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毎度ご乗車ありがとうございます。

福山~大三島~松山~宇和島~宿毛~高知~徳島バス乗り継ぎ

2017年11月05日 | Weblog

広島方面の夜行バスは、軒並み東京エリアの出発時間が20時~21時台と、月初の繁忙期では間に合わないリスクが高かったため、岡山行きを選択。
京浜吉備ドリーム号はYCAT22:40発だから、仕事終わりでも余裕。新高速とは違い、直接乗り場に行ける分、事前の集合時間が省け、利便性は高い。22:30すぎに乗り場に行くとすでに入線済み、改札中であった。
10数年前と変わらぬ乗り場スタッフに見送られながら、定刻通り出発。
翌朝7:20には岡山駅、到着も定刻通りであった。ちょうど首都圏を出てきた小田急や東北急行バス等も到着しており、関西方面の昼行出発便と併せ、乗り場には数多くのバスでにぎわっていた。

ここから福山までは普通電車で約1時間。バス車内で熟睡しており、まったく眠くない。早く着かないかなーっとLINEをしながらやり過ごす。

福山駅には9時頃到着。10時発の今治行きまでゆっくり朝食でも、と思いながらふとバスロータリーに目をやると、我が目を疑った。富士重工日産ディーゼルの5E車両が止まっているではないか。まさかのまさか。鞆鉄道、古い車両をたくさん走らせているのは周知の事実であるも、こんな車両を走らせているなんて。地元を走っていたのは20年以上も前だろうか。
予定では10時発今治行き。しかし、目の前の5E、ここで乗らないとおそらく一生乗れない。しかししかし、くるくる回って出てきた方向幕の行き先は「常石」。これが「鞆の浦」、とかであれば観光地路線で20分間隔、飛び乗っても折り返し福山駅まで戻ることは難しくない。一方の常石は1日数本のローカル路線であり、一体どこへ行くか皆目見当つかず。しかししかししかし、一生の後悔はできない。文明の利器、Googleを駆使したところ、途中バス停「瀬戸川住宅」までであれば、別系統の折り返しで駅まで戻ってこれそう。
予定変更。9:25発の常石行き乗客の仲間入り。うわ、床が木だし、走り始めたこの力強い高音のエンジン・・・自分が小学生の時に乗っていたあの頃と何にも変わっていない!感動。非常に感動。ああ、感動。泣けるくらい。坂道もなんのその、経年車であることはまったく感じさせない。すごい。瀬戸川住宅までの20分間、夢でも見ているかのような素晴らしい時間であった。途中下車しないといけないのが心苦しい。走り去る後ろ姿をみて、今この世の終わりが来ても、私は素直に受け入れられる、と真に思えてしまった。本来であれば予備車的な扱いだろう。本数の少ない祝日ダイヤで運行されていたのは、奇跡に近い。出会えたこの奇跡に心の底から感謝した。

折り返し福山まで戻り、1本遅らせ11:05発の今治行きに乗車。30名以上の乗客を吸い込んだせとうちバスは定刻通りに出発、しまなみ海道を順調に走っていく。快晴で景色が素晴らしく、穏やかな瀬戸内海を堪能。瀬戸の花嫁、が自然と頭の中を流れる。今治までは乗らず、12時過ぎに途中大三島バスストップで途中下車。

10分経たず、次の12:12発松山市行きせとうちバスがやってきた。各島に寄りながら、今治を経由して松山市内へ。今治からは山道を丁寧に走っていく。これまた終点までは乗らず、14:10、途中の道後温泉で下車。
道後温泉には目もくれず、少し歩いて宇和島自動車の待合所へ。

トイレに寄って、14:30に宇和島経由城辺行きバスに乗車。予め運転手に城辺まで乗り通すことを伝え、3:30も乗車する変な客がいることを知っておいてもらう。「30分遅れることはないから、宿毛行きには乗り継げるはず」と運転士。実際、宇和島は5分遅れでの到着。松山市内は交通量が多く、途中10分遅れとの案内があったが巻き返した。今どきでは珍しく、道をふさぐ一般車にクラクションでどかし、高速道路上では追い越し車線を快走、接客はこれが神奈中であれば即本社へメールで苦情行きのレベル、すさまじかった。私には優しく「5分遅れですみました」と言い残しどこかへ去って行った。

