窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

2012年8月アクセスランキング

2012年09月03日 | 人気記事ランキング
  2012年8月にアクセスの多かった記事、ベスト10です。

  今回は、当社で訪問させていただいた、フィリピンのバルナバ・クリニックとウィッシュ・ハウス、この2つの記事にアクセスが集中しました。その間に入った、「バランタイン17年・スキャパエディション」は限定物のウィスキーだけにさすがといったところです。

  そのようなわけで、毎回トップ3に入っているYMSは今回4位。意外にも太極拳の暑気払いのご報告も100PVに達し5位に入りました。

  9位の「エコノミーとエコロジーの語源」は、コンスタントにアクセスのある記事ですが、ローカルな話題である「富岡(横浜市金沢区)史跡探訪①」が今回もランクインした(8位)のは少し驚きました。

1 ウィッシュ・ハウスを訪問してきました
2 バランタイン17年・スキャパエディション(Ballantine's 17yrs Scapa Edition)
3 バルナバ・クリニックを訪問してきました
4 第24回YMSを開催しました
5 太極拳の暑気払いに行ってきました
6 2012年7月アクセスランキング
7 交渉アナリスト燮会(やわらぎかい)でお話させていただきました
8 富岡(横浜市金沢区)史跡探訪①
9 エコノミーとエコロジーの語源
10 キックオフミーティング2012を開催しました

  9月に入りましたが、今週も暑い日が続くようです。体調に留意して、どうぞ健やかにお過ごしください!

  繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
  ブログをご覧いただいたすべての皆様に感謝を込めて。

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筆跡心理学(グラフォロジー)について①

2012年09月02日 | 筆跡心理関係


  筆跡心理学とはグラフォロジー(Graphology)の訳で、筆跡を分析し書き手の性格との関連を研究する学問です。フランス、ドイツ、イタリアなど、大陸系のヨーロッパでは筆跡心理学が大変盛んであり、特にフランスでは「筆跡診断士」という国家資格まであり、企業の採用にも筆跡心理が導入されているそうです。

  僕が筆跡心理学を知ったのは、たまたま観ていたDVDの中で「グラフォロジー」という耳慣れない言葉が出てきたのが切欠で、試しにどんなものだろうかとプロの先生の診断を受けてみました。すると、会った事もないのにわずかな僕の筆跡だけを頼りに、自分しか知らないと思っていた深層心理まで生き生きと描き出されたレポートが届いたのです。これには本当に驚きました。

Handwriting Analysis: Putting It to Work for You
クリエーター情報なし
McGraw-Hill


  私たちは何かを書くとき、何について書くかは意識していても、どのような形の文字で書くかについては普通意識することなく、何気なく書いています。人間の行動は意識的な判断だけでなく、深層心理に刻まれたその人のもつ性格からの影響も強く受けています。「書く」という行為も人間の行動の一つですから、そこには書き手の性格がかなりの程度反映されていると考えることができます。

  具体的な分析は、ここでご紹介する手法の場合、統計的に相関関係があると判断される約70種類の筆跡特徴と性格特徴に基づき、書き手の性格を診断するという方法で行われます。これを筆跡診断と呼んでいます。筆跡特徴に関連付けられた性格特徴だけをひとつひとつ採り上げると、確かに単純化のし過ぎではないかと初めは思ってしまうのですが、これが複数組み合わさると、書き手の人物像が立体的に、生き生きと描き出されてくるのです。

  筆跡には書き手の性格が反映されるということについて、ここで例をひとつ挙げてみたいと思います。先日僕はある会社で採用面接を予定している女性2名について、筆跡診断を行いました。実はこういうケースでは意識的に丁寧に書く傾向があるので、通常の場合より性格傾向が反映されにくいという点を考慮しなければならないのですが、大まかに以下のような診断結果となりました。

①26歳女性

  考え方や行動が生真面目で正確さを好みます。反面、融通性に欠けるところもあると言えます。性格は大人で、控えめながらも人付き合いはできる方です。やや平凡では満足できない性格が伺えますが、恐らくそれは仕事をきちんとやり遂げようという方向に向くのではないかと思われます。生真面目すぎる性格のため、何かする前に考えすぎてしまうということがありそうです。

②18歳女性

  控えめな性格。考え方は真面目ですが、行動は多少融通が利く方です。大胆なところもあり、時に気分に左右される傾向も見られます。現在、多少気持ちにプレッシャーを感じているようにも見受けられます。

  さて、この診断を行った4日後、この内のひとりの方が「やったことのない業務なので不安を感じる」という理由で面接辞退を申し入れてきたそうです。それはどちらの方だと思われるでしょうか?

