種から芽が出て花が咲き

はまっているあれこれ
(今はFTISLAND、いろいろ)

ドラマに見る現代韓国の食事情 「100年の花嫁」

2015年02月08日 | 韓流
ひさしぶりに韓国ドラマを観ました。イ・ホンギ主演の韓国ドラマ「100年の花嫁」です。

一言でいうと、日本で韓流ブームを起こした「冬のソナタ」のような、韓国ドラマらしい韓国ドラマでした。

男女の出会いがあって、トラブルを解決しながら、男女の仲がうまく行きそうかと思いきや、秘密かトラブルがまた起きて、いったん離れ離れになり、お互いの想いを確かめて、ようやくうまくいくかと思ったら、それを阻むトラブルでいよいよ別れ別れになり、時間が経ったのち再会してハッピーエンドという流れ。

私が熱心に韓国ドラマを観ていた時期は、2005年あたりです。それから10年弱経って、韓国が変わってきたなあと思う場面がありました。

それは食事の場面です。韓国ドラマでは、食事の場面がたくさん出てきます。このドラマ「100年の花嫁」にもたくさん食事場面がありました。

ある場面では、主人公の女性が、即席のチャーハンを一人分ずつお皿に盛ってサーブしていました。セレブという役柄だったからでしょうか。日本では一人分ずつお皿に盛るのは当たり前のことですが、韓国の2005年頃の青春ドラマだと、チャーハンはお皿に分けるのではなく、作った鍋そのままかあるいはボールのような器で、二人でそれをスプーンでつつきあうスタイルだったと思います。

また、主人公の男性が、相手役の女性にケーキをプレゼントするシーンがあります。
たがみようこさんの著書「ソウルで新婚生活」によれば、婚家に手土産で買ったらケーキは高価なので、お姑さんに果物のほうが良かったと言われて喜ばれなかった描写がありました。当時、韓国旅行した時の私の記憶では、1ホールではなくて、1ピースのケーキの値段が、韓国料理の定食セットと同等かそれより高かった。ケーキのお土産は、日本では特別なことではないけれども、当時の韓国ではそうではなかったみたい。それが、ドラマの場面で使われるくらいに一般的になったようだと驚きました。

一方変わらないのは、鍋のスープをそれぞれのスプーンですくって口に運ぶこと。韓国の習慣だなあと思いました。日本ではない習慣なので、ドラマで目の当たりにすると、ぎょっとしてしまいます。挨拶として、「ご飯を食べたか」と尋ねることも変わっていません。1980年頃まで韓国では食事事情が悪く飢餓があったそうです。ご飯を食べたかどうかは、相手を気遣う大切な質問だったようです。

男性のプレゼントのケーキは、ホールだったので、カットするためのプラスチックのナイフが箱の中に入っていました。ドラマでは、この使い捨てナイフの柄をスプーン替わりに女性がケーキを食べ始めてしまいます。一人で食べているのをすまないと思ったのか、女性は自分が食べているナイフの柄でケーキをすくって男性の口に運んで食べさせようとするのです。男性は甘いものは好きじゃないと拒絶します。女性はそれならと持っていた焼き芋の皮をむいて、男性の口元に運びます。男性はこれを食べさせてもらったわけですが、これは素直に食べています。この後、女性は、その男性の食べかけの焼き芋を自分で食べてしまいます。ドラマの物語上はまだ恋人とは言えない時期のエピソードなので、日本のセンスでは、これはかなりすごい場面です。親密さがあふれる場面としては秀逸です。

また、ほぐした魚の身などのおかずを「食べなさい」と相手のご飯茶碗にのせてあげるのが、韓国では大きな愛情表現らしいのです。このドラマでも何度かそういう場面がありました。恋人であるはずの女性が他の男性にそれをするのを主人公の男性が目の当たりにすると、それは嫉妬の対象になるようで、面白かったです。

ちなみに、韓国ドラマではカップルが主人公なので、男の主人公、女の主人公がそれぞれいます。
日本のドラマでは、カップルのドラマであっても、男女のどちらか一方が主人公で、一方は主人公の相手役という位置づけで制作されているはずです。
「100年の花嫁」も、物語は女性が主人公で男性はその相手役のはずなのですが、オープニングのテロップでは男優の名前が先頭に表示されています。日本ではない扱いですね。