交替した運転士とともに16:45定刻に宇和島を出発、途中学生を乗せながら城辺へ。終点の城辺はまだ18時だというのに人がほとんど歩いておらず、こんなところで生活するってどういうことになるんだろう、と普段のアーバンライフからはかけ離れた生活は想像を絶っした世界であった。一か所だけ明るい場所が。煌々と光る灯篭が、階段を照らしている。おや、何だろうと思って登って行ったら神社であった。

18:36、城辺から宿毛行き最終便が宇和島からやってきた。宿毛は高知県であるが、愛媛県宇和島から県をまたがる一般路線は珍しい。今回の旅行のハイライトの一つである。と言っても、毎日運行されている路線、いつ県を超えたか全くわからないまま、19:07無事に宿毛駅に到着した。

宿毛駅周辺はコンビニやドラッグストア、飲食店が少しあり、先ほどの城辺とは違い少しは開けた街。しかし夜に主だった見どころはなく、20:30発大阪行き近鉄バスを見送った後はすぐにホテルに入り23時には就寝。

翌朝は5:10に起きて5:40にはチェックアウト。本日の第一走者は宿毛駅6:10発高知駅行き。この路線を知ったことが、今回の旅行のきっかけであった。県内を4時間以上、しかもそのほとんどを一般道で駆け抜ける路線。さらには夜行便でも対応可能な3列シート車で。うーん、乗ってみるしかないかな、と。宿毛と言えば、そういえば宇和島から路線が伸びていた。宇和島と言えば松山から宇和島自動車。松山と言えば大三島行きせとうちバス三菱SHD…という具合に私の頭の中ですべてが一本につながり、福山からのバス旅が始まったわけなのだ。
乗車券を渡すと、しゃがみこんでバスのヘッドライトで内容を確認する運転士。まだ日の出前であたりは暗い。「中村までは一人ですよ」と教えてくれた。2時間、3列シートのバスを独り占め。中村エリアで4名の追加客があったが、わずか5名で高知駅へ向かうことに。トイレがあるバス停に着くごとに「大丈夫?」と声をかけてくれた運転士は途中で交替し、別の運転士が高知駅まで案内してくれた。

高知駅には定刻通り10:35着。16時発の徳島行きバスまではまだ時間があるが、全く予定はなし。さてどうしようか、と考えるまでもなく、私の目はすでにロータリーに停車中の高知駅前観光バスの車両を追っていた。これまたまさか、まだこんな車両を使っていたのか。数年前高知を訪れた際に空港で観たものの、もう帰りの時間で乗れなかった車両。あまりにも恨めしそうに見ていたのがばれたか、近くにいた運転士が「ディーゼルエンジンだから、まだまだ走るよ」と教えてくれたのが現実となって今日という日を迎えたのだ。まだ空港線リムジンとして使われていたので、飛行機には乗らないが、空港に行くことに。高速道路も元気にしっかり走り、確かに「まだまだ」走りそうである。
ちょうど出発も到着もない空港は閑散としており、すぐに市内へ引き返す。はりまや橋で下車し、近くのこココイチでカレーを食べ、ぎりぎり桂浜行きバスに飛び乗る。
一応観光をしておこうと思って。という気持ちもあったが、狙いは観光周遊バス「MY遊バス」やはりいた、桂浜に。14:30発の日野レインボー、これまた床が木の古い車両。この旅、ラッキーすぎる。地元神奈中ではこの車種は走っていなかったので懐かしさは感じさせないものの、擦り切れた固い椅子に揺られながら高知駅までの1時間はあっという間であった。

16時発の徳島行きはすでにロータリーに待機しており、定刻通り出発。はりまや橋、一宮バスターミナルで乗車扱いをして20名弱で徳島へ。途中の高速道路上の停留所でもちらほら下車していく。徳島駅には17:50着。もはや3時間弱の乗車だと短すぎて乗った気がしない。

繁華街をうろつき、駅前の日帰り温泉に浸かっていたら、もう帰る時間。ラストランナーは22時発品川行きエディ号。21:30発は京急担当だが、こちらは徳島バス担当。20名弱の乗車は海部観光等の新高速の影響だろうか。途中淡路PAで休憩。神戸市街の夜景を観れたが、久々の都市部の明るさに、不思議と胸が躍った。さて帰ろう。そう決め込み、目を閉じると、途中ほぼ熟睡。品川には6:35、30分弱の早着であった。

正直、期待以上であった。どの路線もはずれがなく、バスの時間を楽しめた。しかし、これらの車両・路線も未来永劫ずっと続くわけではない。常にリスクと隣り合わせ、バスを楽しむのも楽ではないのだな。


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