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今回の北京行きの目的は
<孫文と梅屋庄吉>という演劇の
中国公演の実行委員を引き受けたからだった。
中国公演は
北京・上海・南京の3都市で行われる。
当然、各地に赴くべきなのだが
何しろ私には
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そんなに長く家を空けることは、出来ない。
よって、北京の初日に
日中両国の大使館はじめ、文化関係の要人に
ご挨拶をしに行ったのだった。
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北京では、この”長安大劇院”で
行われた。
京劇の舞台が多いこの劇場。
東京公演が行われた
紀伊国屋ホールよりも大きな立派なホール。
宿泊先のグランド・ハイアットからも
大通りを20分ほど歩いた距離にある。
中国で演劇を公演するにあたっては、
台本のチェックなどがあり
監督官庁から許可が下りないと
公演のチケットすら印刷が出来ない。
今回は、中国の”国父 孫文”を
日本人が描き、演劇に仕上げたものを
本国で上演、ということなので
かなり慎重に審査が行われたのか
許可がなかなか下りなかった。
なんと、北京公演の最終許可が下りたのが
初日の1週間前
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でも、”やるんだ”という
脚本・演出・劇団代表のシナガワさんの
強い思いと
中国で舞台を踏もうとする俳優さんたちの
熱い思いが
大きな劇場まで、届いたのだ
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まだ、静まりかえっている、客席
客席の、前の部分の机付きの席、
気になりませんか?
なんと、ここはいわゆる”S席”なのだけれど
着席すると・・・
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テーブルの上に、月餅などの
中国菓子がたっぷり盛られたお皿と
温かい中国茶がサービスされるのだ
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これは、なんと優雅な
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/ee_2.gif)
舞台の袖には、早代わりの衣装が
用意されていて・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/2b/f52b39583ea1655994685fb00ec62615.jpg)
すっかり舞台関係者の皆と仲良くなった私は
舞台裏や楽屋をうろうろして
役者さんとお話したり、お茶を飲んだり。
北京公演の初日だというのに
とってもリラックスして普段とかわらない
おしゃべりをする役者さんもいれば、
舞台で一人で、練習をする役者さん、
誰もいない客席をランニングしながら
台詞を復唱する役者さん、
舞台の袖で、”大”の字で寝ている役者さん・・・
みんな、それぞれの想いを高める時間が
過ぎると、いよいよ・・・。
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この演劇は辛亥革命を起こした
孫文を物心両面で支え続けた
日本ではじめて映画興行をした日活の創業者の一人、
梅屋庄吉と孫文の友情の物語。
歴史的な固いテーマなので
東京公演では殆ど、年配の観客が多かった。
・・・が、北京はというと・・・
驚いたことに
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学生やら、若い20代~くらいの観客が
どどっと客席に並ぶ。
これは、とっても興味深いことだったし
ある意味、私の目的に叶うものであった。
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日本と中国の長い長い歴史の中で
とにかく”不幸な時代”ばかりが
話題となるけれど
志を同じくして、海を越え
長年続いた王朝をも覆すほどの
友情をわかちあっていたという歴史の
事実もまた、両国にはある。
そのことを、私は
日本人であるみんなにも、
そして
中国の人々にも知ってもらい、
歴史を語る時に
一方向からではなく
他方向からも見てほしいと思っているので、ある。
特に、中国の
若い世代の人たちが興味を抱いてくれたことに、
胸が熱くなるのだった
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中国人の役者さんのやりとりは
中国語で。
日本語の部分は、大きなテレビスクリーンで
字幕が出る。
日本人でも中国の人物の役柄の
クシマさんは、
長い台詞をなんと中国語で話し始めた!
これには、
長い長い台詞が終わった後、
観客から大拍手
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ドキュメンタリーではないので
途中、タップダンスあり、おふざけもあり
なのだが、どうやら中国の方にも
熱いものは伝わったらしい。
中国在住が長い方から
”今まで色々な演劇を見たけれど
中国の方があんなに拍手したのを
見たのははじめてだった。”
と言ってくれた。
私のココロの中で
大きな感謝があふれてくるのを感じる
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kirakira.gif)
関係者の皆様への挨拶の
しめくくりは、私の番だった。
”ありがとうございます・・・
謝謝(シェイシェイ)”
この言葉を言い切って、
北京公演の初日は、終わった。
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