知られざる台湾の反韓

2014年12月07日 | 韓流
知られざる台湾の「反韓」 台湾と韓国が辿った数奇な戦後
古谷 経衡
PHP研究所


韓流ファンならどうしても飛び込んでくる韓国の反日感情に対して、同じ日本の植民地だった台湾はどうだったのだろうかという私の疑問に応えてくれる本が見つかりました。

日本では、韓流の人気は一つのジャンルを形成して存続するだろうと思いつつも、一方で嫌韓という韓国を排除する動きがあり、韓流ファンをやきもきさせています。台湾も同じです。台湾でも、韓国ドラマやKpopは人気がありながら、一方で反韓の動きがあり、日本の嫌韓という反応よりも激しい印象を私の持っていました。

この本では、その私の印象を裏付ける詳しい解説がありました。台湾と韓国が戦後に辿った史や国際情勢を踏まえつつ、台湾が反韓に至る経緯が詳細に描かれています。

そして、日本も台湾にとっては失礼な対応があったことがわかりました。中国と国交を樹立したことにより、台湾を見捨てたことになるわけです。今、台湾はその時代を詳しく知る世代ではなく、その歴史を受け入れて台湾がどう生き延びていくかを考える新しい世代が、台湾を動かしていて、親日の雰囲気が強いのでしょうか。また、新しい疑問がわいてきました。


疑問の答え

2014年08月02日 | 韓流
韓流時代劇と朝鮮史の真実 (扶桑社新書)
宮脇淳子
扶桑社


韓流にハマって以来の疑問のひとつに、なぜ韓国ドラマは、世界の名作の題名とドラマの題名に使うのかというのがあります。思いつくまま、「パリの恋人」「エデンの東」「シークレットガーデン(秘密の花園)」等々。もとのお話と似ても似つかないような韓国現代ドラマになっているようです。

この疑問について答えてくれる本にまだ出会っていないけど、韓国人のメンタリティーを知るにおよんで、おおよその見当はついていたりします。
疑問としては現象がニッチ過ぎて、評論されたりしないことなのだろうなあとも思います。

今回取り上げた本のテーマは時代劇。世界の名作のタイトルをつけるのは、主に現代ドラマなので、題名のつけ方については関係ないけれども、半島の歴史や韓国人のメンタリティーに触れているので、興味深く面白く読みました。

韓国の時代劇では、日本は倭寇ぐらいしか出てこなくて、扱いがかなりひどいと思っていました。この本によれば、日本だけでなく半島に関わった周辺国はほとんどが史実無視のようなドラマ制作らしいこともわかりました。

また、半島は貧しくて、衣服を染める高価な染料を入手することができなくて、庶民の衣服は、時代劇の衣装のようにカラフルだったことはなかったそうです。しかも、日本は室町時代から都の庶民は色付きの衣服を着ることができていたそうで、豊臣秀吉の朝鮮出兵で日本の衣服をみて、色付きの服を着るのは倭奴(日本人)だというように蔑まれるようなことだったとか。

そういえば、私は1978年公開の韓国映画「族譜」を観たことがあります。

第2次世界大戦終戦直前の半島が舞台の映画で、内容もさることながら、その映画で若い女性が着ているチマチョゴリに衝撃を受けました。地方有力者の家柄の娘が着ていたのは、丈がひざ上ぐらいの、色のない白のチマチョゴリでした。女優が長身で、丈が短かかったのかしら。韓国時代劇に出てくるドレスのようなチマチョゴリとは全然違います。

終戦から30年後ぐらいに映画は制作されました。まだ30数年前を知る人が多数生きていたでしょうから、有力者の娘であったとしても生成りの白のツンツルテンのようなチマチョゴリを着ていたのだと思います。華やかなドレスのようなチマチョゴリでは、当時を知る人から見れば、映画という虚構であったとしても、現実感が乏しくなってしまいます。

韓国ドラマを観ていて、はっきりと疑問にならなくても、あれ?と思っていたことのいくつかの答えがみつかるような本です。

韓流それから

2014年07月07日 | 韓流
奥さまは愛国
北原みのり 朴順梨
河出書房新社


韓流ブームに乗って、いくつかの韓国ドラマを観たり、イベントやkpopのコンサートに行ったり、 韓国旅行も行ったりしたので、韓流ファンということになると思います。
そのなかで気づいたことは、日本に何らか憧れなどの想いを持ちながら、韓国全体としては反日であるということ。ただし、これは私の感覚的な印象なので、正しいのか間違いなのか検証するために、政治や社会、文化などを調べるようになりました。
その一環で、この本も私にやって来ました。
一言でいうなら、新鮮。その立場側の意見や考えは初めて聞いたと言えるほどに違う視点からのアプローチが斬新と言えます。