  答えは①の女性です。まさに「生真面目すぎる性格のため、何かする前に考えすぎてしまうということがありそう」という診断結果の通りの行動が4日後に現れてしまったのです。この事例から、筆跡には書き手の性格が反映されるということが、少しお分かりいただけたのではないかと思います。

<つづく>

  繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした

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第7回燮(やわらぎ)会に参加しました

2012年09月01日 | 交渉アナリスト関係


  9月1日、日本交渉協会の第7回燮(やわらぎ)会に参加しました。今回は、国際基督教大学(ICU)名誉教授、わが国における交渉学の創成者であり、日本交渉協会の設立者でもある、藤田忠先生を囲んでの懇談会でした。

  前半部は、藤田先生より日本に交渉学を紹介するまでの経緯や、エドウィン・O・ライシャワー博士(元駐日大使)との親交、そして「ライシャワー・アカデミー」設立構想に関するお話を伺いました。

  藤田先生は1931年生まれ。元々は一橋大学で意思決定論を専攻されていました。同大学院時代の指導教授が国際基督教大学の学長に就任したのが切欠で、同大学の教授に就任。その時、ライシャワー博士と親交のあった武田教授の勧めもあり、博士が所長を務めるハーバード燕京研究所の研究員となりました。最初は意思決定論の研究で渡米されたわけですが、同研究所の指導教授が交渉学という当時全く耳慣れない学問の研究をはじめ、それが交渉学との出会いとなりました。

  当時から日本人の交渉下手(必ずしも交渉下手ということではないのでしょうが、異文化の交渉スタイルに対する認識が低すぎるということなのでしょう)を感じておられた藤田先生は、交渉学の日本における普及の重要性を痛感され、専攻を転向してまで交渉学を研究。帰国した1975年、日本で初めてハーバード流交渉術を紹介されました。今やビジネス・スクールで必修となっている交渉学も当時は全く理解されず、読心術のようなものと誤解されることもあったようです。

  その後、日本交渉学会を設立。さらに教育機関として日本交渉協会を設立されました。設立にあたり、ライシャワー博士に名誉会長就任を快諾していただきました。因みに、燮会の「燮」とは、対立を話し合い、すなわち交渉によって和らげるという交渉学の理念を表しています。

  そのライシャワー博士ですが、元駐日大使として、敗戦後の日本の国体維持や現在に列なる日米関係の礎を築くなど、わが国に計り知れない貢献をされた方です。1989年に北海道で行われた学会の帰り、藤田先生はライシャワー博士にホテルに呼ばれました。その時、『地球社会の教育』という本をいただくと共に、その本にサインをいただいたそうです。そのサインには、博士の署名に加え「藤田忠 共同の理念のための活動家」というメッセージが添えてありました。その翌年、博士は79歳でご逝去されました。『ライシャワー自伝』を読むと分かりますが、ハーバード流交渉術のロールモデルでもあられた博士の意思を後世に継いで行くため、博士の名を冠した人材育成機関が必要であると藤田先生は感じ、それが今回の「ライシャワー・アカデミー」設立構想に繋がったということです。

ライシャワー自伝
エドウィン・O. ライシャワー
文藝春秋




  ご講演が終わり、後半は先生を囲んでの懇親会となりました。先生は、ライシャワー博士より「日本人は隣にいる人と話をしない。それによって失われる情報は非常に多い」と言われたことがあるそうです。それがあってか、先生は電車の中で隣に座った方によく声を掛けられるそうで、「ライシャワー・アカデミー」の発起人に名を連ねておられる錚々たる方々の中には、そうして偶然知り合った方もおられます。齢80を重ねられ、なお意気盛んな先生を拝見し、まだまだ修行はこれからであると感じた次第です。

  繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした

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