種から芽が出て花が咲き

はまっているあれこれ
(今はFTISLAND、いろいろ)

ホイッスラー展 横浜美術館

2015年01月21日 | 銅版画について
先日、お師匠様に薦められて、横浜美術館で開催中のホイットニー展に行ってきた。
横浜美術館は、建物が素敵。とても優雅な気持ちになれる美術館で私は好き。

今回の企画展では、ホイッスラーが手がけている銅版画作品が多数出品されていて、お師匠様が学芸員の質の高さを絶賛されていた。銅版画は、油絵に比べて地味なので、あまり説明がなかったりするが、行ってみたら、お師匠様が褒められていた通り、作品の説明が充実しているように感じた。銅版画の技法の違いやその味わいについてまで、詳しく説明があった。私はよく知らなかったけれども、作品につけられる説明は学芸員が書いているものらしい。

ホイッスラーさんは、銅版画作品も多数制作していて、お師匠様いわく、よけいな線がなく描きたいところだけ描かれているそうな。

私はそこまでは味わえなかったけれども、そう言われたらそうだった気がする。

同時開催されている「横浜美術館コレクション展」もよかった。ホイッスラーを観た後に続けて入れる。こちらは閉館時間が迫っていたので、駆け足になってしまったけれど、大好きな作家のひとりである、マグリットさんの作品がいたので、ちょっと嬉しかった。こんなところで、マグリットさんに会えるなんてなどと喜んでいたら、お師匠様に「長谷川潔を観なかったのか、わざわざ遠出をしたのにもったいない」と言われてしまった。長谷川潔さんは日本の銅版画作家。あらら。

ソフトグランドについて ~銅版画

2014年12月22日 | 銅版画について
銅版画にはソフトグランドという材料を使って作品を作る技法がある。
この技法は、柔らかいので、指の指紋や葉っぱの葉脈やレースなどを写したりできるのが特徴である。

私の憧れであった。うっかりすると意図しない線だの汚れだのを表現してしまう。繊細な技法なので、敷居が高かった。
それに私の受けた銅版画の初級講座ではハードグランドを真っ先に学んだ。ただ単になじみがなかっただけだ。

銅版画仲間さんが気軽にソフトグランドをやっているのを見て、ようやく取り組んでみたら案外に簡単であった。
なんで、もっと早くやらなかったのだろう。

お仲間さんは、銅版画作家の山本容子さんのやり方で、温めた銅板に、固形のソフトグランドの塊を塗る。固形のソフトグランドはろうそくのろうみたいな質なので、温かいと溶けて塗れる。それだけだと、まだらだから、ローラーで均質になるように押さえるというのかな。

初ソフトグランドはそんな風に始まった。お師匠さまに聞いたら、固形のソフトグランドを細かく砕いたりして、ガソリンかリグロインで薄めて、ソフトグランド液というのを作るといっていた。そのイメージがつかなくて、お仲間さんたちがやっているように、銅板を温めて塗ってから、ローラーでのしてみた。

お仲間さんたちは山本容子さんを模しているので、ソフトグランドで下絵を描くときに使うのは、9Hの鉛筆だそうだ。しかし、お師匠さまの工房兼画材店には、6Hまでしかなかったので6H鉛筆を調達。やってみると6Hでは確かに物足りない。近々9H鉛筆を探しに、東京の銅版画作家の御用達、文房堂に行かねばなるまい。

そう思っていた矢先、家に固形ソフトグランドを置き忘れてしまった。また無くなったら買うんだしと、工房兼画材店の店主でもあるお師匠さまに、ソフトグランドまた買いたいんですと言ったら、お師匠さまは商売っ気のない店主なので、ご自身のソフトグランド液を貸してくださった。

百聞は一見に如かず。扱いはハードグランド液と同じような感じ。イメージがはっきりした。

そして、固形を塗るやり方だと、ローラーで薄くのしても、なお厚いのがわかった。ソフトグランド液はリグロインで薄まっているので、厚くならない。これだと、6H鉛筆でも強すぎる。4Hや3Hぐらいでもよさそうだ。お師匠さまが鉛筆にこだわりがまったくないわけがわかった。

銅版画について

2014年12月18日 | 銅版画について
私は銅版画に出会ってしまってから、表現として銅版画に取り組んでいる。
それまでも、水彩やパステルや油絵や、版画では木版やゴム版もかじったりしたけれども、銅版画にめぐりあってしまった。
恋におちてしまったような感じで、銅版画を続けている。私が選ばれてしまったのかもしれない。

銅版画は、誰もがわかりやすい凸版ではなく、凹版なのでそれも面白い特徴だと思っている。
腐食する化学薬品が必要だったり、プレス機が必要だったり、あまり身近ではないかもしれない。

木版のように出っ張っているところにインクを乗せて紙に写すのではなくて、くぼんだところにインクをつめて、プレス機の圧力でつめたインクを紙に吸い付ける。

銅版画工房の初級のレッスンを受けてから、工房展に作品を出すようになって、絵を見るのが好きな友人や近所の友人は工房展のたびに来てくれる。来てくれた人に感謝を込めて、銅版画を技法について、昨年も話したなあと思いながら、この作品はね、こういう技法を使ってね、こんな表現になってねなどと銅版画の魅力につてい説明をしている。

短いけれど、そんなおしゃべりのような銅版画のことをしばらくブログで書いてみたいと思う。