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せろふえ

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あるかしら書店 ヨシタケシンスケ

2022年10月29日 | 
 ヨシタケシンスケはいつもちょっとおもしろい。僕にはない発想なのかも知れず、いや、おもしろいとは思うけれど、ぜんぜん思いつきそうもないことではない、読者の脳のはじっこくらいにはあることを表現しているのかも知れないと思う。
 これは著者が「本が好きだ」と言っている本だ。昔書いた本の未来のことを思い出したりした。つまり、僕も本好きだが、ほんのすこしの違和感も感じて、でも楽しく読んだ。

桂馬の両アタリ 先崎学

2022年09月24日 | 
 将棋棋士でアマチュア囲碁打ちの先崎学のエッセイ。NHK囲碁講座テキストの連載をまとめたもの。おもしろくてあっと言う間に読んだ。おもしろかったのは僕が囲碁を打つからだろうけれど、ともかくおもしろくて、本を読む楽しみの最大のものはエッセイだなあと思ったことだ。言葉はコミュニケイションの道具なのだろうし、他人の書くものを読む楽しみは大きいものだが、他人の考えた絵空事(小説という虚構)より、なにを感じ考えたかを書いてあるエッセイの方がよりおもしろいのだよ。

遺体  震災、津波の果てに 石井光太

2022年09月17日 | 
 東日本大震災の時に、釜石で遺体の収容から火葬までかかわった人々を描いたドキュメンタリー。
 生き残った自治会の役員や消防団員や葬儀社の人々。やむにやまれず働いたのだと思うが、こういうほんとうの危機の時、自分もこうやって動けるだろうか?自信がない。頭が下がる。この中では原発のことがなにも語られていないが、原発なんて愚の骨頂だ。そう思いながら読んだ。

富士日記 武田百合子

2022年09月13日 | 
 武田百合子は武田泰淳の配偶者でもある。富士山の別荘での暮らしを書いた日記なのだが、なーんにもないのだが実に良い!だが発表されて評判が良かったというのもちょっと驚きだ。
 こんなこと書いてもしょうがないのだが、オガライトのことが何度も出てきてうれしく読んでいる。オガライトというのはおがくずを固めた固形燃料で、うちではかまどや風呂を沸かすのに使っていたのだ。もう半世紀も前のことだ。
 それから当時の交通事情というか道路事情と、運転者の行動にびっくりする。事故がとんでもなく頻発していたらしく何度も何度もこの日記に登場する。これでは命がいくつあっても足りない。みんなよく生き延びたものだ。
 いや当時どこでもそうだったのだろう。有名人もたくさんの人が交通事故で死んでいる。怖い。

ロシア点描 小泉悠 

2022年08月21日 | 
 軽くてあっと言う間に読んだ。2022 5月の本が市立図書館で借りられるのだから、ありがたいことだ。
 題名のとおりで、筆者はロシアの軍事・安全保障政策の専門家らしく、だがロシア人、ロシアの暮らし、あるいはうわさなどが書かれていて、とてもおもしろい。こういうのがたくさん紹介されてたくさん読まれるといいと思うなあ。

ゆかいな理科年表 スレンドラ・ヴァーマ

2022年08月16日 | 
 おもしろかった。買って、手元に置いておくべき本なのかも知れない。知らないことがたくさん書いてあった。でも読み終えて今はそれをひとつもおぼえていない。なにかの時にひっかかっていたことを思い出してネットで検索すれば良いと思う。この本も内容が時代遅れになることも多いはず。

樅ノ木は残った 山本周五郎

2022年08月08日 | 
 何十年ぶりで読んだろうか?大河ドラマはたしか見ていたのだ。子供だったので吉永小百合はもうおばさんと思ったことだ(失礼!)平幹二朗はかっこよかった。小説はその頃ではなく山本周五郎にハマってから読んだ気がする。そのときどう思ったかあんまりおぼえていないのだ。そのときには原田甲斐に「すごく共感」はしなかったと思う。今もあまり共感できない。まあ時代が(伊達騒動の江戸時代とも、小説の書かれた昭和とも)違うとは思う。でも、たいてい山本周五郎の価値観には共感するのだが、これは違和感の方が大きかった。宇乃と接する原田甲斐の描き方が、昔はロリコンだよなあと思ったのだが、今回読んでみて、いやそうじゃない、年齢は離れているが、これはおとなの女を子供の時から描いているだけではないかと思って、それはあらたな発見だった。
 小説としてはとても完成度の高い、すばらしいものだと思う。山本周五郎は良い。

永続敗戦論 白井聡

2022年07月28日 | 
 非常におもしろかった。おもしろかったは語弊があるかも知れないが、日本国民はみんな読むべき本かも知れない。
「私らは侮辱のなかに生きている」というのは大震災というか原発事故の後のことらしいが、ほんとうにわれわれはバカにされている。これほどの事故が起こっても当事者である東京電力も政府もまったく蛙のツラにションベンというかまったく当事者としての責任も恥も形式的な外聞をつくろおうという気もない。万死に値する。
「戦後は終わった」と言う、歴史に向き合わなければならない、と言う。そして結局今の惨状は敗戦にきちんと向きあわなかった結果だと言う。
 対外関係の諸問題、として領土問題や北朝鮮問題のこと、それから「アメリカの影」が具体的に書かれているが、すべては「政治」あるいは著者の言う「国体」のことの論考だ。
 非常に考えさせられた。いまも考え込んでいる。ほぼすべてこの通りだ、だが、じゃあこれからどうすればいい?未来はあるのか?絶望的ではある。未来はわれわれひとりひとりが考える行動するしかない、と言うのだろう。そうなのだが、僕は政治学者ではなくて、ただの一市民だ。だからほんの少し考えていることもやることもずれているかもしれないなあ。

すごい!へんてこ生物

2022年07月24日 | 
 NHKの番組でこのタイトルの番組(不定期放送)があるらしい。
 植物に学ぶ生存戦略と言うのもあり、妙におかししい番組だったが、これはどうなのかなあ?

