goro's 花 Diary

東京の街を彩る花たちを追っかけています。

罪のない花

2008年10月27日 | 08 花たち



【カシワバハグマ・柏葉白熊】キク科コウヤボウキ属

昨年に続き、今年も出会えました。

宮城県以南の主に太平洋側から、四国、九州の山林に生育する落葉性多年草で、高さ30~70cmほどになります。 
日本の固有種です。

ギリギリのところで花を見ることが出来た昨年とは違って、今年は蕾が膨らみ始めた頃から観察することが出来ました。

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2~3cmの総苞片は、魚の鱗状に全体を被っています。
この状態になってからも、開花するにはしばらくかかりました。

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幻(おじさんにとってはです)のコウヤボウキの花と、ほんとによく似ています。
こちらのほうが、心持ち大きいでしょうか。

そのあたりのことは、昨年の記事「可愛い白熊くん」をご参照ください。
おじさんがいかにコウヤボウキに焦がれているか、クドクド書いております。

カシワバハグマには失礼なことなんだけど、どこかでコウヤボウキの代用として見ている節があるんだよね。
一般的な話だと、コウヤボウキより、こちらのカシワバハグマのほうが珍しいと思うんだけどね。

カシワバハグマさん、ごめんなさい。

こちらが名前の由来になっている葉っぱです。
いかがです? 柏餅を包んでいる葉っぱに、似ていますかね。

形は柏に似ているとも思えませんが、20cmほどもある大きな葉っぱですのでね、「大きい」との意味合いで「柏葉」と名付けれらたとすれば、納得出来ます。


わびさびの美

2008年10月26日 | 08 花たち



【ホトトギス・杜鵑】ユリ科ホトトギス属

ホトトギスは、秋を代表する花だと思っておりますが、実際には7月にはすでに咲き始めているものも見かけます。

深まる秋の風景のなかで見るホトトギスが、いちばんしっくりしますし、美しいと思います。

インドから東アジアにかけての地域が原産の、耐寒性もある多年草です。
日本の自生地は、関東以西の太平洋側だそうです。
東アジアに分布する約20種のうち、半分ほどが日本に自生しているといわれ、世界に冠するホトトギス王国なんですってよ、日本は。

「わび さび」文化を生み出した日本ですからね、ワレモコウともども、外せない茶花ですよね。

新しい出会いが持てた花たちは毎年増えておりますが、好きな秋の花といったら、やっぱりワレモコウとホトトギスと答えるでしょうね。
40年来、変わらぬ思いです。

ホトトギスにも色々な品種があることは述べましたが、そこらあたりのことは気にしないことにしております。

黄色い花のタマガワホトトギスや、ジョウロウホトトギスという種類もあり、おじさんの憧れではありますが、それらには今年も出会えませんでした。

そんななか、今年初めて出会ったホトトギスがあります。


【ヤマホトトギス・山杜鵑】

  

草丈も1mと高く、よく見かけるものより花数も少なかったですね。
開いた花びらが反り返っているのも、ヤマホトトギスの特徴ですかね。

ここまで特徴がはっきりしていると、この先出会っても、他の種類、ホトトギスやタイワンホトトギスとの見分けはつくでしょう。
多分・・・


今年出会ったホトトギスのなから、選りすぐりの器量よしさんたちをピックアップしてきました。

  

  

  

  

  

すべてタイワンホトトギスか、その園芸種だと思われます。


最後に紹介するのが、今年出会ったホトトギスのなかで、おじさんが一押しで推薦するものです。

花色の美しさ、シベの可憐さ、花の付き具合等、とくとご覧ください。


甘~~い話

2008年10月25日 | 08 花たち



【ステビア】キク科ステビア属

ステビア(学名:Stevia rebaudiana)は、パラグアイをはじめとする南アメリカ原産のキク科の多年草。
草丈は50cmから1m前後、茎は白い細毛に覆われている。
夏から秋にかけて、枝先に白い小花を咲かせる。
別名アマハステビア。(Wikipediaより)

ステビアは、花より葉や茎が主役の植物です。

かつては甘いハーブとして、知る人ぞ知る存在でしたが、今ではかなり一般的になっていますよね。
日本に導入されたのは1970年とまだ日の浅い植物ですが、低カロリーの人口甘味料としてダイエット業界では注目され、スポーツ飲料でも「ポカリスエット ステビア」なんてものがあります。
人口甘味料とは言っても、植物性天然甘味料だしね、砂糖と同じだよね。

