法律の周辺

核心ではなく, あくまでも物事の周辺を気楽に散策するブログです。

義務教育の無償に係る持論の展開について

2007-01-25 20:23:06 | Weblog
給食費未納,親のモラル低下深刻 督促に“逆ギレ”も Sankei Web

NHK秋田 給食費未納秋田県でも

 義務教育の無償(憲法第26条第2項後段)については,ご存じのとおり,授業料不徴収を言うとするのが判例の立場。「義務教育だから給食費を支払う必要はない」との持論,今の日本ではちょっと通らない。
給食費に係る請求権の消滅時効期間は2年(民法第173条第3号)。平成17年度の給食費の未納は総額22億円とのことだが,手をこまねいているとどんどん時効にかかっていく。

 親は勝手に持論を展開していればいいだろう。しかし,その陰で,子どもは教室で泣いている。子どもにしてみれば,肩身が狭いなどというものではないだろう。
自らはブランド物で着飾りながら集金袋にはお金を入れてあげないなどというのは,虐待と言ったとしても決して言い過ぎにはならないと思う(児童虐待防止法第2条第4号参照)。


日本国憲法の関連条文

第二十六条  すべて国民は,法律の定めるところにより,その能力に応じて,ひとしく教育を受ける権利を有する。
2  すべて国民は,法律の定めるところにより,その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は,これを無償とする。

民法の関連条文

(消滅時効の進行等)
第百六十六条  消滅時効は,権利を行使することができる時から進行する。
2  前項の規定は,始期付権利又は停止条件付権利の目的物を占有する第三者のために,その占有の開始の時から取得時効が進行することを妨げない。ただし,権利者は,その時効を中断するため,いつでも占有者の承認を求めることができる。

(債権等の消滅時効)
第百六十七条  債権は,十年間行使しないときは,消滅する。
2  債権又は所有権以外の財産権は,二十年間行使しないときは,消滅する。

第百七十三条  次に掲げる債権は,二年間行使しないときは,消滅する。
一  生産者,卸売商人又は小売商人が売却した産物又は商品の代価に係る債権
二  自己の技能を用い,注文を受けて,物を製作し又は自己の仕事場で他人のために仕事をすることを業とする者の仕事に関する債権
三  学芸又は技能の教育を行う者が生徒の教育,衣食又は寄宿の代価について有する債権

学校給食法

(この法律の目的)
第一条  この法律は,学校給食が児童及び生徒の心身の健全な発達に資し,かつ,国民の食生活の改善に寄与するものであることにかんがみ,学校給食の実施に関し必要な事項を定め,もつて学校給食の普及充実を図ることを目的とする。

(学校給食の目標)
第二条  学校給食については,義務教育諸学校における教育の目的を実現するために,次の各号に掲げる目標の達成に努めなければならない。
一  日常生活における食事について,正しい理解と望ましい習慣を養うこと。
二  学校生活を豊かにし,明るい社交性を養うこと。
三  食生活の合理化,栄養の改善及び健康の増進を図ること。
四  食糧の生産,配分及び消費について,正しい理解に導くこと。

(定義)
第三条  この法律で「学校給食」とは,前条各号に掲げる目標を達成するために,義務教育諸学校において,その児童又は生徒に対し実施される給食をいう。
2  この法律で「義務教育諸学校」とは,学校教育法 (昭和二十二年法律第二十六号)に規定する小学校,中学校,中等教育学校の前期課程又は盲学校,聾学校若しくは養護学校の小学部若しくは中学部をいう。

(義務教育諸学校の設置者の任務)
第四条  義務教育諸学校の設置者は,当該義務教育諸学校において学校給食が実施されるように努めなければならない。

(国及び地方公共団体の任務)
第五条  国及び地方公共団体は,学校給食の普及と健全な発達を図るように努めなければならない。

(二以上の義務教育諸学校の学校給食の実施に必要な施設)
第五条の二  義務教育諸学校の設置者は,その設置する義務教育諸学校の学校給食を実施するための施設として,二以上の義務教育諸学校の学校給食の実施に必要な施設(次条において「共同調理場」という。)を設けることができる。

