少し前から吉沢久子さんの本にはまっています。たくさん著書がある方なので、入手しやすい最新のものから徐々に読んでいます。可能なら著書全部読みたい。現在96歳で、新潟日報でコラムを連載している現役の作家。このように年を取りたいものだという暮らしぶりのエッセイがとても素敵です。
この本では、おにぎりを握るときに、水をつけるのではなく酢を使うとよいという知恵が書かれていました。酢で握るほうが殺菌になり、おにぎりのもちがよいそうです。試しにたまたま実家でもらってきた筍ごはんをおにぎりにしてみたら、おにぎりを握るときの水分はたかがしれているので、酢に代えても匂いが気にならず、美味しくいただけました。
あるとき、おにぎり創りを極めようとしたことがありました。おにぎりのようなメニューにも、料理研究家はそれぞれレシピを書いていて、それを集めたりもしました。その中にも、手水に酢を使うというのはありませんでした。手に付ける水の量も塩も握り加減もあいまいなレシピばかりでした。研究を続け、時間がたっても美味しい絶品のおにぎりになれば、いまいちなおにぎりになるのは、炊き上がったご飯の一粒一粒に残った水分の加減が大きいとわかってきました。あと握り加減。しかし、それを再現できるようなレシピにはまだ出会わないでいます。
それでも、私が掴んだコツは、炊き上がったご飯をお椀などでおにぎり1個分ずつに計量したら、握る前に、まな板の上にあけるというもの。これだけで、ご飯の中の余計な水分が飛びます。お釜からおひつに入れ替えたご飯を使っても、もちろん大丈夫です。おひつがご飯の余計な水分を吸収しますから。うちにはおひつがないので、まな板にご飯をあけるということで代用しています。
そして、これからは、手水に酢を使うことが私のおにぎりレシピに加わりました。