法律の周辺

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個人情報保護方針の作成について

2006-08-14 10:55:47 | Weblog
asahi.com 個人情報保護,企業8割が対応

 個人情報保護法への対応が完了した企業が8割を超えたとか。しかし,回答した企業は15%に過ぎない。この「8割」が実態をそのまま現していると言ってよいかは疑問も残る。

 記事の「個人情報保護法への対応」が何を言うのか明らかではないが,上場企業ともなれば個人情報保護方針(プライバシーポリシー)の作成は必須のように思われる。作成・公表には,消費者へのアピール → 競争力向上,という副次的効果も考えられる。

 会社法という切り口から個人情報の保護を見た場合は,役員・従業員に関するコンプライアンス体制及びリスク管理体制の確立,文書等の管理規定の整備,などが関係しそう。これらは,業務の適性を確保するための体制の内容に含まれる(会社法施行規則第100条,同第112条参照)。決定した場合は,事業報告への記載あるいはインターネットを通じて,株主へ提供されることとなる(会社法施行規則第118条第2号,同第133条)。


「個人情報の保護に関する法律」の関連条文

(安全管理措置)
第二十条  個人情報取扱事業者は,その取り扱う個人データの漏えい,滅失又はき損の防止その他の個人データの安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければならない。

(従業者の監督)
第二十一条  個人情報取扱事業者は,その従業者に個人データを取り扱わせるに当たっては,当該個人データの安全管理が図られるよう,当該従業者に対する必要かつ適切な監督を行わなければならない。

会社法施行規則の関連条文

(業務の適正を確保するための体制)
第百条  法第三百六十二条第四項第六号 に規定する法務省令で定める体制は,次に掲げる体制とする。
一  取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
二  損失の危険の管理に関する規程その他の体制
三  取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
四  使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
五  当該株式会社並びにその親会社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
2  監査役設置会社以外の株式会社である場合には,前項に規定する体制には,取締役が株主に報告すべき事項の報告をするための体制を含むものとする。
3  監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合には,第一項に規定する体制には,次に掲げる体制を含むものとする。
一  監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項
二  前号の使用人の取締役からの独立性に関する事項
三  取締役及び使用人が監査役に報告をするための体制その他の監査役への報告に関する体制
四  その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制

(業務の適正を確保するための体制)
第百十二条  法第四百十六条第一項第一号 ロに規定する法務省令で定めるものは,次に掲げるものとする。
一  監査委員会の職務を補助すべき取締役及び使用人に関する事項
二  前号の取締役及び使用人の執行役からの独立性に関する事項
三  執行役及び使用人が監査委員会に報告をするための体制その他の監査委員会への報告に関する体制
四  その他監査委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
2  法第四百十六条第一項第一号 ホに規定する法務省令で定める体制は,次に掲げる体制とする。
一  執行役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
二  損失の危険の管理に関する規程その他の体制
三  執行役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
四  使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
五  当該株式会社並びにその親会社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制

(事業報告の内容)
第百十八条  事業報告は,次に掲げる事項をその内容としなければならない。
一  当該株式会社の状況に関する重要な事項(計算書類及びその附属明細書並びに連結計算書類の内容となる事項を除く。)
二  法第三百四十八条第三項第四号 ,第三百六十二条第四項第六号並びに第四百十六条第一項第一号ロ及びホに規定する体制の整備についての決定又は決議があるときは,その決定又は決議の内容の概要

第百三十三条  法第四百三十七条 の規定により株主に対して行う提供事業報告(次の各号に掲げる株式会社の区分に応じ,当該各号に定めるものをいう。以下この条において同じ。)の提供に関しては,この条に定めるところによる。
一  株式会社(監査役設置会社及び委員会設置会社を除く。) 事業報告
二  監査役設置会社及び委員会設置会社 次に掲げるもの
イ 事業報告
ロ 事業報告に係る監査役(監査役会設置会社にあっては監査役会,委員会設置会社にあっては監査委員会)の監査報告があるときは,当該監査報告(二以上の監査役が存する株式会社(監査役会設置会社を除く。)の各監査役の監査報告の内容(監査報告を作成した日を除く。)が同一である場合にあっては,一又は二以上の監査役の監査報告)
ハ 前条第三項の規定により監査を受けたものとみなされたときは,その旨を記載又は記録をした書面又は電磁的記録
2  定時株主総会の招集通知(法第二百九十九条第二項 又は第三項 の規定による通知をいう。以下この条において同じ。)を次の各号に掲げる方法により行う場合には,提供事業報告は,当該各号に定める方法により提供しなければならない。
一  書面の提供 次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ,当該イ又はロに定める方法
イ 提供事業報告が書面をもって作成されている場合 当該書面に記載された事項を記載した書面の提供
ロ 提供事業報告が電磁的記録をもって作成されている場合 当該電磁的記録に記録された事項を記載した書面の提供
二  電磁的方法による提供 次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ,当該イ又はロに定める方法
イ 提供事業報告が書面をもって作成されている場合 当該書面に記載された事項の電磁的方法による提供
ロ 提供事業報告が電磁的記録をもって作成されている場合 当該電磁的記録に記録された事項の電磁的方法による提供
3  事業報告に表示すべき事項(次に掲げるものを除く。)に係る情報を,定時株主総会に係る招集通知を発出する時から定時株主総会の日から三箇月が経過する日までの間,継続して電磁的方法により株主が提供を受けることができる状態に置く措置(第二百二十二条第一項第一号ロに掲げる方法のうち,インターネットに接続された自動公衆送信装置を使用する方法によって行われるものに限る。)をとる場合における前項の規定の適用については,当該事項につき同項各号に掲げる場合の区分に応じ,当該各号に定める方法により株主に対して提供したものとみなす。ただし,この項の措置をとる旨の定款の定めがある場合に限る。
一  第百二十条第一項第一号から第八号まで,第百二十一条第一号から第五号まで及び第八号,第百二十二条第一号並びに第百二十三条第一号及び第二号に掲げる事項
二  事業報告に表示すべき事項(前号に掲げるものを除く。)につきこの項の措置をとることについて監査役又は監査委員会が異議を述べている場合における当該事項
4  前項の場合には,取締役は,同項の措置をとるために使用する自動公衆送信装置のうち当該措置をとるための用に供する部分をインターネットにおいて識別するための文字,記号その他の符号又はこれらの結合であって,情報の提供を受ける者がその使用に係る電子計算機に入力することによって当該情報の内容を閲覧し,当該電子計算機に備えられたファイルに当該情報を記録することができるものを株主に対して通知しなければならない。
5  第三項の規定により事業報告に表示した事項の一部が株主に対して第二項各号に定める方法により提供したものとみなされた場合において,監査役又は監査委員会が,現に株主に対して提供される事業報告が監査報告を作成するに際して監査をした事業報告の一部であることを株主に対して通知すべき旨を取締役に請求したときは,取締役は,その旨を株主に対して通知しなければならない。
6  取締役は,事業報告の内容とすべき事項について,定時株主総会の招集通知を発出した日から定時株主総会の前日までの間に修正をすべき事情が生じた場合における修正後の事項を株主に周知させる方法を,当該招集通知と併せて通知することができる。

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