6月25日のお昼は、近江商人屋敷を改装したお蕎麦屋さん、日野守貞へ行ってきました。日野は、蒲生家の転封後、まずは日野椀、そして後に薬の行商で栄えた日野商人の町。
こちらは明治時代の呉服商の屋敷を改装したお店。訪れたそば処の他、ギャラリーやカフェなどもあります。
店内2階には、「福地興兵衛(商店)」の看板がありますが、福地興兵衛は現在も日野に「福地製薬株式会社」として残っており、同社HPによると、昭和17年に「福地與兵衛(商店)の名称の下で、樺太・台湾・朝鮮・満州に対し直接輸出を行う」とあります。
内装はラジオ、蓄音機などのアンティークがあり、大正末期から昭和初期の雰囲気です。以前ご紹介した、同じく古い邸宅を改装したお店「膳處漢ぽっちり」より、和のテイストが強いです。入口の際には五右衛門風呂もありました。業務で使われている電話も昔ながらのベルが鳴る黒電話で、雰囲気を大切にされています。
さて、本当は冒頭の写真のひめいなりと天ぷら、蕎麦がセットになった「ひめ御膳」が目当てだったのですが、この日は朝から胃の調子が悪く、とても天ぷらは食べられなかったので、爽やかな酢橘そばにしました。お店で手打ちされた非常に細切りの蕎麦は固めに茹でてあり、それが冷たい蕎麦にしたためにさらに締まっています。のど越しが良く、とても美味しいです。量は少なめ。
次回はぜひ「ひめ御膳」を。そして、もう少しゆっくり見物しようと思います。
石挽そば 守貞
滋賀県蒲生郡日野町村井1365
繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした