goro's 花 Diary

東京の街を彩る花たちを追っかけています。

世界一の香辛料

2007年12月17日 | 07 花たち



【サフラン】アヤメ科

お伺いしているブログや花のサイトで拝見してて、出会ってみたい花だだなと思っていましたら、願いが叶っちゃいました。

葉といい、花姿、その咲きかたといい、クロッカスに似ていますよね。
それもそのはず、「秋咲きのクロッカス」です。
クロッカスとはサフラン属の総称で、春咲きと秋咲きのものがあります。
園芸用のクロッカスは主に春咲きで、秋咲きのクロッカスは原種など数種類はあるようですが、珍しいんだそうです。

春咲きのクロッカスは、いちはやく春を告げてくれる観賞用の植物ですが、秋咲きクロッカスの代表のサフランも負けてはいません。
花弁は春咲きクロッカスより大きく、きれいな紫色です。
見ていただければわかりますよね、観賞にも充分応えてくれる花です。

サフランは、古の昔から、人間生活に深く関わっております。
香辛料としては、ブイヤベース、パエリア、サフランライスなどに使われ、独特の香りと鮮やかな黄色い色付けが珍重され、サフランが無ければこれらの料理は成立しません。
また染料としても利用され、古代ギリィシャではサフランで染めた黄色は、王族だけに許されたロイヤルカラーだった時代があるようですよ。

日本には江戸末期、乾燥したサフランが漢方薬としてやってきて、栽培が始まったのは明治18年ころからとされています。
現在では、大分県竹田市や宮城県塩釜市などで生産されているそうです。

でもね、サフランって高いんですよね。値段がです。
料理をなさるかたならご存知ですよね。
香辛料売り場に並んでいるサフランは、瓶にほんのチョロチョロとしか入っていなくて、空気を買ってきたんじゃないかと思われるほどですが、驚くほど高いんです。
物にもよるようですが、1グラム500~1000円はします。
世界一高価な香辛料じゃないでしょうか。

香辛料や染料として使われるのは、ひときわ目立つ赤い雌しべです。
ひとつの花に3本あるように見えますが、実際には根元で3裂しているせいです。
この雌しべを乾燥させたものが、いわゆるサフランです。
1グラムのサフランを得るには、なんとなんと、300個の花が必要なんだそうです。
300個ですよ・・・ 気が遠くなります。

早朝、まだ花が開ききる前に、人の手でひとつづつ丁寧に摘み取る手間を考えれば、どうしても値段が高くなるのは仕方ないことなんでしょうかね。
生産者の意見だと、1グラム、3000~4000円は欲しい、そのくらい手間がかかる作物だそうです。

サフラン相場は、この先も下がることは有り得ないでしょうね。