新型コロナウイルスの集団感染が起きたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で、栃木県の60代女性の感染が下船後に確認されたことを受け、加藤勝信厚生労働相は23日、下船した全乗客に対し、健康状態を毎日電話で確認することを決めたと発表した。これまでは下船客に健康カードを配り、下船後2週間は発熱などの有無を毎日チェックすることなどを求めていたが、対策を強化した。

 厚労省によると、対象は、症状がなく検査で陰性となって下船した乗客約980人。各地の保健所が下船日翌日から2週間、体温や、せき・倦怠(けんたい)感の有無などを毎日電話で聞き取る。症状がなくても、公共交通機関の使用を控えることも求める。同省は23日付で都道府県などに通知を出した。

 一方、加藤厚労相は同日、新型コロナウイルス感染症対策本部の会議で安倍晋三首相が指示した「総合的な基本方針」の策定について、24日に同省内で専門家会議を開き、取りまとめに向けた作業を進めることを明らかにした。

 加藤厚労相は「現時点では、患者の増加スピードを可能な限り抑制することが大事。今後の状況の進展を見据えた対策を早急に整備し、基本方針として国民に示したい」と述べ、25日にも対策本部で方針が決定されるとの見通しを示した。