(学校給食栄養管理者)
第五条の三  義務教育諸学校又は共同調理場において学校給食の栄養に関する専門的事項をつかさどる職員は,教育職員免許法 (昭和二十四年法律第百四十七号)第四条第二項 に規定する栄養教諭の免許状を有する者又は栄養士法 (昭和二十二年法律第二百四十五号)第二条第一項 の規定による栄養士の免許を有する者で学校給食の実施に必要な知識若しくは経験を有するものでなければならない。

(経費の負担)
第六条  学校給食の実施に必要な施設及び設備に要する経費並びに学校給食の運営に要する経費のうち政令で定めるものは,義務教育諸学校の設置者の負担とする。
2  前項に規定する経費以外の学校給食に要する経費(以下「学校給食費」という。)は,学校給食を受ける児童又は生徒の学校教育法第二十二条第一項 に規定する保護者の負担とする。

(国の補助)
第七条  国は,私立の義務教育諸学校の設置者に対し,政令で定めるところにより,予算の範囲内において,学校給食の開設に必要な施設又は設備に要する経費の一部を補助することができる。
2  国は,公立の小学校,中学校又は中等教育学校の設置者が,学校給食を受ける児童又は生徒の学校教育法第二十二条第一項 に規定する保護者(以下この項において「保護者」という。)で生活保護法 (昭和二十五年法律第百四十四号)第六条第二項 に規定する要保護者(その児童又は生徒について,同法第十三条 の規定による教育扶助で学校給食費に関するものが行われている場合の保護者である者を除く。)であるものに対して,学校給食費の全部又は一部を補助する場合には,当該設置者に対し,当分の間,政令で定めるところにより,予算の範囲内において,これに要する経費の一部を補助することができる。

(補助金の返還等)
第九条  文部科学大臣は,第七条の規定による補助金の交付の決定を受けた者が次の各号のいずれかに該当するときは,補助金の交付をやめ,又は既に交付した補助金を返還させるものとする。
一  補助金を補助の目的以外の目的に使用したとき。
二  正当な理由がなくて補助金の交付の決定を受けた年度内に補助に係る施設又は設備を設けないこととなつたとき。
三  補助に係る施設又は設備を,正当な理由がなくて補助の目的以外の目的に使用し,又は文部科学大臣の許可を受けないで処分したとき。
四  補助金の交付の条件に違反したとき。
五  虚偽の方法によつて補助金の交付を受け,又は受けようとしたとき。

(政令への委任)
第十条  この法律に規定するもののほか,この法律の実施のため必要な手続その他の事項は,政令で定める。

就学困難な児童及び生徒に係る就学奨励についての国の援助に関する法律

(目的)
第一条  この法律は,経済的理由によつて就学困難な児童及び生徒について学用品を給与する等就学奨励を行う地方公共団体に対し,国が必要な援助を与えることとし,もつて小学校及び中学校並びに中等教育学校の前期課程における義務教育の円滑な実施に資することを目的とする。

(国の補助)
第二条  国は,市(特別区を含む。)町村が,その区域内に住所を有する学校教育法 (昭和二十二年法律第二十六号)第二十三条 に規定する学齢児童又は同法第三十九条第二項 に規定する学齢生徒(以下「児童生徒」という。)の同法第二十二条第一項 に規定する保護者で生活保護法 (昭和二十五年法律第百四十四号)第六条第二項 に規定する要保護者であるものに対して,児童生徒に係る次に掲げる費用等(当該児童生徒について,同法第十三条 の規定による教育扶助が行われている場合にあつては,当該教育扶助に係る第一号又は第二号に掲げるものを除く。)を支給する場合には,予算の範囲内において,これに要する経費を補助する。
一  学用品又はその購入費
二  通学に要する交通費
三  修学旅行費

(補助の基準及び範囲)
第三条  前条の規定により国が補助を行う場合の補助の基準及び範囲については,政令で定める。

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