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なぜ日本にアメリカ軍の基地が

2012年05月22日 | 世界
●なぜ日本にアメリカ軍の基地があるのか 松本健一 著 牧野出版

この本を読んで、この著者の他の本も読んでみようと思っています。

自衛隊って、英語では、「Japan Self-Defense Forces」だそうです。Forcesは英語で軍隊のことです。日本では、特別扱い?されている自衛隊ですが、海外では事実上の日本軍と認識されていることを、遅ればせながら、私はこの本を読んで初めて知りました。陸上自衛隊は「Japanese Army(日本陸軍)」、海上自衛隊は「Japanese Navy(日本海軍)」、航空自衛隊は「Japanese Air Force(日本空軍)」と報道されているそうです。そんな報道では、自衛隊の印象は、日本と他国の人々ではだいぶ乖離がありそうだといえますね。

著者のトルコでの経験談も興味深かったです。2003年のイラク戦争で、フセインを倒し民主化を進める戦略をアメリカはとりました。当初アメリカとイギリスが共同でイラクを攻撃し、フセイン政権を打倒する方策でしたが、その後、多国籍軍になりました。この多国籍軍は日本も支持し、後方支援を行いました。このイラク戦争のときに、兵員や兵器等の物資を大量に運ぶ必要があり、多国籍軍側は、イラクの隣国であるトルコに、陸路使用の申し入れしたそうです。そのとき、トルコはアメリカ軍の領土通過は許可したけれども、イギリス軍の領土通貨は拒否したそうです。

それはなぜか。トルコは第一次世界大戦の、まだオスマン・トルコ帝国だったときに、ドイツ側に付き敗戦国になってしまったそうです。その敗戦時に、オスマン・トルコ帝国は、イギリス占領地、フランス占領地、イタリア占領地、ギリシャ占領地と言う形で、4分割されてしまったのだとか。トルコ国民は、このときの屈辱を忘れていなくて、占領されていないアメリカはよいけれど、イギリスの領土通過は拒否したと、著者は旅行中に説明を受けたということです。

日本は複数の国に占領されていないけれど、1945年から1952年にかけて占領されていました。オキュパイド・ジャパン(Occupied Japan)。占領下の日本を呼ぶ名称です。当時いたアメリカ軍は進駐軍と言いました。それは、占領軍というと、占領されている事実を目の前につきつけられてしまうので、進駐軍という名称が使われてきたという経緯があるそうです。

1945年から1952年の時代を知る人びとは、もう高齢です。しかもその時代は子どもだったりして、ものの道理を理解していたかどうか。まだ近いと思われた過去がどんどん遠ざかって、その当時のことがよくわからなくなるということが進んでいるんですね。


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