老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

「蟻の列」から

2015-08-11 11:27:10 | 俳句
    ☆   あともどりせぬモリカズの蟻の列   武田秀喜

 どんなに、今、私が後悔しても、亡くなってしまった彼に、貴方の俳句が好きです、生き方を尊敬してますと、言っても届かない。
守一 の絵を昭和天皇が鑑賞した時、この絵は 小学生が描いたのですか?とおしゃたそうだ。
熊谷守一。皆 一度は目にしたことがあるだろう、 「白猫」 「蟻」 「海」 「宵月」「ヤキバノカエリ」 等々。シンプル 極まる あの絵を。
その「蟻」の絵を 彼は俳句に詠んでいるのだ。
守一は
日本の美術史においてフォービズムの画家と位置づけられている。しかし作風は徐々にシンプルになり、晩年は抽象絵画に接近した。と(ウイキ、ペディア)から。
その風貌と生活ぶりから「現代の仙人」と呼ばれていた。
文化勲章を辞退した理由は「そんなものもらったら、来客が増えてこまる・・・・・・・・」
等々、彼の人生を紐とくと、興味が尽きない。
秀喜さんは、この 守一 が好きだったらしく、画廊に足を運んだり、展覧会に通い親しんでいた様子が見てとれる。よく 守一 のこともブログに綴っていた。生きかたも似た部分があったのかもしれぬ。
      

   ☆   読みさしの「仁勢物語」昼寝覚め   武田秀喜
   
   ☆   後の世の音か明珍風鈴は

   ☆   流れ星母には言へぬこと一つ


晩年の句。
お盆だから、ふーと彼のことを思い出したのかな。
    合掌


コメント
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