惜しいかな。著者の嫌悪感が先立ち、引いてしまっているような箇所が見受けられるのが残念です。もっと踏み込んで本質に迫ってほしかったと思います。

熱心な韓流ファンだったことがある私の感想として、ちょっと面白いと思ったことがあります。
愛国活動は韓流ファン活動とはまるで違うことのようなのに、たまたまこの本で取り上げられてインタビューされている人たちは、向けるものが、愛国という主張であるだけで、韓流ファンのスターに向けるファン活動と関わる雰囲気や態度が似ているような気がしました。

内容はあるので、違う意見を知る観点からはおすすめです。

日本文明論への視点

2012年11月19日 | 韓流
日本文明論への視点―われら何処より来たり、何処へ往くか
古田博司 他
展転社


筑波大学教授である古田博司さんの名前があったので、図書館で借りた本です。
コリアンウォッチャーのサイトで古田博司さんを知りました。

公開講義の講義録で、質疑応答の模様があり、私にとって興味深い内容でした。
いくつかの本を読んで不思議だなあと思っていたことが氷解したというか。

もともとの中国では、人は死ぬと、魂(こん)と魄(はく)に分かれるとか。魂は上に上がり位牌につく。この位牌についた魂が、飯を食うのだそうです。

魂が飯を食うためには、男の子孫をつくらなければならないという発想となって、現在の韓国の宗族なる男系の一族をつくるようになったそうです。

こういう話がすごくわかりやすく、私にとっては目から鱗みたいなお話もありました。ただそれを書くと本の紹介ブログの意図からずれてくるかもなので抑えておきます。

カルチャーショック!

2011年12月06日 | 韓流
愛されたがり屋の韓国人-「恋愛の法則」で深韓流がわかる
朴倧玄(パク・チョンヒョン)
講談社


●愛されたがり屋の韓国人「恋愛の法則」で深韓流がわかる 朴倧玄(パク・チョンヒョン) 講談社

韓タメDXというテレビ番組の司会をされていた法政大学教授のパク先生の本を読んでいると、韓国ドラマで謎だと思っていたことが氷解することがあり、著書を楽しみにしています。この本も読んでいてびっくりすることがありました。

韓国にも千羽鶴があり、贈り物にするそうです。その意味が日本と韓国では全然違うのだとか。

「日本では、病気の回復を祈って、周りの人が「元気づける」という意味で千羽鶴を贈る場合が多いが、韓国では、「恋を実らせる」ために恋人に千羽鶴を折って贈る」のだそうで、韓国女子が、大好きな日本の男子に贈ったところ、病気でもないのになぜ?とまったく感激していない表情に、がっかりして物別れになったエピソードが紹介されていました。

千羽鶴は広島の原爆投下以降に韓国に伝わったそうです。その千羽鶴が、韓国では恋人に想いを伝える贈り物となっているなんてびっくり。カルチャーショック!

数年前、当時夢中になっていた韓流俳優の弟が海外で急死したので、日本のファンがお悔やみの気持ちを込めて、白の千羽鶴を贈ったことがありました。ファン仲間から、口コミで千羽鶴を贈る計画があるのを聞いて、私も白の折鶴を数羽折って、取りまとめ先の熱心なファンの方に郵送したのでした。韓国での葬式に届けられた日本のファンからの白の折鶴だけで作られた美しい千羽鶴を、イ・ドンゴンさんやご家族関係者はどう感じたのでしょうか。韓国ではファンを家族というけれど、日本のファンも心から悲しんで、慰めになればと贈ったのでした。

その葬式のとき、俳優の元カノ女優が号泣姿で弔問に来ていたのにも驚いたものです。カルチャーショック2!。韓国では、葬式では大泣きするのがよいと聞きました。日本の感覚では、元カノ女優の出現自体にびっくりだし、その号泣姿もなぜそんなに目立つの?くらいな印象で、日本のファン仲間における元カノ女優の評判は、交際中もアンチでしたが、ますますアンチ度急上昇でした。(女優のファンの方、ごめんなさい。本当は、私自身はその女優が大好きです。フォローになっていないけど)

しかし、おそらくこの女優は、韓国ではこの件で株を上げたと思われます。だから、韓国のマスコミがこぞって女優の号泣場面を報道したわけで、その後、よいドラマに続けて出演していました。日本と似て否なる韓国を感じた日本の一韓流ファンの思い出です。

あれあれ、本の紹介はどこへやら。

本の内容で、ちょっと物足りないと思った箇所がありました。フランスに行った韓国人のエピソードになぞらえて、著者はどうやら日本女性に恋をして日本に来たと窺わせる記述がありました。無責任な野次馬の読者としては、著者ご自身の物語をぜひお聞きしたいと興味津々になりました。いつか別の著書で紹介されるのでしょうか。それとも、もう既に紹介されているのでしょうか。とても楽しみです。