まほろば自然博物館

つれづれに、瀬戸のまほろばから自然の様子や民俗・歴史や見聞きしたおはなしをしたいと思います。

晴れだしてきた 山の春風

2011年03月02日 | 自由律俳句

 いよいよ三月になった・・・。だからどうだというわけではないが、気分一新してみたいところ。

 私のブログのプロフィール欄に・・「自由できままなお坊さん。今日は西やら東やら。尾崎放哉か山頭火みたいになりたいもの。 」ということが書いてある。そして・・ブログのタイトルには・・妙な言葉が書いてある。俳句のような標語のような・・・川柳のような・・。

 ということで、今日は特別寄稿ということで、この言葉の意味などを紹介しておこう・・・。

 

 種田山頭火(たねだ さんとうか)は、明治15年(1882)に生まれ、昭和15年(1940)に没した俳人で、よく山頭火と呼ばれる。自由律俳句のもっとも著名な俳人の一人。1925年に熊本市の曹洞宗報恩寺で出家得度して耕畝(こうほ)と改名した。本名は種田正一。

 なんだかんだとあったが、明治44年、荻原井泉水の主宰する自由律俳誌『層雲』に寄稿し、大正2年に井泉水の門下となる。大正5年には、『層雲』の選者にも参加した。その後、家業の造り酒屋が父親の放蕩と自身の酒癖のため破産し、妻子を連れて熊本に移住した。その後、弟と父親は自殺した。生活苦から自殺未遂をおこしたところを市内の報恩禅寺(千体佛)住職・望月義庵に助けられ寺男となった。大正14年に得度し「耕畝」と改名した。

 

 大正15年に寺を出て雲水姿で西日本を中心に旅し句作を行ない、旅先から『層雲』に投稿を続けた。昭和7年、郷里山口の小郡町に「其中庵」を結庵したが、再びさすらいの後、昭和14年に松山市に移住し「一草庵」を結庵。翌年、この庵で生涯を閉じた。享年57。

 

 自由律俳句の代表として、同じ井泉水門下の尾崎放哉と並び称される。山頭火、放哉ともに酒癖によって身を持ち崩し、師である井泉水や支持者の援助によって生計を立てていたところは似通っている。しかし、その作風は対照的で、「静」の放哉に対し山頭火の句は「動」である。

 代表句には次のようなものがある・・。

 

  • 酔うてこほろぎと寝ていたよ
  • 鴉啼いてわたしも一人
  • 鈴をふりふりお四国の土になるべく
  • 霧島は霧にかくれて赤とんぼ
  • まつすぐな道でさみしい
  • また見ることもない山が遠ざかる
  • 分け入つても分け入つても青い山
  • 鉄鉢の中へも霰
  • 生死の中の雪ふりしきる
  • おちついて死ねそうな草萌ゆる

 

  一方、尾崎放哉(おざき ほうさい)は、本名: 尾崎 秀雄(おざき ひでお)、明治18年(1885)に生まれ、大正15年に没した俳人。

 

 尾崎は鳥取県邑美郡吉方町(現在の鳥取市吉方町に鳥取地方裁判所の書記官・尾崎信三の次男として生まれる。翌年一家は法美郡立川町へ転居。 鳥取県立第一中学校から東京帝国大学入学。いとこの沢芳衞に求婚、親類の反対のため断念。 東京帝国大学法科大学政治学科を卒業。通信社に入社後、 東洋生命保険株式会社に就職。契約課に所属。その後・・・いろいろとあって・・ 「層雲」への寄稿を再開する。罷免されて、満州に赴き再起を期すも肋膜炎悪化のため入院、手記「無量寿仏」を妻に口述筆記させる。一燈園に暮らしたことも。

 

 知恩院塔頭常称院の寺男となるが、寺の紛争に巻き込まれ、須磨寺大師堂に住み込む。その後、福井県の小浜常高寺の寺男となるが、ここも追われ、荻原井泉水の紹介で小豆島霊場の第五十八番札所西光寺奥の院・南郷庵(みなんごあん)に入る。大正15年4月7日、南郷庵に死す。死因は癒着性肋膜炎湿性咽喉カタル。戒名大空放哉居士。

 

 季語を含めない自由律俳句の代表的俳人として山頭火と並び称される。旅を続けて句を詠んだの山頭火に対し、放哉の作風はのなかに無常観と諧謔性、そして洒脱味に裏打ちされた俳句を作った。性格は偏向的であり、自身が東京帝国大学法学部を出ていながら、他の法学部卒業生を嫌うという矛盾的性格を持ち、また酒を飲むとよく暴れ、周囲を困らせたという。唯一の句集として、死後、荻原井泉水編『大空〔たいくう〕』(春秋社、1926年6月)が刊行された。

 代表句には次のようなものがある。

  • 咳をしても一人
  • 墓のうらに廻る
  • 足のうら洗えば白くなる
  • 肉がやせてくる太い骨である
  • いれものがない両手でうける
  • 考えごとをしている田螺が歩いている
  • こんなよい月を一人で見て寝る
  • 一人の道が暮れて来た
  • 春の山のうしろから烟が出だした(辞世)

 

 じゃぁ、また、夕方に。



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