小さな飛沫は100%近い漏れ フェースシールドの実力
フェースシールドをした場合の飛沫(ひまつ)の広がりのシミュレーション。赤色以外の飛沫が漏れていることを示す(理研・豊橋技科大・神戸大提供、京都工繊大・大阪大・大王製紙協力)
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)新型コロナウイルスの感染対策として、一般の人でもフェースシールドをつける人が増えてきた。マスクに比べて息苦しくなく、口元も見えるという利点があるが、肝心の予防効果はどうなのだろうか。
■不織布マスクと比べてみると
フェースシールドは医療用防具として、血液や口からの飛沫(ひまつ)が目や鼻、口などに入るのを防ぐのに使われてきた。だが印象が大事な接客業や、口の動きを見せたい語学講師、合唱団、飲み会の場など、コロナ禍で感染予防策として広がりつつある。
理化学研究所や神戸大などは、世界最高レベルの性能をもつスーパーコンピューター「富岳」を使った実験結果を、8月下旬に発表した。不織布マスクをつけた場合と、フェースシールドをつけた場合で、人の飛沫がどう広がるかをシミュレーションした。
不織布マスクでは、5マイクロメートル以下のエアロゾルは約3割漏れたが、50マイクロメートル以上の大きな飛沫は、ほぼ捕まえることができた。一方、フェースシールドでは、エアロゾルは100%近くが漏れ、50マイクロメートルの飛沫でも半分が漏れた。理研チームリーダーの坪倉誠・神戸大教授は「飛沫を飛ばさないという効果を考えると、不織布マスクに軍配があがる」と話す。
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