![]() | 変わる家族 変わる食卓 - 真実に破壊されるマーケティング常識 (中公文庫) |
岩村暢子 | |
中央公論新社 |
この本は、このブログのこれまで紹介していた本と比べると異色な本です。
読んでいて、ええー!?というようなことがいっぱいある本です。そして、そういえばあんなことがあった、こんなことがあったと思い当たる節があり、まさに現代の食事事情の実態をあぶりだしているのかもと思わざるを得ないので、備忘録として紹介します。
私はV社の無水調理ができる多層鍋を愛用しています。この多層鍋との出会いは、ネットワークビジネスで有名なA社製の鍋を知人から紹介してもらったことが、きっかけです。A社の鍋は良い鍋だと思いましたが、安くなかったのでそのときは購入を断念しました。後にデパートでセールした時に、V社製品の似たような鍋を入手しました。
水をほとんど使わずに短時間で野菜を茹でられて、しかも野菜の味が濃いので重宝しています。使い方にコツがあるので、その後、知人の自宅で開かれているA社製の鍋を使う料理講習会に何度かお邪魔させていただきました。
おかしかったのは、講師役の知人が、A社製の鍋がないところでは料理が作れないというのです。ほかの鍋では、応用が効かないというわけです。そんなばかな。普通の鍋だったら、無水調理はできなくても、普通に料理すればいいじゃないと、口には出しませんでしたが、心の中で叫んでおりました。
ところで、私たちは、普段、鍋の特徴をよく見極めて料理しているのでしょうか。適当にデザインなどで使いやすそうだとか選んでいるだけだったりしますよね。
A社の料理講習会では、鍋の特徴や火加減の入れ方など、鍋の使用方法を詳しく勉強します。でも、それを学んだのだから、別の鍋の特徴はA社との違いを理解して、それ相応に対応するということができないのは、どういうことだろうと不思議に思っていたのです。
この本は、そんなエピソードとか消しちゃったエピソードとか、私が違和感を持ったいろいろなことを彷彿させる本です。
一言でいうと、日本の家庭の食事事情の崩壊の様子を集めたアンケートから、家庭の食事だけではなく、家族の在り方が変わってきている現状をあぶり出している本です。私も現在の家庭の食事事情を作り出している同じ世代として、我が事のように危機感を感じました。