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樅ノ木は残った 山本周五郎

2022年08月08日 | 
 何十年ぶりで読んだろうか?大河ドラマはたしか見ていたのだ。子供だったので吉永小百合はもうおばさんと思ったことだ(失礼!)平幹二朗はかっこよかった。小説はその頃ではなく山本周五郎にハマってから読んだ気がする。そのときどう思ったかあんまりおぼえていないのだ。そのときには原田甲斐に「すごく共感」はしなかったと思う。今もあまり共感できない。まあ時代が(伊達騒動の江戸時代とも、小説の書かれた昭和とも)違うとは思う。でも、たいてい山本周五郎の価値観には共感するのだが、これは違和感の方が大きかった。宇乃と接する原田甲斐の描き方が、昔はロリコンだよなあと思ったのだが、今回読んでみて、いやそうじゃない、年齢は離れているが、これはおとなの女を子供の時から描いているだけではないかと思って、それはあらたな発見だった。
 小説としてはとても完成度の高い、すばらしいものだと思う。山本周五郎は良い。

椿三十郎(2007)森田芳光

2022年06月11日 | 映画・テレビ
 録画してあったのを見た。新作の方で黒澤のは見ていない。黒澤の脚本をまったく変えていないらしい。原作は山本周五郎だそうで、読んだはずだがおぼえていないし映画を見ても思い出せない。
 そういうわけでそれこそ先入観なしに見たが、まあ、そうねえ。織田裕二がかっこよすぎる。豊川悦司‎はかっこいい。松山ケンイチ‎だ。映画としてはなんというかそうねえ、安っぽいと思う。黒澤のを見た人にもそうでない人にもイマイチだろうなあ。演技者は悪くない気がするがだから監督も悪くないのかもしれず、だから、このコンセプトが間違っているのだと思うなあ。

おごそかな渇き 山本周五郎

2021年01月02日 | 
 山本周五郎が好きだ。とても良い。義理人情を描いた作家みたいに評されているように思うが、裏に隠された本質を描き出すというか、ともかくあたりまえのことをあたりまえに書くのではない意志を感じる。
 著作権が切れているからなのだろう、朗読動画がやたらにアップされているようだ。
 若書きのものはやや講談のようでおもしろくないことが多いが、こっけいものはとても良い。
 この新潮文庫には「蕭々十三年」「紅梅月毛」「野分」「雨あがる」「かあちゃん」「将監さまの細みち」「鶴は帰りぬ」「あだこ」「もののけ」「おごそかな渇き」が収められている。

町奉行日記 山本周五郎

2020年05月27日 | 
 つい、昨日だかおとといだかTVでやっていたらしい「どら平太」の原作が山本周五郎の町奉行日記だと聞いて、そうだ山本周五郎を読んでないなあと思い、掘り出してきて読んだ。ひさしぶりにはまった。山本周五郎はいい。若書きは評判のとおり、あるいは自分でもいろいろ言ったり書いたりしているようだが、あまりに講談のあるいは落語のようだが、それも、まあ楽しめる。
「わたくしです物語」が大好きだ。これは落語だなあ。大笑いした。