葉っぱを齧ると、甘味が口中にひろがります。
goro’sでも試食してみましたが、2~3cmの小さな葉に、これほどの甘さがあるのかと、試したかたたちは一様に驚きの声をあげていました。
なんてたって、砂糖の200~400倍の甘味度があり、カロリーは90分の1なんですってさ。

生の葉を煮出してみましたが、ハーブの爽やかさプラス甘味で、これだけで飲料として充分役目を果たしますよ。
料理の甘味料としても利用できそうです。
サツマイモのレモン煮などで、試してみたくなりますね。

乾燥させたものを煮出すと、より甘味が増すそうです。


とはいいつつ、goro’s 花 Diaryは花をメインに紹介するブログですのでね、きちんとお見せいたしましょうね。

確かに地味目な花です。
でもシベがピロ~ンと伸びて、可愛いですよ。


今回ステビアと出会ったことで、登場の機会にめぐまれた花があります。

最初に断っておきますね。
実はこの花を撮影したのは、昨年の9月2日なんです。
例によって名前が分からないまま、花倉庫に眠っておりました。

ステビアが導いてくれた花を、紹介いたします。


【スイートハーブ メキシカン】クマツヅラ科イワダレソウ属

メキシコなど中央アメリカ原産の多年草です。
非耐寒性だそうで、10℃を切ると枯れてしまうようですが、翌春には新しい芽が出てくるそうです。

こちらもステビア同様、葉や花に甘味のあるハーブです。
それも甘味度は砂糖の1000倍、ステビアの4~5倍はあるんだそうですよ。
砂糖の1000倍・・・ですか。
想像もつかない甘味ですね。
ミント系の香りもあり、ハッカ飴のような味がするそうですよ。 

先にも申しましたように、出会いは昨年ですので、味見はいたしておりません。
まさか世界一甘い葉っぱだなんて、知る由もありませんでしたのでね。
今更ながら、残念でした。

花穂の形がなんともユニークです。
1個の花は2~3mmと小さいのですが、咲き進むに従って伸びていきます。
小さな松ぼっくりのような風情があります。

 

 

フフフ・・・

やっちゃった。

 

サツマイモのレモン煮ステビア風味~~

上品な甘味で、美味しかったですよ。


3度目の、綿毛

2008年10月24日 | 08 花たち



【ガカイモ・蘿摩・鏡芋】ガガイモ科ガガイモ属

すっかりお馴染みになったガガイモですが、3年前まではその存在すら知らなかったんですよね。
隔世の感がありますなぁ。

九州以北の日本各地など東アジア一帯が原産の、蔓性の多年草です。
名前の由来等、詳細は、昨年の記事「小さな舟に乗って」を参照ください。

初対面を果たした場所で、3年続けて見てきましたが、今年はあれれってことになってました。

おじさんが頭をひねったのは、花色なんですよ。
ガガイモにはいくつかの花色があります。
赤いでしょう? それも濃い赤色系です。

昨年、一昨年と見てきましたが、これまでは白花だったんですよ。

論より証拠、お見せいたします。

07/8/12

全然違うでしょう?

もともと白花だけのところに、赤花のガガイモがやってきたんでしょうか。
赤と白の花が混在してるのなら、それもわかるのですけどね。
この場所の株のすべてが、赤い花を咲かせているんですよ。
この1年の間に白花の遺伝子が変異し、赤色に変わったとはてとも思えないしね。

マイ花マップのガガイモに、一体何が起きたんでしょうか。
謎です。

ガガイモと言えばユニークな実の存在です。
一昨年は青い実を見ることはできましたが、昨年は実を確認することすらできませんでした。

      今年はね・・・

取り敢えず、青い実が生っているのを確認することはできたのですけどね。
問題はこの先です。
このまま育って白い綿毛を飛ばすシーンを見ることができるのかどうか、神のみぞ知る領域です。
この場合の神とは、公園を管理する作業員のかたたちなんですけどね。

綿毛の飛び出したあとに残る小さな舟が、おじさんの手元に届きますように。


同じくガガイモ科の、こちらも紹介いたします。


【ヤナギトウワタ・柳唐綿】ガガイモ科トウワタ属

北米原産の多年草です。
耐寒性のある宿根草で木質化し、50~80㎝ほどの低木状態のものが見られます。
種子からも育てることができるの、1年草として扱われていることもあるようです。

