窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

「リサイクル」は免罪符か?

2008年03月20日 | リサイクル(しごと)の話
先日たまたま映っていたテレビで、芸人さんの持っている洋服を周りの出演者が批評し、これは駄目というものはポリバケツに放り込むというバラエティ番組が目に止まりました。古着のリサイクルに携わっている者としては見ていてあまり気分の良いものではありませんでしたが、ポリバケツに放り込んだ洋服は「リサイクル」と表示されていたところを見ると制作側にも幾許かの贖罪意識があったということでしょうか。

 ふと思いましたのは、「リサイクル」するのであれば洋服をポリバケツに放り込むという行為も果たして善行に変わるのか、ということです。人の行いは結果と同時にその動機も大切だと思います。当社にも毎日沢山の古着が送られてきますが、丁寧に箱詰めされている上に、その洋服にまつわる思いの丈をつづったお手紙を同封してくださる方は決して珍しくありません。そういう方々が思い出の詰まった洋服を断腸の思いでリサイクルに出されるという気持ちと洋服がダサいという理由でいとも簡単にゴミ箱に放り込める、またその様子をみて笑えるという感覚が結果「リサイクル」するのだから同じであると言えるでしょうか。

 同じテレビ番組でも数年前、当社のリサイクルが取り上げられた時に、番組に出演していた有名な俳優さんが後日「自分の衣装を捨てるに忍びないので是非リサイクルして欲しい」ということで実に丁寧に梱包された箱を送られてきたことがありました。
 その方は芸能界でも恐らく尊敬を集めているベテランの俳優さんだと思いますが、そうした行いが立派だと思えるのはやはり「リサイクル」に出したという結果ではなく、その動機ゆえなのです。

  繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした

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