 この本は、新書としては写真もキレイだしなかなか良いけれど、へんな生物の例を目についたのをいくつか取り上げてみた、という感じで、網羅するような感じでもないし、ただのTV番組への誘いでもない。中途半端だと思う。

医療幻想 坂部羊

2022年07月15日 | 
 なんだかあやしい本で、大部分は正しいのかもしれないが信用できない。牛乳を多く飲む人の方が骨折しやすい、というのが何度も書いてあるが、ネットで調べると否定するようなことしか出てこない。この本なのか、他の情報か世間を惑わす情報があり、それを否定しているとしか考えられない。いや、もしかしたら本当にそういう調査結果があるのかも知れないが、原典が書いてないので信用できない。
 これはまったく僕のかってな想像だが、もしかしたら、アメリカあたりで牛乳を毎日1L、2L(あるいは1ガロン(=3.8L)2ガロン)と、大量に飲む人は飲めば飲むほど骨折しやすいのかもしれない。毎日2Lも牛乳飲むのは体重3桁にちがいなく、骨折しやすいに違いない。しつこいがまったくの僕の想像だ。だが、きっとそうだ。違うというならきちんと原典を書けば良い。
 これもしつこいが、この本の大部分はそうなのかもしれない。健康診断など無駄かもしれない。だが無駄かもしれないことを調べるのが検査、検診なんだよ。

与太郎戦記 春風亭柳昇

2022年07月06日 | 
 とても良かった。テレビに出ていた柳昇しか知らなかったが、そのフラのある感じがとても好きだった。こんなすばらしい本があるなんて知らなかった。
 これは柳昇自身の戦争体験記で、笑えるし戦争のひどさにあきれるし、感動的でもある。一部は高座にもかけていて、それもyoutubeで見える。高座のも良いけどこれを読むべきだ。

「無罪」を見抜く 裁判官・木谷明の生き方

2022年06月22日 | 
 図書館で偶然手に取ったのだが、著者はなんと!あの木谷實の子なのだ。びっくりした。木谷實といえば往年の囲碁ファンなら知らぬ者はない。それが全然別の分野での第一人者になっている。それどころではない。なんと映画『それでもボクはやってない』の人権派の裁判官は木谷がモデルらしい。
 裁判官の仕事の前に、囲碁棋士木谷實の子としての思い出の部分からもうおもしろくてしょうがない。

 裁判官のところもおもしろい。おもわずいろいろ歴史上の事件についてネットサーフィンをしてしまった。それにしても日本(に限らないかもしれないが)の裁判制度も、裁判官も腐っている。あきれかえる。著者のようなまともな裁判官は0.1%もいないのだろう。(日本の刑事事件の有罪率は99.9%らしい。いまだに!)最高裁判所なんて官僚の極み、国民審査は全員×をつけてもまだ足りないと思う。

小澤征爾さんと、音楽について 話をする 村上春樹対談

2022年06月10日 | 
 図書館で見かけて借りた。村上春樹がこんなオタク的に音楽を聴いているとは知らなかった。だからオタクと小澤征爾の対談なのだが、だからおもしろいと言えばおもしろい。
 あなた(小澤征爾のこと)のこの××××年の録音と、こっちのyyyy年の録音はここがこう違うけどそれは、、、みたいなこと聞いてるけど、演奏している方がそんなことおぼえてるはずがない。そう聞こえますねえみたいにシロートにあわせて話してるけどそれはつまんない。
 小澤征爾に日本語の表現力はあまりない。(英語のことは僕にわかるはずもない)村上春樹の方もたいしたことない。(シロートのたわごと!)なまじ僕が楽器演奏をするから、もどかしいところがある。
 昔の小三治の週刊FMの対談はおもしろかったなあとあらためて思い出している。

オバマ自伝

2022年06月06日 | 

 なかなか読み切れそうもない。今これを読む理由が見つからない。いや、そんなことなくて、いろいろ考え込んでしまう。
 なにしろ成功譚なのでそれだけでわくわくし、おもしろい。それにしてもアメリカに比べて、日本のダメさ加減にうんざりしてくる。煎じ詰めればアメリカ大統領選挙だって、なんというか人気投票なのだ。だがそこでは政策が論じられている。なんとか民主主義がある。
 日本に民主主義はない。民にそういう気持ちがない。日本では投票に際して他人に左右されない、ということだけが強調されて、そこに勉強も議論も情報も検討もない。先入観だけが存在する。だから与党が勝ち、適当ななにかをあおるようなやつが一時的に勝ち、批判は悪口ととらえられて封じ込まれ、正論は嫌がられる。
 投票は自分だけの幻想でするのではない。自分の考えはいろいろ情報を得て、他人と議論し、調べたりしながら固まっていくものなのだ。

 昨日は少し運動した。スローステップをメインにいろいろ筋トレを意識して。あらゆる機能は使わないと衰える。舌。首はブリッジなんかしたら老人は痛めてしまうので前後左右に力を入れて動かさない。(手で押さえる)足の指までいろいろ動かすあるいは力を入れることを心がける。痛めた腕はもう少しだ。