白山火山帯

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【ディープテックを追え】CO2を資源化、“やっかいもの"の有効利用

2021-11-16 12:33:19 | 日記

【ディープテックを追え】CO2を資源化、“やっかいもの"の有効利用

【ディープテックを追え】CO2を資源化、“やっかいもの"の有効利用

【ディープテックを追え】CO2を資源化、“やっかいもの"の有効利用

(ニュースイッチ)

二酸化炭素(CO2)を食べて増える菌。これを使って、たんぱく質や化学製品を作り出す−。こんな“奇妙な”話を口にするのは、CO2資源化研究所(CO2研、東京都江東区)の湯川英明社長だ。脱炭素の流れが強まる中、「やっかいもの」とされるCO2を使い、たんぱく質や化学製品を作り出す動きが加速している。サスティナブルな工業社会の実現に向けた同社の取り組みを追った。

独自の水素細菌

水素細菌「UCDI株」

CO2研が使用するのは独自の水素細菌「UCDI株」だ。CO2と水素を使い、高速で増殖する。驚くべきはその速度だ。1グラムの菌が24時間で16トンにも増殖する。

菌には栄養素になるCO2と水素を微細な泡にして供給する。菌が最も生育するのに適した温度である、セ氏52度を保つために電気を消費するが、CO2を生育に使うため全体のCO2排出量は減らすことができるという。

米航空宇宙局(NASA)の研究成果の産業化を目指す米キベルディなど競合もいるが、湯川社長は「増殖の速度は圧倒的に優位性がある」と自信を見せる。同社はこの水素菌を使い、たんぱく質やポリエチレン(PE)などのプラスチック化学製品を作る計画だ。

培養前の様子
培養後10時間経過した様子

24年ごろの供給を目指す

水素細菌から作ったプロテイン

すでに製品化が進んでおり、菌から作ったプロテインを開発している。たんぱく質の含有量が約83%と競合の菌類に比べ、20%以上も高い。近年、代替たんぱく質の需要が高まっている。牛や豚を飼育するとメタンが発生するほか、多くの飼料が必要になるためだ。湯川社長は「環境保護や人口増加を背景に、プレミア価格でも手に取ってもらいやすい流れにある」と話し、食用たんぱく質やミルク製品の市場流通を急ぐ。

また、同社は菌を遺伝子組み換えし、化学製品を生成する。菌が分裂し増えるのを抑え、代わりに目的の化学製品をため込む。菌から生産した化学製品を加工することで、さまざまなプラスチック製品を製造する。初めはポリ乳酸から食品用包装容器のサンプルをコンビニ100店舗ほどで配布する。プロテインとポリ乳酸ともに2024年ごろの量産を計画する。次いでPEの生産に乗り出す。10社ほどの企業と共同研究を進めているという。

既存インフラを活用

湯川社長

最終的には既存の石油化学コンビナートの蒸気製造設備などのインフラをそのまま利用する計画だ。石油製品の需要縮小もあり、化学コンビナートの設備休止が相次いでいる。同社は既存のインフラを使うことで投資コストを下げつつ、既存設備の雇用を維持できると強調する。湯川社長は「我々にとってはコストを抑えることができる。化学メーカーにとっては遊休資産を最大限活用できる」と説明する。

石油代替の歴史は古く、90年代は米国を中心にバイオマス産業が活況だった。その後、食品でもあるとうもろこしの価格高騰や原油価格の下落もあり、産業自体が下火になった。近年、取り組まれているCO2由来のプロセス産業は石油代替の側面のほか、国連の持続可能な開発目標(SDGs)や環境保護の側面が強い。食品との競合もないため、軋轢(あつれき)を生みにくく、高価格でもビジネスとして成立しやすい。

富士キメラ総研(東京都中央区)は23年度には世界のバイオプラスチック需要を310.7万トンと予想する。各国での石油由来プラスチックへの規制が強まる中、ベンチャー企業の技術競争も加速している。CO2研も海外での展開を視野に入れ、量産技術の確立を目指す。


昭和天皇への御進講時に着用、南方熊楠のコート修理へ

2021-11-16 12:12:20 | 日記

昭和天皇への御進講時に着用、南方熊楠のコート修理へ

昭和天皇への御進講時に着用、南方熊楠のコート修理へ

修理のために南方熊楠のフロックコートを包む元興寺文化財研究所の関係者=和歌山県白浜町の南方熊楠記念館

(産経新聞)

和歌山県出身の世界的な博物学者、南方熊楠(みなかた・くまぐす)=1867〜1941年=を顕彰する「南方熊楠記念館」(同県白浜町)が令和7年度の開館60周年記念事業のためにインターネットで募った寄付の受け付けが終了し、当初目標とした500万円の3倍超の約1830万円が集まった。展示品の修理などに充てられ、まず熊楠が着用していたフロックコートが修理のために文化財の保存処理などを行う元興寺文化財研究所(奈良市)に運び出された。

フロックコートは、昭和4年に熊楠が田辺湾の生物について昭和天皇に御進講を行った際に着用。常設展示していたが、時間の経過とともに傷んでおり、約120万円の予算で修理することにしたという。

記念館から今月4日に搬出されたフロックコートの実物を見た元興寺文化財研究所文化財調査修復研究グループリーダーの金山正子さんは「肩の部分や裏地が擦り切れている」と指摘。「文化財の修理はやりすぎないのが原則。傷みが進まないように補強していく」と話した。

寄付はインターネットで資金調達するクラウドファンディング(CF)で9月1日から10月29日まで受け付け、9月13日に第1目標額の500万円を突破。9月24日には第2目標額の1千万円を超え、第3目標額を2千万円としていた。

寄付金はこのほか、手紙の複製作製や標本整理、図録作製にも充てる。

高垣誠館長は「このお金を使って60周年にふさわしい展示をしたい」と意気込んでいる。