21時38分、ゲームセット。両軍合わせて17四球、23残塁。蒸し暑い中の何とも間延びした試合が終わりました。駆け付けた観衆は公式発表で30,733人。ビールの売り子さんだけは実に忙しい夜となったのではないでしょうか?
8月4日、首位広島を迎えた神宮球場での試合。ヤクルトの先発は、先日7月24日の中日戦で実に1,786日ぶりの勝利を挙げた由規投手。立ち上がりは三番丸選手に四球を与えたものの、まず順調でした。
一方、広島の先発は福井投手。こちらは一番大引選手、二番坂口選手に連続四球を与え、いきなり無死二塁・一塁のピンチを迎えてしまいます。幸い、後続を討ち取り無失点で切り抜けたものの、思えばこれが両投手大乱調の引き金だったように思います。
二回表になると、由規投手も二死から連続四球を与え、自らピンチを招きます。下位打線だったのが幸いし無失点で抑えたものの、二回にして早くも両軍5四球。
試合が動いたのは二回裏。センターに上がった先頭打者西田選手の打球は、思いのほか伸びてバックスクリーン左フェンスぎりぎりに。エラーこそつかなかったものの、これをセンター丸選手が捕球できず。さらに打球処理をもたつく間、西田選手は三塁に到達します。
そして続く西浦選手がきっちりとライトへ犠牲フライ。ヤクルトが先制します。
この試合、三者凡退で終わったのは三回表広島の攻撃のわずか1回のみ。四回表、広島ルナ選手の二塁打の後、二死から鈴木選手、松山選手の連続四球で満塁のチャンスを作ります。しかし2回表に続き、ここも會澤選手が倒れ得点ならず。
四回裏。今度はヤクルトが二死から西浦選手が四球、山崎選手は敬遠気味の四球で二塁・一塁のチャンス。さらに由規投手までがピッチャー強襲の内野安打で出塁。絶好のチャンスでしたが、大引選手がキャッチャーフライに倒れ、ヤクルトも追加点ならず。
五回。広島先発福井投手の投球数が早くも100球に達します。一方、ヤクルト先発由規投手も5イニングを投げた時点で98球という球数の多さ。試合も5回裏で早くも2時間を超えました。
五回裏。ヤクルトは今浪選手の二塁打、そしてまたしても山田選手、西田選手が四球で出塁し二死満塁とします。そして西浦選手がライト前へヒットを放ち、ヤクルトもようやく追加点。0vs2。
広島も六回表、四球と暴投などで二死三塁・一塁のチャンスを作りましたが、得点できず。
六回裏。広島は福井投手に代わり、二番手薮田投手が登板。
しかし投手のリズムというものは伝染するものなのでしょうか。ここまで打率二位、本塁打数二位、打点一位の四番山田選手を前にし、最も走者をためてはいけない場面で薮田投手も四球を連発。無死二塁・一塁で迎えた山田選手の打球は、センターフライかと思われましたが、狭い神宮球場の右中間フェンスを越える第32号の3ランホームラン。
たまたま両軍の拙攻に助けられていただけで、無駄な四球が得点に結びつくという典型的なパターン。この日の広島打線の調子から考えると致命的な追加点でした。これで0vs5。
広島ようやくの反撃は七回表。打線の関係があったとはいえ、病み上がりの由規投手になぜ120球も投げさせたのかという疑問は残るのですが、この回から登板した二番手成瀬投手から、菊池選手が内野安打、そしてルナ選手がタイムリーヒットを放ち、ようやく1点を返します。
そして九回表。先頭の菊池選手がヤクルトの五番手秋吉投手からレフトへのホームランを放ちますが、反撃もここまで。
由規投手は6回で120球、7四球とお世辞にも良いとは言い難い内容でしたが、結果的には被安打3、無失点。前回に続く2勝目で、神宮球場では実に1,797日ぶりに勝ち星を挙げました。
裏を返せば、敗れた首位広島は乱調のヤクルト投手陣を捉えられず、また敵失で得た再三の好機も活かせず。単純に先発投手の不調というだけでは片づけられない内容でした。最大11あった2位とのゲーム差はこれで6.5。2位巨人は目下五連勝中と調子を上げているだけに、5日からの直接対決が今後を占う大きな山場となりそうです。
繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした