衆院選19日公示、自公政権問う 安倍・菅氏「負の遺産」も争点
第49回衆院選は19日公示され、31日投開票に向けた12日間の選挙戦に入る。第2次安倍政権以降の自民、公明両党による連立政権の評価や、立憲民主党など野党に政権を委ねるかが問われる。18日は与野党の9党首が日本記者クラブ主催の討論会に出席し、分配政策のあり方や新型コロナウイルス対策などを巡って論戦を交わした。
選挙戦は、衆院定数465(選挙区289、比例代表176)の議席が争われる。自民、公明両党は過半数となる233以上の議席獲得を目指す。立憲と共産党、国民民主党、れいわ新選組、社民党の野党5党は約210選挙区で候補者を一本化。日本維新の会なども議席増を狙う。
討論会では、岸田文雄首相(自民党総裁)は「コロナ対応として、病床確保と大型経済対策を用意する。『新しい資本主義』で、成長と分配の好循環により所得を上げる。国民の一体感を取り戻し、新しい時代を切り開く」と主張。公明党の山口那津男代表は「未来を担う子供たちを全力で応援する。0歳から高校3年生まで、1人当たり10万円相当の給付を実現する」と述べた。
立憲の枝野幸男代表は「アベノミクスで固定化した格差、深刻化した貧困から日本を立て直す。恩恵を受けた人には応分の負担をお願いし、所得を再分配する」と訴えた。共産の志位和夫委員長は「格差と貧困をひどくし、疑惑にまみれた(安倍・菅)政権を引き継ぐ岸田政権には任せられない」とアピールした。
維新の松井一郎代表は「分配するには成長が必要で、そのためには規制改革をしなければならない」と強調。国民の玉木雄一郎代表は「積極財政に転換して賃金デフレを脱却する」と訴えた。
れいわの山本太郎代表は「消費税廃止」、社民の福島瑞穂党首は「3年間消費税ゼロ」を掲げた。「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」の立花孝志党首は「NHKのスクランブル放送の実現を目指す」と訴えた。
枝野氏は討論会で野党5党による選挙協力後「基本的には単独政権を担わせていただく」と明言し、共産党などとの協力は「閣外協力」にとどめる方針を示した。志位氏は立憲が政権を担った場合も、同党が提出した法案に反対することもありうると述べた。
選挙戦では、安倍・菅政権と続いた長期政権がもたらした「負の遺産」も争点となる。首相は、森友学園を巡る公文書改ざん問題について「行政は調査を行い、非を認めた報告書が出されている。政治として必要ならば説明を行っていく」と重ねて強調した。【小山由宇】
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