WHOが新変異株を「オミクロン」と名付けたことに波紋が広がっている。

WHOは今年5月31日、「VOC(懸念される変異株)」「VOI(注目すべき変異株)」に指定した変異株の名称にギリシャ文字を使い始めた。変異株はそれまで「英国型」「インド型」など発生した国の名が便宜的に使われていたが、「偏見や差別につながる恐れがある」として切り替えたもので、「アルファ」「ベータ」「ガンマ」「デルタ」…とギリシャ文字のアルファベット順に命名されることになっていた。

最新の変異株は8月30日に命名されたギリシャ文字12番目の「ミュー」で、本来なら今回は13番目の「ニュー(Nu)」になるはずだった。しかし、WHOは「ニュー」と14番目の「クサイ(Xi)」は使わず、15番目の「オミクロン」を採用した。WHOは理由を明らかにしていないが、英紙テレグラフはWHO関係者の話として「Nuは『new(新しい)』との混同を避けるため、Xiはある地域に汚名を着せないため、意図的に外した」と伝えた。

SNSでは中国の習近平主席の英語表記が「Xi Jinping」であることから、WHOが中国に配慮して「Xi」を使用を避けたとの見方が広がっている。