五反田発リスボン行き急行列車

五反田駅からリスボン行き急行列車に乗ることを夢想する前期高齢者の徒然

2014・3・29

2014-03-30 04:15:01 | 日記
気づいてみれば目黒川沿いのサクラが一斉に蕾を開いて春満開になっていた。私は一年の内でこの季節が一番憂鬱だ。それは世の中が原色になり、女性が美しくなり、生命の息吹に溢れるからだ。人生の黄昏を迎えた人間にとってそれは目の毒以外の何者でもない。だからこの季節、いつもなら「冬眠」に入る。眠っている間に華やかな季節が過ぎ去って黄昏の季節が来るのを待つ。でも、今年はそうはいかない。新しい事業を始めたのだから似合わないと言われてもこの季節に同化して生き生きとした顔を見せなくてはと新しい企画を立てるのにデザイナーのKさんに会ったりする。そんな午後、いつも元気なSちゃんがちょっと落ち込んで訪ねてくる。落ち込みの理由を聞けば同情するが、彼女には悪いけど、華やかで明るい話題より今の私には親身になれる。夕食はペペロンチーノを食べようとしたのだけど、ニンニクがなかったので急遽かぶの葉を使った明太子パスタに変更する。ピンクに緑。知らない内に私も春に彩られている。夜、『「終戦日記」を読む』(野坂昭如)を読む。今書こうとしている作品の参考にしようと太平洋戦争の開戦と終戦の時の一般の人々の気持を知りたくて読み始めたのだけど、夢中になっている内に終電を逃してしまう。春の宵を歩いて帰ることも出来たけど、寝に帰るだけみたいて嫌になり、そのまま事務所に朝まで。
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