記(ダイアリィ)』
『療養所(サナトリウム)』
『極光(オーロラ)』
『長崎小夜曲(ナガサキ・シティ・セレナーデ)』

これからは「熟字訓の神様・さだまさし様」と呼ばなきゃ。
(さだまさし関連の記事はコチラ → 「さだまさし『風見鶏』」)

「時間」や「瞬間」と書いて「とき」と読ませるパターンも、歌詞などでよく見られますよね。
これも一種の「熟字訓」と言えるのかな。
実は僕も、「ありがとうを君に」の中で使っています。(*^^*)

外国語の勉強も楽しいけれど、こうやって日本語で遊ぶのも楽しい!!

「こんな素敵な熟字訓もありますよ~」という方がいらっしゃったら、ぜひ教えてください!!

*  *  *  *  *

クイズの答え:
「心太」は「ところてん」と読みます。
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