種から芽が出て花が咲き

はまっているあれこれ
(今はFTISLAND、いろいろ)

満州と、そしてインドと

2012年05月31日 | 世界
●渡部昇一、「女子会」に挑む! 渡部昇一 著 ワック

渡部昇一さんの本を続けて読むうちに、「渡部昇一、「女子会」に挑む!」の本で、救国の気概を持つ14人の女性との対談集で、宮脇淳子さんを知りました。他の女性陣の活動もそれぞれ面白く、著書があればそちらも次々に読破している最中です。

●世界史のなかの満洲帝国 宮脇 淳子 著 PHP新書

この本を読み進む中で、朝鮮の高句麗という時代が、現在の旧満洲を含んでいたため、朝鮮の歴史の記述部分があります。渡部昇一さんのいくつかの本には、古代の日本と朝鮮半島は行き来があり、言葉も方言程度ぐらいの違いしかなかったのではないかと予想されている箇所があります。日本語は古文書があり、かなり古くまで遡れるのに対し、朝鮮では漢字が正字とされたため、ハングルができるまで、朝鮮語で記述された書物がないそうです。だから、古代朝鮮語の姿が見えないらしいのです。

●太王四神記 上・下 安 秉道 著 晩聲社

ということは、ペ・ヨンジュンが広開土王タムドクを主演したスペクタクル時代劇ドラマ、太王四神記の時代は、日本語と朝鮮語の区別がゆるいということになります。にわかに気になり始めて、ドラマの原作の太王四神記も読みました。テレビドラマのノベライズではない、原作です。それには、倭である日本との交易や戦の記載がわずかですが、やはりありました。テレビドラマは、ファンタジーになっていますが、原作は、実際の歴史に基づいて書かれているようです。残念ながら、小説ですし、当時の言語についての記述はありませんでした。

私は、ドラマとまったくキャラクターの違う、原作版タムドクもかなり格好いいので、なぜ原作のままドラマ化されなかったのか不思議です。日本で言うと卑弥呼の時代ですから、神の化身や悪の権化などが出てくる、剣と魔法のスペクタクル・ファンタジーにしたほうがドラマとして創りやすかったのでしょう。

現在、中国の東北部である、旧満洲は、偶然ですが、中国出身の会社の同僚さんの出身地らしいのです。旧満州の地域も、宮脇さんの本を読んで訪ねてみたくなりました。

●日本語の起源 (岩波新書 新赤版) 新版 大野晋 岩波新書 1994年

大野晋さんは、「日本語の起源」というタイトルで1971年に出版されていますが、研究の集大成として、新赤版を1994年に出版されています。私が読んだのは、新赤版です。研究の経緯と結論に至る過程が、詳しく書かれています。この本では、南インドの古代タミル語と日本語の古語との比較研究だけでなく、言葉だけでなく、稲作などの農業分野や、遺跡や機織や金属器などの考古学的な視点などから、古代タミルと古代日本のつながりを証明しています。日本語の源流をさぐるというのは、いろいろな分野を含む壮大な研究なのですね。この本を読むと、南インドと古代日本(おそらく古代朝鮮も)は、海洋を通じてつながりがあったこと、日本語の源流のひとつとしての古代タミル語を認めざるを得ないと思います。

大野晋さんは、古語辞典の編纂を通じて、ひとつの言葉が広がっては廃れていくその流れ、つまり言葉の寿命という観点に詳しい方でした。日本語のタミル語起源説を発表し始めた当時、現代タミル語学者などから、相当な反発を受けていたそうですけれども、ものともせずに研究をまとめられました。大野晋さんは故人になりました。次の世代によって、研究がさらに進み、なお多くのことがわかってくるのを楽しみにしています。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。