黄色とオレンジのツートンカラーで、暑い夏の間にも元気に咲いています。
花色は黄色一色のものもありますよ。

9月のある日、弾けた莢から冠毛の付いた種子が顔を出しているの見かけました。
今年はガガイモ科の綿毛飛ばしを、ブルースターについで見ることができました。
これって、幸先のいい兆候ですよ。
2度あることは3度あるって、昔の人は言ってるよね。
その伝で言えばです、ガガイモの綿毛も、是非ともと願っております。

ちょっと嫌なことが頭をよぎっちゃったよ。
もしかして3度目にフウセン○○がくる可能性があるな。
あそことあそこと、あそこ・・・
近寄らないようにしようっと。

「ヤナギトウワタ・柳唐綿」の名前の由来はこの綿毛を見ていただくと分かりやすいですよね。
葉が柳の葉っぱに似ていることと、「唐綿」は「唐」は中国という意味ではなく、広く「外国」を指しますので、「に似た葉の(外国)からきた綿のような冠毛のある種子を持つ植物」という意味になりますかね。

道路脇の植栽のなかで、花壇から飛び出してきて自生しているヤナギトウワタを見かけることがあります。
そのうち、街中で見かけることが多くなるのかな。


あかねさす・・・

2008年10月23日 | 08 花たち



【アカネ・茜】アカネ科アカネ属

久々に初登場の「科名の花」です。
今回は「アカネ科」の「アカネ」です。

以前にも書きましたが、科名になっている花は是非とも押さえておきたいと思っています。
科名での分類は植物を整理するのに欠かせません。
初めて出会った花でも、科名が推測出来れば名前に辿り着く近道になりますのでね。

花を紹介するようになって4年目に突入しておりますが、花(植物)ってこんなにも多くの種類があるんですね。
野生種、園芸種を問わず、日々これでもかというくらい初対面の植物との出会いがあります。
おじさんの花フィールドは東京、それも限られた街の花たちしか紹介しておりませんが、これほども多くの植物があるのかと呆れることがあります。

当初は、四季を一巡り、精々二巡りもすれば、ほとんどの花をカバー出来るんじゃないかと思っていたおじさんの思惑は、見事に外れています。
嬉しい誤算ではありますが、その分大変な時間を過ごしていることは、これまでの数々のボヤキでおわかりですよね。
所詮がこの程度のブログなんだから、まあまあ適当にとの開き直りを口にしつつ、気がつくと肩に力が入ってしまい、袋小路に入ってしまっているのが現状です。

日本、朝鮮半島、中国など極東アジアが原産で、山野や路傍などに生育する蔓性の多年草です。
蔓性植物ではありますが、細い蔓を巻きつけながら勢力範囲を拡大させるタイプではなくて、側にある植物に寄りかかり、下向きの棘を引っ掛けるように蔓を伸ばしていきます。
愛しのママコちゃんと同じシステムですね。

直径3~4mmの白っぽい黄緑色の花は、基部がつながっている合弁花です。

夏に紹介したキヌタソウやヒメヨツバムグラなど、同じアカネ科の植物たちに似て、繊細な小さな花です。

葉っぱも可愛いでしょう?

四角形の茎を4枚の葉っぱが取り囲むように付いているように見えますが、これは対生する2枚の葉と、2枚の托葉が変化したものとのことなんですが、どれが葉か托葉か見分けられませんね。

「アカネ・茜」の名前は、「赤根」に由来します。
乾燥した根が赤黄色なんだそうです。

根を煮出した液に布を浸し、この作業を繰り返して茜色に染め上げていきます。
茜色は(アカネの)、根で染めるから「茜根」の名前が付けられたとの説も、同じようなものですね。

茜染めは、触媒の灰汁の濃度が薄いと黄色に、濃いと赤味が深い色になるんだそうですよ。

後日訪ねてみたら、可愛い5㎜ほどの実が生っていました。
この後、黒くなります。


そういえば、「あかねさす」って枕詞があったよな。
何にかかるんだったっけと調べてみたら、「日」、「昼」、「紫」、「照る」、「君」などにかかるんでした。

           茜さす 紫野ゆき標野ゆき

              野守は見ずや 君が袖ふる
                             額田王